木下恵介監督が親子関係や青年問題を取り上げたドラマ「おやじ太鼓」(1968年放送、全65話)が、4月8日(火)昼5時よりBS松竹東急(全番組無料放送・260ch)にて毎週月~金曜に放送をスタートする。本記事では、木下監督書き下ろしの傑作コメディである本作の見どころや、第1話のあらすじについて紹介していく。
木下恵介監督自らが書き下ろしたホームコメディ
強烈な個性を持つ明治時代生まれの“おやじ”と、個性豊かな性格の子どもたち。そんな彼らの間にある、世代の“ズレ”によって生み出される笑いと哀愁たっぷりの日常騒動を描いたホームコメディ「おやじ太鼓」。木下恵介監督が手掛けた映画「破れ太鼓」(1949年公開)を、監督自らが書き下ろしたコメディ作品となっている。
叩き上げの建設会社の社長を中心に、その妻や四男三女の子ども、2人の女中、叔母など、一族が繰り広げる騒動を軽快な演出でおもしろおかしく描いている点が見どころだ。
ガミガミおやじを進藤英太郎さん、物静かな妻を風見章子さんが演じ、その他にも7人の子どもたち役に、映画「犬神家の一族」「二百三高地」などにも出演するあおい輝彦や、「はぐれ刑事純情派」や「おんな太閤記」にも出演する沢田雅美など、個性豊かな俳優陣が出演。
また本作は“カラー化過渡期”に放送されたこともあり、第1話~第11話は“モノクロ”、第12話以降は“カラー”という、貴重な作品に仕上がっている。
「おやじ太鼓」第1話あらすじ
裸一貫からたたき上げ、わずか一代で築いた建設会社の社長・鶴亀次郎(進藤さん)は、妻の愛子(風見さん)、四男三女の大黒柱。しかしワンマンかつ頑固な亀次郎は、子どもたちから“おやじ太鼓”というあだ名で呼ばれており、朝5時から夜8時まで起きている間は怒鳴りっぱなしだった。
ある時、次男の洋二(西川宏)が、おやじの“テーマソング”を作成する。これをきっかけに、鶴家にはひと騒動が起こりそうで――。