最近、ファッショニスタたちを夢中にさせているのが、2つ以上のシルエットを組み合わせた奇抜なハイブリッドシューズだ。スニークス(SNEEX)の“スニーカーヒール”に、クロックス(CROCS)が手がけたウエスタンブーツ、トーテム(TOTÊME)のビーチサンダルとスティレットヒールを合体させた1足など、個性的なデザインがここ2年くらいで相次いで発表されており、奇抜であればあるほどいいとされている節がある。クセの強さゆえに好き嫌いがはっきりと分かれるジャンルではあるが、新作は増える一方。そして中でも一番勢いを見せているのが、履き心地を重視した“バレエスニーカー(スニーカリーナ)”だ。
バレエシューズのエレガントなサテン生地と、スニーカーのラバーアウトソールを掛け合わせたバレエスニーカーは、早くもセレブたちのお墨付きを得ている。そしてランウェイでも存在感を放っており、サテンリボンを靴紐代わりにしたシモーン・ロシャ(SIMONE ROCHA)のローカットタイプ、メリージェーン風のストラップを取り入れたウェールス ボナー(WALES BONNER)のメンズ向けモデルなどが、2025-25年秋冬と2025年春夏コレクションでお披露目。4月4日にはルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、メゾンのシグネチャーであるモノグラムパターンをあしらったバレエスニーカーを先行発売する。
一見、攻略が難しそうなアイテムではあるが、バレエスニーカーは意外にもコーデを選ばない。クロエ・セヴィニーのようにTシャツとショートパンツに合わせスポーティに決めることもできれば、アメリア・グレイのように、シャツドレスとファーコートといったクラシカルな装いにも映え、スタイリングのバリエーションは無限大。スニーカーだとカジュアルになり過ぎるルックも、シューズをバレエスニーカーにするだけで、瞬時にまとまりのあるドレスアップスタイルになる。個性が光るファッションが目立った2025年のコレクション。足もとから周りと差をつけるのが、今年の最適解になりそうだ。
Text: Christian Allaire Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.COM
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