皆さまこんにちは!韓流ナビゲーターみんしるです。
韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしてお仕事をする傍ら、毎日のように追い続けている韓国ドラマ。私的おすすめ作品や見どころなどをご紹介していきます。
今回ご紹介するのは女性たちの心を癒す「ケア・ロマンス・ドラマ」として人気を博し、2025年冒頭の大ヒット作となった韓国ドラマ『わたしの完璧な秘書』です。
ワーカホリックな女性CEOと完璧すぎる男性秘書が織りなすオフィスラブドラマでありながら、育児とキャリアの両立やヘッドハンティングという職業について描いた作品です。
簡単にストーリーをご紹介しますと…
業界2位の大手ヘッドハンティング会社「ピープルズ」の若手CEOカン・ジユン(ハン・ジミン)は、仕事は完璧だけれどそれ以外は何もできないワーカホリックな女性。
ましてや他人に頼ることが苦手なため彼女を支える秘書を探すのも一苦労。
そんな中、ジユンの元に完璧な秘書が現れます。
その人物とは6歳の娘を育てるシングルファーザーのユン・ウノ。
しかし、秘書の仕事をオファーされる前、ある企業で働いていたウノはそこでジユンと最悪な出会いをしており、ジユンはそのことを根に持っているためなかなか心を開かないのです。
果たしてウノはジユンの秘書を務めることができるのか…。
少しずつ近づいてゆく2人の姿と映像の美しさに、ときめきと癒しを同時に味わえるこちらのドラマ。世界123ヶ国の「Rakuten Viki」ドラマランキングで1位を記録するなど、今年上半期を代表する人気ドラマとなっています。
『わたしの完璧な秘書』の見どころを、みんしる的視点でご紹介していきます。
1. 「ケア・ロマンス・ドラマ」という新しいジャンル
本国でこちらのドラマ『わたしの完璧な秘書』を紹介する時に登場するフレーズ、それは「ケア・ロマンス・ドラマ」。
新しい言葉を作るのが上手な韓国らしいネーミングですよね。
『わたしの完璧な秘書』というタイトルから主人公2人が恋に落ちるのは容易に想像できるわけですが、このドラマが一味違うのはそこに「ケア」という要素が溶け込んでいるからです。
仕事一筋でプライベートどころか自分に構う時間もないジユン。
ましてや人に厳しい上に付き合いも悪く、部下たちとの会話も仕事の話だけ。
そこに現れた男性秘書ユ・ウノが、抜群に仕事が出来るということだけではなく、人を思いやりケアする能力を持っているところが今までと違うポイント。
仕事のサポートだけでなく彼女の私生活、そして心に秘めた痛みまでも包み込んでくれるんですね。
でもこのケアする力というのは、きっと仕事や昇進も捨て、大切な娘ビョルを精一杯育ててきたことで得た能力なのだと思います。
また今までならウノのような存在はシングルマザーで描くことが多かったと思いますが、これをシングルファーザーに置き換えたことで、キャリアと子育ての両立の大変さや厳しさを際立たせています。
特に育児休暇をとったことで上司の嫌がらせに遭うウノの姿には、心痛める人も多いでしょう。
それでも彼が頑張ってこれたのは幼い娘の存在と、そんな親子を見守ってきた人たちの温もり。
ケアして、ケアされてきたからこそ生まれたのがウノという完璧すぎる秘書なのです。
2. 繊細な演出が光るドラマ
『わたしの完璧な秘書』は繊細で美しいシーンが多く、それだけでも癒されるポイントになっています。個人的に好きなのは2人の「手」の演出。
ドラマを見ていると手のクローズアップが多いのに気づくのですが、少しずつ心が近付いていく様が2人の「手」で表現されているんです。
触れ合いそうな「手」から始まり、恋人繋ぎをする「手」まで。途中、解けてしまう「手」もあったりと、繊細な演出が私好みでした。
そして気遣いの天才であるウノの描き方がとにかく細かい。
突然の雨に降られ娘の可愛い傘をさしてジユンと共に歩くウノの立ち位置は横並びではなく斜め後ろ。落とした書類を拾うジユンが机の角にぶつからないようにと手の甲でさりげなく守ってあげるというアイデアには、よくぞ考えた!と拍手を送りそうになりました。
またピアノリサイタルの会場前の広場でジウンがウノを待つ場面も素敵でしたね。美しいピアノの調べにのせて二人だけの時間が止まったかのような演出は、言葉を発することなく恋に落ちた瞬間を捉えた名シーンで、何度も見返してしまうほどでした。
他にも韓国の有名スポット光化門エリアでのキスシーンなど、うっとりする場面が散りばめられているのも魅力的なドラマです。
3. 「귀여워죽겠네」(可愛くてたまらない)なユ・ウノ
とにかくユ・ウノという男は完璧で、仕事はもちろん家事も育児も料理もスポーツもパーフェクト。ドラマでは常に「こんな人がいたらいいのに」と女性のファンタジーを刺激し続けますが、ジユンが度々口にする「귀여워죽겠네」(可愛くてたまらない)な姿も盛りだくさんです。
ウノのストレス発散は目一杯甘いものを食べることで、序盤からたびたび登場します。
スーツ姿の隙のないイケメン男性が生クリームたっぷりの激甘ドリンクをストローで吸い込むシーンはドラマ最初の萌えポイント。
中でも私が可愛くてたまらない!と思ったのは、南大門の屋台でジユンと一緒に激辛トッポギを食べることになったウノの姿。辛さに耐えられず食後に飴を口いっぱいに頬張った姿はまるでリスのように可愛くて最高に「귀여워죽겠네」でした。他にも女性のをハートをときめかせる姿が満載。いつか皆さんと一緒に「귀여워죽겠네」(可愛くてたまらない)を言いまくりたいです。
4. オールマイティな女優ハン・ジミン
気がつけば毎年のようにドラマに登場してるような感がある女優、ハン・ジミン。最近ではコミカルな演技が光った『ヒップタッチの女王』や島で自由に生きる女性を演じた『私たちのブルース』、シングルファーザーとの恋愛を描いた『ある春の日の夜に』、主人公の若かりし頃を演じた『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』などなど。
また、古くは韓国時代劇の名作である『宮廷女官チャングムの誓い』や『イ・サン』にも出演していて、どんな役も消化する演技力を持つ女優の一人です。
身長160cmと韓国女優の中では小柄なのも特徴で、清楚でありながら小動物のような可愛さと親しみやすさを持ち合わせており、多くの人々から愛され続けています。
そんな彼女が今回演じたのは、仕事以外は何も出来ないツンデレなCEOカン・ジユン。
彼女の出演作は数多く見てきましたが、ここまでバリバリのキャリアウーマンを演じる姿は初めてでとても新鮮でした。強そうでいて実は心に痛みを抱えているジユンをしっかりと演技しつつ、後半ではいつもの彼女らしい可愛らしさも堪能できます。
それにしてもハン・ジミンはどんな俳優とでも最高のケミを生み出せる女優ですね。今回はイ・ジュニョクと共に、過度ではなくスマートでいてほんのり甘い大人のケミを見事に作り出しています。
5. ついに来た!イ・ジュニョクの時代
このドラマがヒットした1番の要因はシングルファーザーで完璧すぎる秘書ウノを演じたイ・ジュニョクによるものです。この人も相手役のハン・ジミン同様、キャリアの長い俳優で様々なドラマに出演しています。
中でも大きく注目されたのが2017年の名作ドラマ『秘密の森~深い闇の向こうに~』で演じたソ・ドンジェ役でしょう。
昇進のためなら不正をも厭わない検事役で、イケメンだけどどこか残念なキャラクターは多くの視聴者に愛されました。昨年は『良いが悪い、ドンジェ』というスピンオフ作品も生まれ、評論家からも高い評価を得たほどです(このドラマ必見です!)。
しかし『秘密の森~深い闇の向こうに~』は硬派なサスペンス作品でときめくという要素が皆無だったためか、この作品を見た本国の視聴者の多くは「なぜ今までイ・ジュニョクの魅力に気づかなかったのか!」とハマる人続出。一躍「時の人」となりました。
20年近いキャリアを持つ彼が遂に恋愛ドラマで人生キャラに出会い、40代に入って大ブレイクした姿は見ているこちらも嬉しくなってしまいます。
元来、演技には定評がある俳優でしたが、『わたしの完璧な秘書』で今まで隠されていた大人のスイートさ全開!
CEOジユンの秘書だけでなく、娘ビョルの優しいパパの顔まで自然な演技で、それはまるで春風のような爽やかさ。きっと誰もが、こんな男性がいてくれたらと夢心地になるはずです。
そしてこの大ブレイクのおかげで有名になったのがファンがつけた愛称「Milky Vanilla Angel」、通称「ミルバエン」。
その影響からか韓国のコーヒーフランチャイズであるANGELINUSのモデルにも起用され、現在、街行く人の癒しになっているそうです。
気になる次回作はソ・ジソプ主演のノワールもの『広場』だそうで、ウノとは真逆なビターな痺れるイ・ジュニョクが堪能できそうです。
ここ最近の韓国ドラマは「男性が女性をサポートする」という設定がトレンドのようです。
以前、紹介した『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』やイ・セヨン&ナ・イヌ主演『モーテル・カリフォルニア』もそのタイプ。
サポートして見守ってくれるウノのような人物はまさに現代の私たちが必要とする、理想的存在なのかもしれません。
このドラマは私たちにとって、仕事・恋愛・癒しが三拍子揃った癒しとなるドラマではないでしょうか。
ウノと可愛い娘ビョルとのやりとりや、ジユンを支える部下たちの魅力も相まって、何度でも見返したい作品です。
みんしる
韓流ナビゲーター。韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしても活躍中。初めてハマった韓国ドラマはキム・レウォン主演の「屋根部屋のネコ」。Netflix、
Amazon Prime Video、Disney+、U-NEXT、Leminoを駆使し毎日のように韓国ドラマを追う日々。最近はネトフリの『おつかれさま』で毎話、泣かされています。そしてこの度、韓国情報メインのインスタとTikTok始めました!
どちらもアカウント名は@minsil323です。ぜひフォローしてください!