「産後うつ」の心境を描いた漫画「産後うつになったけど今は元気に子育てしてる私の話【精神科医のアドバイス編】」が、Xで合計8400以上のいいねを集めて話題となっています。
第一子を出産後、産後うつになった作者。世のお母さんたちと自分を比べて、満足に育児ができていないと自信をなくしてしまいます。「夫や義母などにも迷惑をかけてしまって罪悪感がある」と話す作者に、精神科医がくれたアドバイスとは…。産後うつのつらさと回復までを描いた作品に、読者からは共感の声が上がっています。
罪悪感がモヤモヤの原因であると分かり…
この漫画を描いたのは、漫画家・イラストレーターの藤嶋マルさんです。XやPixiv、noteで漫画やイラスト、携わった作品の情報などを発信しています。藤嶋マルさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
藤嶋マルさん「物心がつく頃からです。とにかく漫画や絵を描くのが好きでした」
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
藤嶋マルさん「第一子を出産後に、『産後うつ』になってしまいました。ありがたいことにその後は回復して、第二子も無事出産できたので、自分が経験したことを漫画にしました」
Q.現在の体調はいかがでしょうか。
藤嶋マルさん「子育てをしていると規則正しい生活にならざるを得ず、そのおかげで体力もつき、過去最高に元気です。産後うつの症状はまったくありませんが、強いて言えば、仕事に集中し過ぎた日は頭がさえて寝つきが悪くなることがあります」
Q.いつも温和な医師から、厳しくアドバイスをされたときの心境を教えてください。
藤嶋マルさん「『罪悪感より感謝を』と言われたときは、アドバイスというより『哲学のようだな…』と不思議な気持ちになりました。でも実際アドバイス通りに、自分の気持ちを意識的に『感謝』の方向へシフトしてみると、回復を実感したのでびっくりしました」
Q.回復に向かっている中で、ご自身が大切にしていたことは何だったのでしょうか。
藤嶋マルさん「しっかり休むこと、自分らしくいられる趣味の時間なども持つこと、医師に言われたように『罪悪感を持たないようにする』ことです」
Q.産後うつを経験して、それまでと考え方が変わったことはありますか。
藤嶋マルさん「以前は周囲に頼るのが苦手でした。今は1人で抱え込まずに、友達にお願いしたり、話を聞いてもらったり、カウンセラーに相談したりするようになりました。悩みやつらさをため込まずに、アウトプットすることがうまくなったと感じています」
Q.今回の作品について、どのような意見が寄せられていますか。
藤嶋マルさん「産後の大変さを共感してくださる人たちから、『描いてくれてありがとう』とのコメントを多くいただきました。また、読んでくれた人から、『漫画を読んでもう少し生きてみようと思いました、今は元気です』とリプをいただき…。誰かの手助けになれたかもしれない、こんなにうれしいことあるだろうかと泣いてしまいました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
藤嶋マルさん「普段は創作漫画や児童書のイラストを描いていますが、産後うつを経験し、この漫画を描きました。今後も本業を続けながら、産後うつで悩む人がすぐ読めるよう、ネットに全話公開し、SNSでも定期的に紹介したいと思います」
オトナンサー編集部