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なぜカロリー管理をしてもダイエットに失敗するのか?その理由を管理栄養士が解説

  • 2025.4.4

「太る原因はカロリーだけではない」。では、カロリー管理をしていても太ってしまう理由には、何が考えられるでしょうか。管理栄養士・神原李奈さんに聞きました。

太るのは、カロリー「だけ」が原因ではない

神原さん:消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ってしまうと太ります。しかし、同じ摂取カロリーでも栄養素のバランスが悪いと、脂肪が蓄積され、太りやすくなります。

たとえば、同じ500kcalの食事でも、糖質の割合が多ければ、脂肪が蓄積しやすくなります。

また、塩分摂取量が多いと、むくみが生じ、太って見えることがあります。そのため、太る原因はカロリーだけではないと言えるでしょう。

糖質とカロリーはどっちが太るの?

神原さん:糖質を多く摂った場合とカロリーを多く摂った場合、どちらの方が太るとは一概に言えません。糖質もカロリーも、多く摂ればどちらも太る原因になります。

脂質制限vs糖質制限。どちらを減らす方がダイエットに効果的?管理栄養士の食トレ学

食事の量を減らすと「一時的に」体重は減る

神原さん:極端な食事制限を続けていると、栄養不足になります。その結果、次のような体に悪影響を及ぼす恐れがあります。

・筋肉量が減少し、基礎代謝が低下する
・摂食障害を引き起こす

極端に食事の量を減らすと、一時的に体重は減少しますが、太りやすい体になってしまうので気を付けましょう。

タンパク質不足 ⇒ 免疫力が低下する、体力が低下する、筋肉量が減少する
炭水化物不足 ⇒ 集中力が低下する、疲れやすくなる
鉄分不足 ⇒ 貧血を起こす

健康的に痩せるなら、適度に糖質制限を行い、消費カロリーをアップさせるのがよいでしょう。

糖質制限することで、体を動かすためのエネルギー源が糖質からケトン体(脂肪)に切り替わり、脂肪燃焼を目指せます。しかし、極端な糖質制限は体調を崩すので注意が必要です。

摂取カロリーよりも消費カロリーが多ければ、体重は減少するでしょう。消費カロリーを増やすためには、「運動する」「基礎代謝量が高い体を目指す」ことをおすすめします。

次:管理栄養士が教える、ダイエットを成功へ導く4つのポイント

管理栄養士が教える、ダイエットを成功へ導く4つのポイント

神原さん:太りにくく、痩せやすい体を目指したい方は、次のことを実践してみましょう。

ポイント1 1日3食、食べる

痩せやすい体を目指すなら、「1日3食、規則正しく食事を摂る」「夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる」ようにしましょう。

欠食すると「次の食事を食べ過ぎる」「血糖値が急上昇する」恐れがあります。脂肪が蓄積され太りやすくなるので、3食きちんと食べましょう。

また、特定の栄養素を摂るのではなく、バランス良く食べることが大切です。その上で、食物繊維、タンパク質を多く含んだ食品を食べるのがおすすめです。

▼食物繊維とタンパク質の働きと食品

栄養素 働き 食品 食物繊維 ・善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える

・便のかさを増し、腸を刺激して便通を促す

・満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを予防する ・海藻類

・きのこ類

・キャベツ等 タンパク質 ・筋肉の元になる

・腹持ちが良く、間食や食べ過ぎを予防する ・ささみ

・鮭

・卵

・大豆製品等

ポイント2 水分不足にならないよう意識する

1日1.2Lを目安に、こまめに水分補給しましょう。コップ1杯の水を、何回かに分けて飲むのがおすすめです。

水分不足は、血流を悪くします。血流が悪くなると次のような作用により、痩せにくくなる可能性があります。

水分不足により、血流が悪くなる

細胞に酸素や栄養素が届きにくくなる

筋肉や内臓の機能が低下する

基礎代謝量が低下する

ポイント3 十分な睡眠時間を確保する

毎日6~7時間程度を目安に、睡眠をとりましょう。しっかり寝ることで、「食欲がコントロールしやすくなる」「痩せやすい体になる」働きを期待できます。

睡眠中に分泌される成長ホルモンには、「筋肉の維持・増量」「脂肪を分解」といった働きがあると考えられます。そのため、十分な睡眠時間を確保すると成長ホルモンが分泌され、痩せやすい体になると考えられています。

なお、睡眠不足に陥ってしまうと、食欲増進ホルモンが分泌され、食べ過ぎの原因につながります。

ポイント4 有酸素運動と筋トレをする

筋力トレーニングを20分ほど行った後、有酸素運動を20分ほど行うのがおすすめです。有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、痩せやすくなります。

▼運動をするメリットと運動例

運動内容 メリット 運動例 筋トレ 基礎代謝量を上げ、消費エネルギー量を増やす ・スクワット

・腹筋等 有酸素運動 体脂肪を燃焼する ・ウォーキング

・サイクリング

・ジョギング

・ヨガ等

 

▼参考
沢井製薬 「糖質」に注意して予防改善!糖尿病
大正製薬グループ その誤解が太る原因!? ダイエットの大誤解
新宿 ヒロオカクリニック 肥満の原因は何か「太るメカニズム」を解説
タニタ 健康的に体重を減らすには
クラシエ 太りにくい食事とは?太ってしまう食事と太らないようにする食事のコツ
一般財団法人 日本消化器病学会 肥満

監修者プロフィール

神原李奈

株式会社Luce・健康検定協会所属、管理栄養士・食育栄養インストラクター。CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。

<Edit:編集部>

※本記事は、mocobe(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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