板垣李光人とHey! Say! JUMP・中島裕翔がW主演を務めるドラマ「秘密~THE TOP SECRET~」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第10話が3月31日に放送された。薪(板垣)が鈴木(中島)と青木(中島、一人二役)を混同する夢を見て動揺する姿が描かれ、見ているだけでつらく、胸締め付けられた。(以下、作品のネタバレを含みます)
記憶を映像化する「MRI捜査」を行う物語
同ドラマは清水玲子氏による同名漫画を原作に、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台に、死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛(まきつよし)と、新米捜査員の青木一行(あおきいっこう)のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていくヒューマンサスペンス。
板垣が薪剛役を、中島が青木一行役と、かつての第九メンバーで薪の親友以上の存在だった鈴木克洋役の一人二役を演じる。そして二人の大学時代からの友人で、亡くなった鈴木の婚約者でもある解剖医・三好雪子(みよしゆきこ)役を門脇麦が演じる。
死者の脳の「MRI捜査」を行う“第九”に所属する薪と鈴木は捜査を行う
驚異的な記憶力と鋭い洞察力を持つ薪剛は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”の室長に任命され、大学時代からの親友で副室長の鈴木克洋とともに、新たな任務に就くことになる。第九では、凶悪・重大犯罪において被害者および犯人が死亡した際、その脳を特殊なMRIスキャナーにかけ、生前の記憶を映像化する「MRI捜査」を行う。脳科学者の貝沼清孝(國村隼)が開発したこの技術により、真相を明らかにできる可能性は高まったが、一方で倫理的な問題もあるため、第九は機密組織とされている。
貝沼が自ら命を絶ち、病気を苦にしての自殺とされ、貝沼の異変に気付けなかったことを薪は悔やむ。「脳を『第九』のために役立ててほしい」という遺言のとおり、鈴木が貝沼の脳をMRIで見ることを約束する。ところが数日後、MRI捜査室へ向かった薪の耳に、突然、発砲音が響きわたる。薪が駆けつけると、そこには鈴木ら捜査員たちが倒れ、モニターには貝沼の恐ろしい秘密が映し出されていた。貝沼のMRI映像を見た鈴木は薪に銃を向け、薪は正当防衛で鈴木を死なせてしまう。
鈴木が亡くなってから3年後。薪に憧れてやって来たという、死んだ鈴木にそっくりの新人・青木一行(中島)が第九に配属される。
青木の姉・和歌子(佐津川愛美)が夫と共に自宅で殺され、夫婦の脳は第九でMRI捜査されることになる。和歌子のMRI映像を見た薪は、そこに映っていた犯人と思わしき人物の姿を見てハッとする。それは、第九の中でも薪だけが知る、ある事件の被疑者だった。映像の中の手紙を見た薪は、それが自分宛のメッセージだと察知。薪を脅迫するために和歌子たちは殺されたと気付く。
青木「ダメなんです、自分ではできない。だから、あなたがこの脳を」
警報が鳴り響く中、薪がふらふらと第九に入ってくると、銃口を頭に向けてうずくまっている鈴木を見つけ「ここで何してる? お前、病院じゃ…」と声をかける。鈴木はゆっくりと顔を上げて立ち上がると「薪…、ダメなんだ。俺の頭を撃ってくれ」と近づき、薪は後退る。
暗がりから現れると鈴木と思っていた男は青木であり「ダメなんです、自分ではできない。だから、あなたがこの脳を」と言いながら、銃口を薪に向け、「もう誰にもこんな画が見られないように」と続ける。
薪は「よせ、青木!」と激しく首を振るが、「薪さん」と銃口を向け続ける青木に、「やめろ!」と言って薪も拳銃を突きつけて画面は暗転する。
息遣いの荒い薪が「青木!」と叫びながらソファから起き上がり、辺りを見渡すと部屋で一人でいることが分かる。まだ興奮が収まらない薪は「青木!」と叫ぶのだった。
鈴木のトラウマがよみがえり、鈴木と青木を混同した夢で動揺する薪は、見ているだけでもつらく、胸を締め付けられた。
◆構成・文=牧島史佳