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【50歳で移住にチャレンジ!】お店づくりがスタートしました~東京から山口へ「ごはん屋さん」はじめます!vol.5~

  • 2025.4.2

伊藤啓子さん50歳。子どもの頃からの夢だった「ごはん屋さん」を立ち上げるため奮闘中! 現在、アパレルの仕事を続けながら、パートナーの夫とともに移住先の地元、山口県とアパレル会社のある東京と2拠点生活を送っています。 前回(vol.4)までは、故郷の山口にお店を出す経緯や移住先の住まいについて語られました。今回はいよいよ、お店づくり、施工に伴う紆余曲折です。
50代からのチャレンジと、リアルな移住ストーリー、これから移住や新しいことを始めようと考えている方、ぜひ参考に!

自分たちで描いた夢のお店

(写真)建設地は田んぼの真ん中。お店の裏側には田園風景が広がります。この風景を楽しんでもらえるよう、大きな窓を設置しました。

2024年3月、「生まれ故郷山口でごはん屋さんをはじめる」夢の実現のために、夫とともに東京から山口へ移住をしました。夢の基地となる店舗建設は、想定外の出来事が重なり、ようやくその年(2024年)12月にスタート。今回は店舗建設で大変だったことや、性格の全く違う私たち夫婦が円滑に共同作業を進めるために工夫したことなどをお話ししたいと思います。

数年前から私たち夫婦は「自分たちのお店を持ちたい!」という夢があったので、気になる店舗に行っては居心地のいい内装やインテリアなど、参考になる写真を集めてイメージを膨らませていました。
店舗建設を始めるにあたり、どんな店舗にするのか設計図が必要でした。本来であれば建築士や設計士に依頼するところですが、建設費用をできるだけ抑えたいという事情があったので店舗設計図は二人で描くことにしました。専門的な知識やスキルもないなかで苦労しながらの作業でしたが、夢をカタチにする過程はとても楽しかったです。

最初に作った店舗図は、農業用倉庫をイメージしました。建設地が田んぼの真ん中なので、まわりの景色に溶け込むように。食堂だけでなく珈琲焙煎所も併設するため、焙煎機の煙突も設置しています。店舗の裏側には、365日変化する田園風景が広がります、この眺めを存分に楽しんでもらうために客席に大きな窓を3つ設置することにしました。食事と珈琲にプラスして素晴らしい景色も楽しんでもらいたいとイメージしました。

お店の外観のイメージです(上はエントランス側、下が裏側)。焙煎機の煙突も描いています。このイメージ図は、CAD(コンピュータを用いて設計をするシステム)を使えないので、彼がエクセルを駆使して作成しました。自分たちで作った設計図には、とても愛着があります。

現実は厳しい、物価高での店舗建設

お店のイメージが決まり建設スタート!と行きたかったのですが、すべてを叶えようとすると建設費用が予算を大幅にオーバーしてしまうことがわかりました。日々の生活でも物価高を感じていたのですが、店舗建設となると目が飛び出るほどの金額差です。
「イメージは崩したくない、でも出来るだけ予算内でやりたい!」私たちが当初予定していた予算は2,000万円以内。これに近づけるために、時間をかけて一つずつ工夫をする必要がありました。素材が高い場合はさまざまな見本帳の中からコストダウンできる素材を探し、「使わない素材があるよ」と言われれば倉庫などに積極的に見に行って、使えるものは格安(または無料)で手に入れ、リサイクルすることにしました。

(写真)焙煎担当の彼が最も気にかけたカフェのカウンターは、工務店からの提案で、足場板をリサイクルした木材にしました。シンプルながらぬくもりのある雰囲気でイメージ通りに仕上がり、コストダウンも叶いました。

厨房機材や家具なども必ずしも新品でなくてもいいと思い、可能な限り中古品を探しました。ネットで検索して気になるアイテムがあれば、店舗に直接出向いて確認する、こうして時間をかけてイメージに合うアイテムを探し続けました。2カ月以上も見積もりと睨めっこしていたので「まだ○○円オーバーしている、これ以上どこ削るの!?」という夢を見るほどでした(笑)。

(写真)"オフィスバスターズ"で購入した中古の椅子です。サイトでチェックして店舗で実際に見て、お店のイメージに合うアイテムをリーズナブルにゲットすることができました。個人でも購入可能な、おすすめのお店です! https://www.officebusters.com

性格が真逆な夫婦が ストレスなく一緒に仕事をするには?

夫婦で一緒に仕事をするようになって再認識したのが、私たちの性格が真逆だということです。私はスピードスタートして、やりながら修正したいタイプ、彼はスタート前に熟考したいタイプです。最初の頃はその違いでぶつかることも。白熱しすぎて私が家を飛び出し、プチ家出をしたことも何度かありました(笑)。
「このままだと楽しいことも楽しくなくなってしまいそう……」そう感じていた頃に、彼から提案されたのは「お互いの違いを良い方向で活かす共同作業をする」という方法です。それぞれの強みを最大限に活かした「役割分担」にして、担当パートはお互い完全にお任せ。できた段階で報告し合いますが、大まかな方向性が合っていればOK! 細かい進め方やディテールは「指摘しない&気にしない」ようにしようという方法です。最初はお互いに気になることもありましたが、慣れてくると細かいことはだんだんと気にならなくなりました。結果的に仕事のスピードが格段にアップし、何よりもお互いのストレスが圧倒的に軽減できました(笑)。

(写真)お店でも完全に分担制です、私がフード担当で彼はドリンク担当。お互いの好きなことや得意なことを尊重することで、感謝やリスペクトも大きくなった気がします。

クラウドファンディングで資金集め 全国からの支援に感謝!

さまざまな方からのアドバイスをいただきながら、イメージと予算感が一致したのは2024年11月。当初予算は2,000万円以内だったのですが、現状の物価高も反映し予算2,300万円まで上方修正することになりました。当初予定していた資金(自己資金・借入・市からの補助金)だけでは不足する金額となったため、足りない資金についてはクラウドファンディングを実施させていただきました。

(写真)こちらが実施したクラウドファンディングです。地域の現状や私たちの想いを誠実にお伝えすることを大事にしました。全国からたくさんの応援やご支援をいただき、不足した資金を集めることができました(クラウドファンディングは終了しております)。

ふたりでお店の内装をお手伝い

(写真)店舗メインドアの塗装です。これからお客様を迎えるお店の顔なので、夫婦ふたりで塗装をしました。

店舗建設は当初の予定から約2カ月遅れ、12月末にスタートしました。しかし建設が始まると建設前の苦労が嘘のように、あっという間に進んでいきました。基本的に施工はすべて工務店にお任せしたのですが、私たちができることはお手伝いさせていただきました。DIYは得意ではないのですが、少しだけ自分たちの手をかけた部分があると、より愛着が湧く気がします、といっても慣れてないので後からプロの手直しが入るのですが(笑)。

田んぼの真ん中に電信柱を新設!

(写真)こちらが店舗敷地内に新しく建てていただいた電柱です。地中に埋まっている部分を見せてもらったり、大きな電柱の工事はなかなかの大迫力でした!

今回、田んぼの真ん中に店舗を建設することで驚いた出来事の一つが電気工事です。近くに電柱があるので電源は問題ないだろうと思っていたのですが、電柱から店舗までの距離が遠すぎるということで、敷地内に新たに電柱を設置することになりました。“田んぼの真ん中“にお店をつくる、ということで街中では起こりえない出来事に遭遇、なかなか進まないことも多々ありました。

2025年3月末に店舗の外観はほぼ完成し、これから内装の工事が始まります。
次回は内装工事の詳細や店舗オープンに向けた準備などをお話しできればと思います。

最新の店舗情報はインスタグラムでもご覧いただけますので、ぜひチェックお願いいたします!
名田島食堂インスタグラム https://www.instagram.com/natajima_shokudo/

*画像、文章の転載はご遠慮ください

この記事を書いた人(写真・文)

伊藤啓子

伊藤啓子

1974年生まれ、山口県出身。50歳をむかえた2024年春、山口県へUターン移住。現在は、夢だった飲食店オープンに向けた準備を実行中。 インスタグラムにて店舗オープンに向けての情報を発信中です。

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