【漫画】度重なる上司からのパワハラ…我慢が限界に達した女性社員に「すぐ辞めた方が良い」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、クマさんが描く『ブラックマ 思考停止のスイッチ』をピックアップ。
2025年2月1日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、多くの「いいね」と反響コメントが寄せられた。本記事では、クマさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
課長のパワハラ行動に耐え続ける女性社員。この日は…
いわゆる“ブラック企業”に勤めている女性社員・立花ゆうこは、日々部長からのパワハラ行動に悩んでいた。そして、この日も理不尽な理由で部長から怒られることに…。
まず、会社に遅刻して朝からイライラしている様子の課長に「挨拶くらいしろ」と怒られることから始まる。ちなみに立花はきちんと挨拶していて、課長が聞き逃していただけだった。続けて、朝一で課長が面談予定だった業者を別室で待たせていることを知り、立花へ「気を利かせて対応しておくべき」と理不尽な怒りをぶつけてくるのだった。
立花はこれまで数えきれないほどのパワハラを受けて多少の免疫があったため、憤りを覚えつつも何とか耐えていたが、皆がそうというわけではなかった。契約社員の女性は課長からの過度な説教に耐えられず、泣き出してしまったのだ。エスカレートする課長の言動をさすがに看過できないと思った立花は、課長より立場が上である部長に相談することに。しかし、部長は以前から課長の言動を把握していたにもかかわらず、「今はガマンして下さい」と取り合ってはもらえなかった。現状を変えられなかった結果、立て続けに契約社員2人が退職してしまい、立花含む社員にそのシワ寄せがくる形に。そして忙しくなった社内の空気と比例するように、課長の苛立ちやパワハラ行動がさらにエスカレート。耐えに耐えてきた立花も、遂に張り詰めていた糸がプツッと切れてしまうのだった――。
パワハラという社会の深刻な話題をマスコットキャラクター「ブラックマ」と共に多くの人にとって読みやすく描かれている本作。これから、立花は会社でどのように立ち振る舞っていくのか…。X(旧Twitter)の投稿には「最近これに似たような出来事に遭遇しました」「こんな感じで自分の機嫌で仕事する上司おった」など身に覚えがある人からのコメントも多く寄せられた。
作者・クマさん「ハラスメントというのはどこにでもある問題」
――『ブラックマ 思考停止のスイッチ』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
きっかけは本を出したいという夢をもったことです。何を描こうか考えて、自身の経験を生かした話にしました。それがこの思考停止のスイッチです。
会社に勤めていた頃、上司からのパワハラが苛烈で、きつい思いをしました。暴言から自分の心を守るために思考を止めていたこともあります。もちろんそれでは解決にはなりません。「パワハラ」を解決するにはどうすればいいか? という自分への問いかけ、ひいては世の中への問いかけになっています。
と大層な表現をしましたが、ハラスメントというのはどこにでもある問題で、身近に感じてもらえるんじゃないかと考えたからです。
――本作はクマさんがブラック企業に勤めていた頃の経験なども盛り込まれたお話とのことですが、今回ご紹介しているお話と同じように、会社で理不尽な我慢を強いられる状況になった際には、クマさんはどのような方法で乗り越えていたのでしょうか?
毎日のように上司に叱責されていました。自分が至らないせいだと反省し、努力をしました。やり方を見直したり先輩に助言を仰いだり。改善した時期もありましたが、それでも叱責はやまない。上層部に相談したら「上司が異動するまで我慢してほしい」と返されました。そこで発想を変えたんです。この会社に居ることで自分の成長を止めてしまうのではないかと。会社に勤めながら経験を積んで広告漫画家に転身しました。「他所にいっても通用するように自身のスキルを磨く」ことで障害を乗り越えられたのかなと思っています。
――主人公の立花ゆうこや課長などの頭に現れる「小さなクマ」が特徴のひとつでもある本作ですが、どういう状況の時にクマが現れるのでしょうか?
ブラックマは人間が強い負の感情を抱いた時に現れます。まわりに助けてくれる人がいれば現れませんが、ひとりで悩み、助けを求められない人のもとに「希望」として現れます。
――作中、部長の頭だけが動物として描かれていますが、これにはどのような意味が込められているのでしょうか?
エンタメ漫画にしたかったからです。本作は社会人なら誰しもが悩むようなエピソードでできています。でも、ただの退職話ではエンタメにはなりませんよね。創作漫画として楽しんでほしかったのでブラックマというファンタジー要素をいれました。部長の頭部がウサギなのも漫画らしさを出すためです。
――まだ続きのある本作ですが、全編を通しての見どころや注目してほしいポイントをお伺いしてもよろしいでしょうか?
見どころは、特別なスキルをもたない、どこにでもいるОLの主人公が少しづつ成長していく姿です。努力をして前に進もうとする姿に好感を持っていただけるのではないかと思っています。
もうひとつの注目ポイントは、ブラックマです。ブラックマは宿主の心そのもの。主人公はブラックマに向き合うことで、自分が何に悩んでいるのか、何が問題点なのかをはっきりさせて問題解決に向かいます。
最初は暗い話ですが、ハッピーエンドになるので安心して読んでください。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
ブラックマと出会ってくださり、ありがとうございます。これからも希望ある物語を生み出せるように頑張ります。応援よろしくお願いします!