1. トップ
  2. 恋愛
  3. 乃木坂46・奥田いろは「歌うのが怖かった」ミュージカルとJ-POPの両立に悩んだ時期も。加入4年目、自身の成長を振り返る【インタビュー】

乃木坂46・奥田いろは「歌うのが怖かった」ミュージカルとJ-POPの両立に悩んだ時期も。加入4年目、自身の成長を振り返る【インタビュー】

  • 2025.4.8

この記事の画像を見る

乃木坂46の奥田いろはが、4月8日より明治座で開幕するミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』に出演する。舞台は18世紀末、革命前夜のフランス。激動の時代に、身分の壁を越えて惹かれ合う男女の愛を描いた物語で、ヒロインのオランプ役に挑む。

楽曲が物語を彩る本作で、かねてより歌声に定評のある奥田が、どんな表現を見せるのか。本作に懸ける思いに加え、音楽のルーツや歌との向き合い方、そして自身にとっても激動だったこの1年を振り返ってもらった。

私なりのオランプを表現したい

――今回はミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』についてのお話に加え、奥田さんの歌や音楽についてもお伺いできればと思います。昨年の『ロミオ&ジュリエット』に続いてのミュージカルになりますが、出演が決まったときの気持ちはいかがでしたか?

奥田いろはさん(以下、奥田):演出家の小池修一郎さんとまたご一緒できることが、本当にうれしかったです。これまでオランプを演じてこられた方々は、私よりも10歳ほど年上の方が多かったので、自分が選ばれたのは、すごく挑戦的なことなんじゃないかと感じました。新しいオランプを求められているのかもしれない、という責任を感じながらも、それ以上に成長できるチャンスだと思って、精いっぱい頑張りたいと思いました。

――小池さんとは『ロミオ&ジュリエット』に続いてのタッグとなりますが、前回の評価が今回の起用につながったのではないでしょうか。何か言葉はかけられましたか?

奥田:小池先生は、あまり直接褒めてくださるタイプではないんですけど、今回のお稽古の中で何度か「いろはさん、成長したね」と言っていただけることがあって。それが本当にうれしくて、「ちゃんと見てくださってるんだ」と実感できました。

――今回演じるオランプという役柄には、どのように向き合っていますか?

奥田:これまでの方々が演じられてきたオランプには、私がいくら頑張っても追いつけない部分があると思うんです。だからこそ、私自身のオランプをしっかり表現したいと思っていて。この子が、この世界に本当に存在しているんだと、観客の皆さんに感じていただける演技を目指したいと思っています。

――演じていて、特に面白さを感じるのはどんなところですか?

奥田:例えばお辞儀の仕方ひとつでも、日本とは全く違っていて。そういう所作も含めて、これまでやったことのないことばかりで、最初は本当に分からないことだらけでした。オランプ役のダブルキャストの星風まどかさんは、宝塚で10年以上ご経験があって、動きや所作も本当に美しいんです。手の組み方ひとつまで、丁寧に教えていただいています。

そんな風に、全く違う国、違う時代の、違う人物を演じられるのが、本当に面白いなと思います。自分が出ていないシーンでも、他のキャストの皆さんが演じられているのを見ていると、「この時代の人たちは、本当に命懸けで毎日を生きていたんだな」と実感するんです。お稽古場は2025年の東京なのに、気付くとちゃんと1789年のフランスになっている。その感覚がすごく不思議で、とても楽しいです。

――歌のシーンも楽しみですが、現状での手応えはいかがですか?

奥田:ボイトレ(ボイストレーニング)も頑張っているんですけど、歌ってどこまで行っても終わりがない感覚があって、常に課題があるんです。前の自分と比べたら歌えるようになっているとは思うんですけど、まだまだ課題は山積みで。でも、歌っていてすごく幸せだし、楽しい。『1789』の曲は、耳に残るキャッチーな曲が多くて大好きなので、早く皆さんに届けたい気持ちでいっぱいです。

「歌うことがどんどん楽しくなっている」 自身の音楽のルーツは?

――ミュージカルで歌うのは、乃木坂46や『超・乃木坂スター誕生!』でJ-POPの曲を歌うのとは違う部分もあると思いますが、難しさはありますか?

奥田:『スタ誕』でJ-POPを歌っている時期に、ミュージカル用のボイトレに通っていたんですけど、歌い方の違いについて、すごく悩んでしまったことがあったんです。J-POPを歌っているのに「ミュージカルっぽい」と言われて、どうすればいいか分からなくなって、歌うのが怖くなった時期もありました。

――それは克服できたんですか?

奥田:ミュージカルの先生とJ-POPの先生、両方に習っていたんですけど、一人の先生だけだと、どうしてもその方の教えが全てになってしまうんですよね。でも、他の先生に聞いてみると、また違ったアプローチがたくさんあって。「あ、だからこれはミュージカルっぽく聞こえてたんだ」とか、「J-POPではこう歌えばいいんだ」って分かってきて。ミュージカルでは歌詞を丁寧に届けることが大切で、J-POPではリズムやビートが大事だという違いを理解できたときに、ようやく整理がつきました。

――今、歌うことは楽しいですか?

奥田:加入して少し経った頃から、ミュージカル用のボイトレに通わせていただいているんですけど、最近ようやく楽しくなってきました。ずっと練習していた曲がうまく歌えるようになったり、昔の録音と聞き比べて「うまくなってる!」と実感できたりして。歌える幅も広がってきて、歌うことがどんどん楽しくなっているところです。

――奥田さんの音楽のルーツも聞かせてください。中学生のときには軽音楽部でギター&ボーカルを務めていたんですよね。

奥田:そうなんです。あいみょんさんとか、back numberさんとか、部活のみんなとギターを弾いて歌っていました。

――お客さんの前で発表する機会もあったんですか?

奥田:地元のお祭りとか、学校の行事で演奏する機会がありました。アコギ(アコースティックギター)での演奏が多かったんですけど、[Alexandros]さんの「ワタリドリ」をバンドで披露したこともあります。他にもSHISHAMOさんの「明日も」や、back numberさんの「わたがし」とか、いっぱい歌いました。

――「明日も」は『スタ誕』でも披露していましたね。

奥田:そうなんです! 中学生のときに歌っていた曲を番組で披露することになって、すごく感慨深かったです。

――家でも音楽が身近な環境だったんでしょうか?

奥田:お父さんがすごくギターが上手で、趣味でDTMもやってるんです。曲づくりをしているときに、音が大きすぎて、ヘッドホンからの音漏れが響き渡っていたり、休日はリビングで、お父さんがギターを弾いて熱唱していたりしました(笑)。お父さんのコレクションの大きなCDラックがあって、車の中でも音楽がずっと流れていて。WiiとかNintendo Switchでカラオケをしたり、とにかくずっと音楽がある家でした。

――先日、最終回を迎えた『超・乃木坂スター誕生!』でも、さまざまな楽曲を披露していましたが、加入当初から3年間続いた番組を振り返ると、どんな存在でしたか?

奥田:本当に嘘偽りなく、成長させてくれた場所でした。カメラに慣れることができたのも番組のおかげですし、いろんな曲をライブ形式で披露することができたのも貴重な経験でした。歌うこと、しゃべること、踊ること、全部が鍛えられたと思います。

――今回インタビューさせていただく前に、見返したのですが、番組が始まった頃と今では全然違いますよね。

奥田:私もちょっと前に、初期の映像を見返したんですけど、「何をそんなに怯えてるの?」って思うくらいガチガチで(笑)。それも、今では笑えるくらい変わったなと思えるようになりました。

高校卒業後は活動に専念「忘れられない1年に」

――グループ加入時には16歳だった奥田さんも、昨年には高校を卒業して19歳に。現在は乃木坂46の活動に専念されていますが、進学の道も考えましたか?

奥田:大学生になるのは昔から夢だったので、すごく悩みました。グループの活動をしながら、大学にも通っている先輩たちもいて、本当に尊敬しています。でも、やっぱり両立はものすごく大変そうで、自分にはその道を選ぶことはできなくて。大人になってからでも、学びたいことが見つかれば、そのときに通うこともできるからと考えて、今は乃木坂46の活動に集中することを選んだんです。

――活動に専念したこの1年は36thシングルアンダーライブの座長や、37thシングル「歩道橋」、38thシングル「ネーブルオレンジ」での選抜入りなど大きな変化のあった1年だったと思います。

奥田:間違いなく、忘れられない1年になりました。人間って、感情が大きく動いた瞬間のことは忘れないって言いますけど、本当にその通りで。選抜に選ばれた瞬間の景色や感情は、今でも鮮明に覚えていて。とても貴重な時間を過ごしていると感じています。

――2月には加入4年目を迎えて、ブログに「ようやく最近自分のことをコントロールできるようになってきた」と書かれていました。どんな風に変わってきたんでしょうか?

奥田:加入してから最初の頃は「自分は人に嫌われている」と思って行動していたんです。先輩やスタッフさんに迷惑をかけたくない、邪魔になりたくない、という思いが強すぎて「みんなが私を嫌いだと思っている」という変なフィルターを自分にかけていて。そうやって、自分自身を勝手に苦しめながら行動していたんですけど、先輩たちが「いろはのこと好きだよ」って伝えてくれたり、優しくしてくれたりして、少しずつそのフィルターをはずせるようになりました。最近では、人に迷惑をかけない程度に、マイペースに動けるようになってきたのかなと思います。

――先輩から「好きだよ」と言われたときのことは覚えていますか?

奥田:去年、「乃木坂配信中」のバレンタイン企画で、先輩から後輩に気持ちを伝えるという企画があって、岩本蓮加さんと梅澤美波さんが、私にすごくうれしいお言葉をいっぱいかけてくださったんです。あのときの言葉は、今でもすごく心に残っています。

――そんな奥田さんも、6期生が加入して、今度は先輩になる番ですね。後輩たちにはどう向き合っていきたいですか?

奥田:必要なときに、必要な言葉をかけてあげられる先輩になりたいです。自分がそうやって先輩たちに救われてきたからこそ、今度は私がそれを返す番だと思っています。実は6期生に呼んでほしい名前を11人分11個考えてあるんです(笑)。「いろぱ先輩って呼んでね」とか、「あなたはいろはちゃんって呼んでね」とか。

――11個も。そんなに多いとお互い大変そうですが(笑)。

奥田:それが私なりの距離の詰め方かなって思っています(笑)。

――今回のミュージカルが終わったらすぐに「13th YEAR BIRTHDAY LIVE」も控えていますね。

奥田:ミュージカルの本番が始まったら、同時進行でライブのリハーサルも始まって、身も心もハードな時期になると思います。でも、バースデーライブは乃木坂46にとって特別なイベントですし、私にとっても初めての会場なので、今からとても楽しみです。大変な時期にはなると思うんですけど、その分、またひとつ成長できるチャンスだと思って頑張りたいです。

取材・文=堀タツヤ、撮影=島本絵梨佳

<衣装>

アシンメトリーフリルビスチェとスカートセットアップ(¥21,890)、刺繍ボウタイシャツ ※シャツのみ使用(¥9,790)

ブランド:AND COUTURE

※問い合わせ先:アンドクチュール ルミネ新宿店(03-5323-5221)

靴(¥11,550)/ブランド:Launa lea ※問い合わせ先:03-5797-8038

ピアス(¥59,400)/ブランド:ete

リング右手(¥79,200)、リング左手(¥126,500)/ブランド:ete bijoux

※ジュエリー問い合わせ先:0120-10-6616

元記事で読む
の記事をもっとみる