Text by 石井彰(編集部)
『DAZN』で毎週木曜日に新作が公開されている「内田篤人のFOOTBALL TIME」。
4月3日に配信された回はゲストとしてヴェルスパ大分に所属している元日本代表FW金崎夢生が出演し、MCの内田と様々なトークを繰り広げている。
Jリーグでは大分トリニータや名古屋グランパス、鹿島アントラーズ、サガン鳥栖など様々なクラブでプレーし、非常に闘争心あふれる振る舞いで知られた金崎。
クレイジーとも言われるほどの抗議や挑発行為なども辞さず、監督や選手との対立も厭わない。2016年には鹿島アントラーズで監督との握手を拒否したことによって日本代表から無期限の追放処分を受けたこともある選手だ。
良くも悪くも賛否が分かれるこのようなスタイルはなぜ生まれたのか?その起源について、金崎は以下のように語っていた。
内田「今の日本代表にはムウみたいな暴れん坊がいないじゃないですか。でも俺は、一人はいてほしいと思う。鈴木優磨もそうだけど」
金崎「めちゃめちゃうまいから、普通にプレーするだけで勝てちゃう。そこまでガツガツやる必要もないのかなと。
でも本大会での優勝という目標を掲げているじゃないですか。その時には絶対に(そのような選手が)必要だと思う」
内田「わかるよ。チームは壊さないけど、ゲームをぶっ壊してくれるような、スペシャルな荒くれ者というか」
金崎「中学のころは普通のサッカー部だったので、自分たちよりも強いチームと戦うことが多かったんです。個人で見れば相手のほうが明らかに強くて。
小学校のころはずっと10-0とかで負けてたんですよね。そんな相手にどうやって勝つか。それは『ゲームをぶっ壊す』しかないんですよ。サッカーをしない。ずっとごちゃごちゃ言って、時間を使って、ワンチャンスで決める。
今の日本代表のメンバーはめちゃめちゃ良いです。だけど絶対に勝てないです。相手のほうが強いので。それでも勝たないとダメというときに、ある意味『ゲームを壊す』ことですよね。
ブラジル人や南米の選手って、そういうところがうまいですよね。サッカーではなく、そのような部分。本当に優勝を目指すのであれば、そのようなプレーヤーが必ず必要になる。いいチームや強いチームが優勝するわけではないですからね。
森保監督は、一番キライな選手を呼んでほしいですね。そのほうが絶対に面白い。混じって化学反応が起こるんですよ。
みんなが好きな選手だけだと偏ってしまう。『なんなのアイツ』という選手を一人いれると、そこからぜんぜん違う交わり方ができる」
ワールドカップ優勝を目指すためには、強い相手に対して「ゲームを壊す」ようなプレーをする必要性もあるため、正統派の選手だけでは実力以上の結果は出せない…と金崎は感じているようだ。
内田篤人もそれに対して「そういう選手がいても面白いよね」とコメントしていた。なんとなく金崎と内田の元同僚でもある鈴木優磨のことを言っているようにも感じるが…。