1846年にレザー職人が集う工房として、スペインで創業したロエベ。現在東京・原宿にて世界巡回展「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」が開催中だ。179年の歴史を持つロエベに受け継がれるクラフトマンシップと、革新的で常に挑戦を続けるファッションの世界観を紹介する本展示。2024年に上海で初開催されたが、本展は日本のためにキュレーションされたオンリーワンの内容になっており、さっそく注目を集めている。
「ロエベ クラフテッド・ワールド展」は、1,300平方メートルにわたり、全7つのテーマの部屋に分かれた会場構成。ロエベが生まれたスペインという国が持つ芸術性(例えば、ガウディやピカソなどもさりげなく登場する)など、丁寧に背景を見せることでブランドアイデンティティを知ることができる。
ロエベの‟クラフトマンシップ”が創業当時から現代に至るまで、どのように息づいていったのか。部屋を進むにつれ、豊富なアーカイブや新しいコレクション・コラボレーション相手を通して理解することができる貴重な機会だ。
最大の見どころは、ロエベの職人たちの手作業による繊細な仕事の数々。素材の選定から仕立てに至るまでの、丁寧な製作過程を垣間見ることができ、物作りに込められた情熱と手間暇を実感できるのが面白い。
特に注目したいのは、ロエベが大切にしている素材へのこだわりだ。皮革や布地、装飾のディテールまで、どれもが独自の視点で選ばれ、仕上げられている。
また、デザインや製作の過程が視覚的に表現され、ファッションの枠を超えて「アート」としての魅力も感じられるのも特徴。
展示の方法や、細かい意匠にもロエベらしさを感じるだろう。(入り口を入ってすぐの階段の手すりにはぜひ触ってみてほしい)
後半の部屋では、「スタジオジブリ」や京都の陶芸ユニット「スナ・フジタ」をはじめとする、近年のコレクションにインスピレーションを与えた世界へ没入し、ロエベのアートへの造詣にも触れることができる。
ロエベが本展のために製作した高さ2メートルもの「ハウルの動く城 バッグ」は、必ず写真に収めたい。
また、先日退任を発表したジョナサン・アンダーソン。彼がデザインしたドレスの10年分のアーカイブには圧倒されるだろう。
ロエベのクラフトマンシップを十分に理解した後に見る、斬新なクリエイティブは解像度がハンパない。
ファッション好きはもちろん、普段からアートやカルチャーに触れている人々にも、心に残る体験を提供してくれること間違いなしだ。
入場無料、予約はLINE公式アカウントにて受付中。予定枠がすぐに埋まってしまうので、早めのご予約をおすすめしたい。
ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界
東京都渋⾕区神宮前6-35-6
2025年3月29日(土)〜 5月11日(日)
9:00 – 20:00(最終入場時間 19:00)
入場無料(予約制)
LINEによるチケット予約はこちら:https://liff.line.me/1572811923-DLbqnmWqHarumari Inc.