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「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

  • 2025.4.6
「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

Text by ライター

[J2第8節、ジェフユナイテッド千葉 2-1 水戸ホーリーホック、4月5日、千葉・フクダ電子アリーナ]

千葉は2-1で水戸に勝利し、7勝1敗でリーグ首位をキープした。

MF品田愛斗(まなと)は1-1で迎えた後半17分から途中出場。相手に押し込まれる状況での投入だったが、ボランチの位置からゲームをコントロールしようと奮闘した。すると流れは千葉に傾き、同32分にはFW田中和樹が決勝点を挙げ、公式戦3試合ぶりの白星を飾った。

今季完全移籍の背番号44が抱く葛藤

「このチームに来れて良かった」と、品田は嚙み締めるように言った。

今季より育成年代を過ごしたJ1のFC東京から完全移籍で千葉に加入。昨季はリーグ戦24試合(先発18試合、途中出場6試合)3アシストを記録し、後半戦の躍進を支えたが、今季はここまで出場したリーグ戦7試合中3試合(1アシスト)が途中出場となっていた。

「改めて思いますけど、途中から出ると別競技だと思います。(先発出場と比べて)疲労感は別物で、90分間やったのと同じくらいの疲労があります。試合に出続けている方がコンディションは良くなるので、サブでいることが意外と一番難しいことなんだと思いました」と苦労を明かした。

小林慶行(よしゆき)監督は選手全員にハードワークを求める指揮官だ。長短を組み合わせたパスでゲームを作る技巧派タイプの品田も例外ではなく、いざ出場したとしても自分の良さを押し殺したプレーをしなければいけない試合もあった。

「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

開幕4連勝を飾ったJ2第4節の北海道コンサドーレ札幌戦(3○1)では2-1の場面から途中出場。押し込まれていた状況で投入された背番号44は守備に翻ろうされ、持ち前のパスセンスを発揮できず。チームの勝利を第一に考え、セーフティな選択をし続けた。

品田は「勝つためにプレーするのが前提の中で、自分の良さをどう出していくのか」と、チームの勝利と個人としてのアピールを両立させる難しさを感じていた。

「意識的にチームの練習以外でも乳酸の溜まるトレーニングをやっています」と、自らの課題として挙げていた「強度」のレベルアップに努めているが、「正直、やりたくない気持ちの方が強い。そこを葛藤しながらやり続けることが、一番つらい部分です」と素直な思いを吐露。スタメン奪取のため、身を粉にしてハードワークし続けている。

25歳にとって試練の日々が続いているが、「この年齢になっても、自分のストロングではないところに取り組めているのは、うれしいことです」と秘めた想いを力強く打ち明けた。

大人になった品田の我慢と成長

この日、前半24分にMF髙橋壱晟(いっせい)の右足スーパーボレーで先制した千葉だったが、後半7分に同点に追いつかれた。

品田は同17分からMF田口泰士に代わってボランチの位置で途中出場。「全体を見てオーガナイズするのが、大事な役割」と、こぼれ球をセーフティにクリアする場面とつなぐ場面を使い分けるなど、状況に合った的確なプレーでチームをコントロールしようとした。

すると千葉はボール保持の時間が増え、流れを手繰り寄せた。同32分には右サイドの髙橋からボックス内へクロスが供給され、大外で待っていたMF日高大(まさる)の元に。背番号67はこれを左足ダイレクトで合わせると、相手ゴールキーパーが弾いたボールを田中が右足で押し込み勝ち越しに成功した。

「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

その後も千葉はゲームを支配し、試合は2-1で終了。公式戦3試合ぶりの白星に貢献した背番号44は勝利の要因について「我慢できたこと」だと分析した。

「(自分は)昔に比べて大人になったなと思いますね」とはにかんだパサーは、「自分の特徴を出しつつも、我慢しなければいけない日もある。いい塩梅(あんばい)を探してやり続けています。いま、慶行さんが言っている『チームとして大人になっていく』というのは、僕みたいな選手のタイプにとって大事なことなんです」と、勝利のためにエゴを抑えるプレーが自身の成長につながると信じている。

難しい局面での出場が多い背番号44だが、どんな状況でもチームを勝たせられる自信がある。J1復帰を目指すチームとして抱えるプレッシャーや控え選手として出場する難しさに立ち向かっている品田は、目の前の大きな壁として背番号4の存在を挙げた。

「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

「ポジション争いをしている選手が、あの田口選手。(田口は)日本代表にも入ったことがあって、自分と同じ年齢だったときのことを考えると、実績の差がある選手です。だから自分が試合に出続けられるほど、甘い相手じゃないとも分かっている。ただ、そのような選手がいてくれたお陰で、自分がこの先どうやって生き残っていくかべきかを昨シーズンに見つけられました。

(自分は)年齢を重ねていくにつれて、チームをコントロールしなければいけないと思っている。ゲームの展開を見て、この後どうなっていくかというパターンを頭に入れておかないといけないんです。それが(J1)昇格には必要だと思います」と偉大なプレイヤーの背中を追う。

千葉は次節、今月13日の午後2時からアウェイの藤枝総合運動公園サッカー場で藤枝MYFCと対戦する。

品田は「古河電工(古河電気工業サッカー部)からの歴史は、自分たちも理解しているつもり。その歴史がある中で、いまは慶行さんを中心にすばらしいサッカーを作り出して、サポーターの方々も『面白い』と言ってくれるようになって、人が集まってくれる環境を作りだせている。だからこそ、自分たちが目指しているのは圧倒して勝つことなので、突き詰めていきたい」とクラブの誇りを胸に闘う。

リーグ戦開幕から7勝1敗と過去最高の好スタートを切ったが、選手たちは誰も慢心していない。J1復帰に向けて、まだまだ長く険しい道のりが待っていると覚悟しているからこそ、イレブン全員で目の前の1試合に全力を尽くす。

「このチームに来れて良かった」、J2ジェフユナイテッド千葉MF品田愛斗が感じる成長「昔に比べて大人になった」

千葉で経験している酸いも甘いも、すべてが品田にとっての財産だ。「『ここに来て良かった』と、いまでも言えますけど、(J1に)昇格して『本当に来て良かったな』と改めて最後に強く言いたいですね」とレジスタの内なる情熱が燃えている。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟

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