保育士の中田馨さんが、子どもの春の服装について教えてくれました。春は、日中は暖かいですが朝夕は冷え込むことも多く、子どもの服装に悩んでしまうという親御さんも多いですよね。春の服装の注意点についてもお伝えしているので、ぜひ確認しておきましょう!
こんにちは! 保育士の中田馨です。春は衣替えの季節でもありますが、朝夕と昼間の気温差が大きいので、大人も「難しいな」と感じるのではないでしょうか?
今回は、子どもにとって過ごしやすい服装と気をつけたい春の服装についてお話しします。
子どもは大人より体温が高め
みなさんもよくご存じだと思いますが、子どもは大人よりも体温が高めです。私の保育所では朝昼夕と1日に3回、子どもたちの体温を測るのですが、平均的に36.6~37.4度くらいが多いです。そのため、大人が「心地良いな」と感じるような服装でも、子どもが着た場合は汗をかいてしまうということも。
また、子どもは大人以上に何かとせっせと動いて汗をかくことが多いのです。朝夕と昼間の寒暖差が大きい春は特に、「大人は快適だから、大丈夫だろう」と油断しがち。ときどき、子どもの首や背中あたりを触って「汗をかいていないか?」、「体がほてってきていないか?」を確認すると良いでしょう。
体がほてっていると感じたら上着を脱がせたり、汗をかいている場合は着替えさせたり、そのときの状況によって対応してあげましょう。
防寒インナーは1日の気温を確認して着せて
春の朝夕は、ブルッと体が震えるくらいの寒さを感じることも多いですよね。朝起きたときに「寒いな」と感じ、機能性肌着などの防寒インナーを着せることもあるかと思います。しかし、春は昼間になると半そででも過ごせるくらいの暖かさになることも。
お出かけしたときに、子どもが「機能性肌着+長そで」の服装でお出かけしていて、いつの間にか汗だくになっていた! という経験をしたことのあるママもいることでしょう。
機能性肌着と呼ばれるような高機能の防寒インナーは、化学繊維素材で作られているため吸湿発熱性が強く、新陳代謝の盛んな子どもが着ると体温調節機能がうまく働かなかったり、肌の水分が失われやすく肌荒れや乾燥の原因につながったりすることもあります。また、着替えさせたくても、外出先ではすぐに服を着替えさせることが難しい場合もあるでしょう。
そのため、もし朝に「寒い」と感じても、「日中は暑くなります」という天気予報だった場合には、高機能の防寒インナーはやめておき、長そでの上に薄手の上着を羽織ると簡単に脱ぎ着できるので、服装の調節もしやすくおすすめです。
また、汗をかきやすい季節には、肌着は吸水性の良い綿の肌着を着せるのが良いでしょう。
子どもの行動を想像した服装選びを
子どもの服を選ぶときには「子どもの行動を想像して安全な服を選ぶ」ということも重要です。子どもは、走ったり、跳んだり、のぼったり、下りたり……と、とっても活発に動いています。
たとえば、サイズが大きな服を着ていた場合、そでから手が出ずに遊具につかまり損ねたり、逆にサイズが小さなズボンをはいていると、可動域が狭く動きにくく転ぶ原因になることも。フードやひもがついている上着は、遊具やドアノブに引っかかり、転倒したり窒息したりするおそれもあります。
子どもの服選びにおいてはデザインも大切ですが、プラスして、ご自身のお子さんの普段の行動を考えつつ服選びができると、さらに安全に子育てができますね!
朝夕と昼間の気温差を大人が感じたときは、同じように子どもも感じています。乳幼児はまだ自分で「寒い」、「暑い」と訴えられないので、周りの大人が気にかけてあげたいですね。
著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。
ベビーカレンダー編集部