今田美桜が主人公を務める連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。3月31日からの第1週「人間なんてさみしいね」では、ヒロイン・朝田のぶと夫・柳井嵩の幼少期が描かれている。(以下、ネタバレがあります)
漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻が「アンパンマン」にたどり着くまで
連続テレビ小説、第112作目となる本作は「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻をモデルにしたオリジナル作品。
戦前、戦中、戦後と激動の時代を生きたやなせと、やなせと共に生き、彼をけん引し続けた“ハチキンおのぶ”こと暢が、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を描く。
主人公・朝田のぶ役を今田が、夫・柳井嵩役を北村匠海が務め、脚本は連続テレビ小説「花子とアン」、大河ドラマ「西郷どん」の中園ミホが担当。
第1週目の舞台は昭和初期、朝田のぶ(永瀬ゆずな)と柳井嵩(木村優来)の幼少期が描かれている。
2人じゃ無理でも、3人でなら楽しく遊べる
4月2日に放送された第3回は、父・清(二宮和也)が生きており、千尋(平山正剛)が弟だった頃の回想シーンからスタート。嵩はそのときのことをイラストに描いて、千尋に見せるのだが、千尋は覚えていないという。
ある日、シーソーに乗る嵩と千尋。それをのぶが見かけ、飛び乗り。さっきまで動かずだったシーソーを、3人で楽しんだ。しかし、それについて嵩は母・登美子(松嶋菜々子)にとがめられる。その流れでのぶは嵩と千尋の複雑な関係を知るのであった。
その後、嵩が銀座での家族4人の絵を描いていると「この絵、好きよ。でも、もう前を向かなきゃね」と登美子。嵩は不思議そうな顔を浮かべた。
さらに「高知の町に用ができて、しばらく留守にする」と告げる登美子。「すぐ迎えに来るから、いい子にしているのよ」と続けるのだが、嵩は腑に落ちない表情。出ていく母を千尋と共に追いかけるのは、きっと母がもう帰ってこないことを悟っていたからなのだろう。
のぶの明るさで、嵩も笑顔に
そんなことがあった後、学校を欠席した嵩が気になるのぶは、シーソーに座り込む嵩を見つけて声をかける。そして、大人たちのうわさ話で嵩の置かれている状況を知ってしまったのぶは「嵩は、うちが守っちゃる!」と笑顔で元気付けるのであった。そして、嵩も“朝田のぶさん”ではなく“のぶちゃん”と呼ぶ関係にまで進展。確実に心の距離が近づいた回であった。
この日の放送内容に視聴者からは「のぶを見ていると元気になる」「嵩にとってのヒーローは、やっぱりのぶだったか…」などのポジティブな声とともに「お母さん、出ていっちゃうんだ…」と驚く言葉が寄せられていた。
◆文=於ありさ