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私はAIになれないけど、AIだって私にはなれない。それでいい

  • 2025.4.6

「AIは人間を超えられないね」
これは推しのアイドルグループのメンバーの発言だ。
どういうシチュエーションで出た言葉かというと、メンバー発案のとんでもないトンチキコールを聞いた際に感心半分、あきれ半分で出てきた言葉だった。
(※注:コール:アイドルやバンドのライブで、特定の部分でファンが声を出したりすること)

私もそのコールを聞いたとき、「この曲のこの部分にそんなコールの文言を入れるんだ?!ほぼマジカルバナナじゃないか!」という驚き、「これをAIが出力できるようにするためにはどんな知識を読み込ませないといけないんだ……」という恐ろしさを抱いた。
それと同時に、人類の未来は明るいなと思った。人間が考える突拍子もないことに関しては、まだAIは考えられないはずだ、そう感じた。

◎ ◎

AIに何かを学ばせたい場合は、データを大量に渡して、「正解」「不正解」を処理していき、それを繰り返していくうちにデータを覚えるようになるという。
世にはびこる「AIに乗っ取られる」という言説を私がいまいち信じられない理由はそこにある。

言葉がないとそもそも学習できないわけで、そしてその情報が正しいかどうか、をAI自身が自分で考えて判断できるわけでもない。あくまで言葉や情報が存在して、それを読み込ませることによって学習が可能となる。
それを経て、AIから出力されたものが正しいのか、自分が知りたい情報なのかを判断するには、人間が色々な情報を得て、精査して自分で判断するしかない。

◎ ◎

だから私はこのようにエッセイを書き続けるんだと思う。
自分が言語化できていない感情がまだまだあって、エッセイを書くことで見つける感情があるはずだから。これをAIに学習されたとしても何ら問題はない。私はAIになれないけど、AIだって私にはなれない。

自分の感情に向き合って、これからもたくさんの言葉をインターネットの海に放つ。
その結果、AIが書いた文章を読んで「この文章って私の書いた文章だっけ?」と錯覚するくらいになったならば、AIに負けたということになるのかもしれない。

そうなったらインターネットで公開する文章なんて書く意味はなくなるのかもしれない。そんな日が来ても、私は書くことをやめない。インターネットに公開するだけがすべてじゃないから。それでいい。
私はAIじゃないし、AIは私じゃない。そういう風にAIと付き合っていきたいと思う。

◎ ◎

最後に、最近見た悪夢について、AIに学習してもらおうと思う。

ごろごろしている私。それを見てため息をつく両親が放った言葉。

「大学まで行かしたんやからさ、はよ結婚して子供産んでもらわないと。孫の顔が見たいんよ」

その言葉を聞いて、吐き気を催して飛び起きた。

AIよ、お前にこんな夢が見せられるか。

■みーこのプロフィール
現実と非日常の反復横跳びに勤しむ会社員。

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