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平安王朝の着物の色合わせを表現した和菓子を求めて、京都の「御室和菓子 いと達」へ

  • 2025.4.7

京都に17ある世界遺産のひとつ、仁和寺のほど近くに「御室和菓子 いと達」という名のちいさな和菓子屋さんがあります。北欧テイストを効かせた店内に並ぶのは、和菓子の伝統を大切にしながらも新しい感性がキラリと光る、麗しい和菓子たち。仁和寺で行なわれた将棋の竜王戦で、あの人気プロ棋士が食べたおやつにも注目です。

平安王朝の着物の色合わせを表現した和菓子を求めて、京都の「御室和菓子 いと達」へ

仁和寺近くの閑静な住宅街へ

駐車場はないので、車で訪れる場合は近くのコインパーキングへ

市バス「御室」から歩いて2分ほど。仁和寺の二王門前を走る「きぬかけの路」を北上し、最初の交差点で右手の住宅地へ。道なりに進むと、白い暖簾が揺れる一軒家が現れます。1階がおめあての和菓子店「御室和菓子 いと達」です。

北欧雑貨店のようなディスプレイも素敵

こぢんまりとした店内は、商品のディスプレイにミナペルホネンのタイルを採用するなど北欧テイストをミックスしたかわいらしい空間。ショップの隣に工房があり、レジ横のガラス窓越しに主人の伊藤達也さんが和菓子づくりに勤しむ様子がうかがえます。

蝶ネクタイがトレードマークの伊藤達也さん

主人の伊藤達也さんは、京都の有名和菓子店での修業を経たのち、「忙しい日々のつかの間の休息に、ほっこりしてもらえるようなお菓子を」と2019年秋に自身の店舗をオープン。日本各地から吟味した素材を使い、季節を映す上生菓子や、手みやげ用の和菓子、ふだんのおやつまで、手づくりにこだわった和菓子をそろえています。

平安の雅が香る美しい餅菓子

「包み餅」1個315円。手みやげには、5個入り貼り箱1875円がおすすめ

代表銘菓の「包み餅」は、達也さんの出身地である愛知県のご当地菓子「ういろう」と、京都の文化の融合をイメージして生み出したという逸品。ほんのり透ける半円形の生地に、平安時代の装束に使われていた襲色目(かさねいろめ)にあやかった伝統色をまとわせ、重ねています。3種のもち粉をブレンドした生地でくるむ餡は、黒豆から挽いた濃いめのきな粉をあわせた白味噌きな粉と、こし餡の2種。子供の日や祇園祭には、それらのモチーフを焼き印にした限定の包み餅もお目見えします。

春限定の焼き菓子「桃山Fika」

「桃山Fika」1個324円

卵と白あんに、わずかなもち粉を加えてつくる定番の和菓子「桃山」をアレンジした「桃山Fika」は春限定。旬のいちごを使用した自家製いちごジャムが色と味わいのアクセントになっています。上品な甘さで、日本茶はもちろんのこと、紅茶やコーヒーにもよく合います。

SNSで話題になったキュートなもなか

写真左が「竜王戦バージョン2024」432円(2025年9月末頃まで販売予定)、その他は350円

くまさん好きの奥様の願いを形にしたという「いと達のもなか」も人気で、季節によりくまのデザインが変わります。中の餡は、こし餡、一休寺納豆、黒糖をあわせた定番の餡のほか、期間限定の餡も。仁和寺で行なわれた将棋の竜王戦で藤井聡太さんがおやつタイムに食べたことで話題を呼び、ファンも買いに訪れるそうです。

色彩も形も魅力の新感覚の和菓子は、手みやげにぴったり。きぬかけの路に連なる仁和寺、龍安寺、金閣寺の3つの世界遺産めぐりとあわせて立ち寄ってはいかがでしょうか。

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