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むくみ防止、抗炎症、etc.。美と健康を促進するパイナップル由来酵素「ブロメライン」って?

  • 2025.4.5

古来より様々な民間療法に用いられてきたブロメラインだが、2021年に発表された研究結果によると、心血管疾患、凝固障害、および一部の感染症にも効果があることが示唆されており、さらに抗がん作用の可能性も判明したことから今後、がん治療や抗菌剤、サプリメントなどの開発につながることが期待されているという。では、ブロメラインとは具体的にどのようなメリットをもたらすのだろうか?

ブロメラインとは?

そもそもパイナップルとは、中央アメリカ原産のブロメリア科に属するフルーツだ。そしてブロメラインとはパイナップルの果汁と茎に含まれる酵素で、それ単体でも局所用ジェルやクリーム、軟膏、そしてサプリメントに配合されている場合も多く、特に消化時にタンパク質を分解してアミノ酸にする働きをサポートすることから、経口摂取すると効果的とされている。

目下ブロメラインの臨床的効能については調査中であるものの、さまざまな薬理学の概要によると呼吸器系、消化器系、循環器系に多くのメリットをもたらすことが報告されており、免疫系にも同様の効果が期待できると言われている。また、現時点でも関節の痛みやこわばりなど、主に関節炎の症状を和らげる作用があることから自然療法にも用いられているブロメラインには、今後の研究次第でさらなる効果効能があるとみられている。

ブロメラインの健康効果

しかしながら、アメリカ国立衛生研究所によると研究はまだ足踏み状態で、効果の評価もブロメラインとほかの成分の混合物を含む製品のみを採用していることから、ブロメライン単独の効果自体はいまだ不明だ。

一方で、ブロメラインの主な効能は抗炎症作用に関係していることは判明しており、実際スポーツ傷害や打撲、拘縮、筋挫傷、筋肉痛の治療にブロメラインの抗炎症作用と鎮痛作用がよく用いられている。さらには、激しいトレーニングの後の身体回復を促進する可能性も示唆されているブロメラインは、次のような目的でもよく用いられている:

  • 消化機能の改善
  • 筋肉の断裂や打撲などの怪我からの回復促進
  • 痛みを軽減し、治癒を促進する
  • 体液の排出の促進
  • むくみ防止
  • (体液等の)循環を刺激
  • 血栓リスクの軽減
  • 腫れの軽減
  • アレルギー性鼻炎を改善し、喘息発作の予防
  • 免疫システムの強化

さらに、まだ研究の初期段階ではあるが、一部の研究によるとブロメラインには潜在的な抗がん特性があると見られている。

むくみを改善し、消化を促進するブロメライン

Photo_ sabinepru/123rf
Photo: sabinepru/123rf

ブロメラインのサプリメントは、体液の滞りによるむくみを解消する効果が期待されていることから、セルライトの治療によく用いられているが、現時点ではその有効性を裏付けたり証明したりする研究はごくわずかだ。

そして前述の通り、ブロメラインとは本質的にタンパク質を分解する酵素で、消化をサポートすることから、特定の食物不耐症の症状を緩和し、過剰な水分が体内に溜まるのを防ぎ、膨満感やIBS(過敏性腸症候群)の不快感を軽減するとされている。2018年に発表された科学レビューによると「ブロメラインは腹部の膨張を改善し、便の水分含有量を増加させ、便秘や術後の胃腸運動障害を治療する」との報告もある。

ブロメラインの1日の適切摂取量

一般的に、ブロメラインの推奨摂取量は1日あたり 250~2,000 mgとされているが、例えばサプリメントなどにブロメラインがどのような形で配合されているかによって摂取量も異なる。そして、ブロメラインを摂取する適切なタイミングについても、例えば消化を促進したいなら食後、むくみを取りたいなら食間、さらには抗炎症効果が欲しいなど、その症状や目的によって異なる。

ブロメラインの禁忌事項

ブロメラインという酵素は、血液凝固を遅らせる可能性があるため特定の抗凝固剤や特定の抗生物質と相性が悪い場合があり、特に妊娠中や授乳中は摂取を避けることが推奨されている。さらに、ブロメライン単体およびブロメラインを含むサプリメントには吐き気や嘔吐、腹部のけいれん、下痢などの副作用を引き起こす可能性があることが示唆されており、パイナップルアレルギーにも注意しなければならない。このようにさまざまな禁忌事項はあるものの、ブロメラインのサプリメント自体は安全であると考えられているため、使い方次第では美と健康の強い味方になるはずだ。いずれにせよブロメラインのサプリメントを摂取する際には、必ず医師に相談して欲しい。

Text: Beatrice Zocchi Adaptation: Masami Yokoyama

From VOGUE.IT

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