誰だってお気に入りのランジェリーや水着、ニットといったデリケートな衣類を、洗濯機によるダメージにさらしたくはないはず。その上、今持っている服を手入れして長持ちさせることは、クローゼットやお財布だけでなく、地球にも優しいチョイスになる。衣料品の廃棄が環境に与える影響はすでに広く知られているが、適切にケアすることで服を捨てる頻度を減らせれば、それはポジティブな変化につながるのだ。
とはいえ、手洗いする際に考慮しなければならないポイントは意外に多く、正しい方法を把握するのは難しい。そこで、注意すべき素材や乾かし方、しわの対処方法にまつわる疑問を、The Laundressのグウェン・ホワイティングとリンジー・ボイドに投げかけた。衣料ケア用のスプレーや洗剤などを販売する同ブランドの共同設立者である2人は、洗濯のエキスパート。基本的な疑問を解消しながら、簡単ですぐに実践できる手洗い洗濯のテクニックを教えてくれた。
手洗い洗濯とドライクリーニング、どっちを選ぶべき?
ドライクリーニングで使用される石油系溶剤や塩素系溶剤は環境負荷が大きいとされるため、避けたい理由のひとつ。エコドライクリーニングを選ぶのも選択肢に挙げられるが、ケアラベルにあるドライクリーニングのマークは「ドライクリーニングできる」ことを表す表示であるため、水洗いマークがあれば、自宅で洗うことも可能だ。
しかし、厄介な生地のひとつが、レーヨンの一種であるビスコース。ほとんどのレーヨンは洗えるが、ビスコースは縮んでしまう。また、レーヨンやビスコース素材の服には適切な表示がついていないこともあり、縮み、伸び、歪み、パッカリング(縫い目まわりにできるしわのこと)は元に戻らない。肩パッドの入ったジャケットのようなシルエットが決まった服は、手洗いすると歪んでしまうことも。迷ったらクリーニング店に相談してみよう。
手洗いはこまめに
手洗いはこまめにするのがベスト。少量の洗濯物なら、清潔なシンクやバケツで簡単に済ますことができる。量が多い場合は浴槽を使ってもいいが、そのぶん大量の水を使うことになる。
シミには前処理を
最良の仕上がりを望むなら、必ず同系色や同類の生地を一緒に洗うこと。そして、シミには前処理をしよう。水溶性(コーヒーやジュース、血液、汗など)か、油性(口紅やチョコレート、ドレッシング、マジックなど)なのか、あるいは不溶性(泥や墨汁、ボールペン、ガムなど)なのか、汚れの種類によって洗剤を選ぶといい。
水に浸してゆすぐ
コットン、リネン、耐久性のある合成繊維(ポリエステルなど)の衣類を洗う場合、服がしっかり浸かる量のぬるま湯を溜め、洗濯物の量に応じて洗剤を入れる(通常はキャップ2~4杯程度)。
次に手で優しく水と洗剤を混ぜ、衣類を浸す。30分ほど経ったら、衣類をシンクの縁に押し付けるようにして水を切りながらシンクから取り出し、清潔なバケツなどに移す。その後、排水したら再びぬるま湯を溜め、衣類を投入する。水の中でぬめりを完全に落とし、もう一度脱水する。まだぬめりが残っていれば、水が透明になるまですすぐ。繊維を傷める原因になるため、絶対に絞らないこと。代わりに、シンクに押し付けて余分な水分を落とそう。
吊り干しか平干しで乾かす
干し方は、吊り干しが定番だ。服の繊維や色、形、弾力性を保ちながら、ぱぱっと干せる。ほとんどの普段着はハンガーに吊るして乾かしていいが、肩の位置をしっかり整えて干すのがポイント。ウールやカシミアのようなデリケートなニットは吊るすと形崩れする可能性があるため、物干しラックや清潔なタオルの上で形を整えてから平干ししよう。
しわにはスチーマーを
服のしわを取り除くには、服に優しく、消臭や除菌効果が期待できる衣類用スチーマーを使うと◎。アイロンがけは、ドレスシャツやシーツをパリッと仕上げたいときだけでOK。軽度から中程度のしわを簡単に取るには、しわ取りスプレーを衣服から5センチほど離して吹きかけ、手で伸ばすか、スチーマーをかけるのがおすすめ。
Text: Lilah Ramzi & Christina Pérez Translation: Rikako Takahashi
From VOGUE.CO.UK
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