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「理想が高すぎるから」でも「妥協ができないから」でもない…婚約破棄を繰り返す女性たちの"意外な共通点"

  • 2025.3.31

婚約後に破談となる、婚約破棄が起きるケースは少なくない。そして、この婚約破棄は1回きりではなく、同じ人が2回、3回と経験することもある。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「婚約破棄を繰り返す女性は『自分が結婚したい相手』よりも『自分と結婚してくれそうな相手』を選ぶ。『妥協しなければ結婚できない』と思い込んでいるなどの特徴がある」という――。

思い悩んでいる女性
※写真はイメージです
「婚活沼」にハマりやすい女性の共通点

婚活沼とは 結婚すると決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだ。今回は、婚約するまでは順調なのに、「いざ結婚」が固まりそうになると、うまくいかなくなってしまう女性の例を紹介する。

「ときめきなんていつかはなくなる」

T子さんは、現在36歳の公務員。笑顔がかわいらしく、受け答えが丁寧な女性だ。婚活をして出会った男性と婚約に至ったものの、「続けて2回婚約破棄をすることになってしまった」と相談に訪れた。

1人目の婚約者とは、友人の紹介で出会った。地元の企業に勤める同い年の彼とは1年間の交際を経て、28歳のときに婚約。きっかけは、彼のお兄さんの結婚だったそうだ。結婚式にT子さんも招待され、「親戚に婚約者として紹介したい」と彼に言われた。そこから、なんとなく結婚する流れができていく。披露宴で親族席に座ったT子さんは、「この人たちと家族になるんだな」とどこか他人事のように思っていたという。

婚約はしたものの、T子さんの気分が浮き立つことはなかった。つきあい始めの頃は楽しかったが、今では彼にときめきを感じることはない。自分本位なところがあり、特に束縛気質が強いのが気になるところ。けれど、T子さんの両親は「勤め先も安定しているし、三男なのも気楽でいい」と彼を気に入っている。友人たちに相談すれば、「ときめきなんていつかはなくなる」「結婚なんてそんなもの」と現実的なコメントが返ってきた。

2人で結婚式場の下見に出かけたり、新婚旅行先を検討したり、住む場所を話し合ったりするものの、いまひとつ気持ちが盛り上がらない。では「結婚したくないのか」と言われれば、けっしてそうではない。

T子さんは、早く結婚がしたかった。職場では同僚が次々と結婚していく。学生時代に仲が良かった友達にも既婚者が多い。「結婚なんてこんなもの。早く結婚したいし、そのためには妥協も必要」T子さんはそんな風に自分に言い聞かせていた。

元カノと会っていた婚約者と破談に

そんなとき、T子さんは彼を知る友人から「彼が女性と2人でいるところを見た」と聞かされる。彼を問いただすと、以前つき合っていた女性だという。

数カ月前、共通の仲間との飲み会で再会して以来、数回会ったということだった。彼は、T子さんが自分との結婚が決まってもあまり幸せそうでないことに気づいていたのだ。元カノには、女性心理について相談に乗ってもらっていたと言う。

彼は「T子と別れたくない。もう元カノとは会わないよ」と謝罪した。事情を知る友人には「許してあげたら」と言われたが、T子さんは婚約を破棄して彼と別れた。

婚約が破談になったというのに、T子さんは落ち着いていた。彼に対して申し訳ないという気持ちはあったものの、T子さんは、どこかホッとしている自分に気づいていたという。

40歳年収1000万超えの相手と再び婚約

2回目の婚約は、34歳のとき。結婚相談所で紹介された6歳上の男性と、つき合って数カ月ほどで成婚退会をした。

成婚料は、彼が支払ってくれた。彼は東京に本社がある誰もが知っている大手企業に勤めており、40歳で年収1000万円を超えている。180cm近い長身が好みだったが、服に興味がないようで、なんとなく野暮ったい雰囲気がある。

「洋服は私が選べばいい」とT子さんは自分に言い聞かせた。口数が少ない彼とは、会話も弾むわけではない。けれど、またしても友人たちは「結婚なんてそんなもの」と口を揃える。結婚相談所の担当者も「こんなに条件のいいお相手はそうはいません」とT子さんの背中を押した。

T子さんは、早く結婚して子どもがほしいと思っていた。T子さんの職場では、子どもがいる人たちは育児休暇や時短勤務が認められており、子どもが熱を出したといっては急に早退したり欠勤したりする。その埋め合わせは、独身であるT子さんたちがしなければいけない。仕事は嫌いではないが、朝から晩まで仕事をして、自宅に帰ったら寝るだけという生活にも疲れていた。

T子さんの望みは、結婚して子どもを産んで、仕事をセーブするか、転職をしてもう少し楽な仕事につくこと。それには、彼は申し分ない相手だったし、年齢的にも結婚は急ぎたかった。

ボディタッチに拒絶反応が…

しかし、今回も婚約は破談になった。

破談が決定的になったのは、初めて2人で出かけた一泊旅行だ。彼が近場の温泉旅館を予約してくれて、車で迎えにきてくれたところまではよかった。車の中で、彼の手がT子さんのももに触れたとき、なんとも言えない「いやーな感覚」を覚えた。体が拒絶反応をしていると自覚したという。

どんなに条件がよくても、いくら頭の中で「いい人だから」と自分を納得させようとしても、「生理的にムリ」な相手と結婚することは不可能だ。

旅行中、一緒に写真を撮るのも嫌だと感じるようになってしまった。T子さんは「急に生理になってしまって、お腹がいたい」と嘘をつき、その夜は彼に背を向けて眠った。翌朝も「体調が悪い」という理由で、観光はパス。

後日、T子さんは婚約の解消を申し出た。彼が支払った成婚料は、銀行口座に振り込む形で返金した。

婚約破棄をしやすい女性の特徴とは

2度の婚約破棄を経験し、私のところへ相談に来たT子さんは、「このまま婚約破棄グセが付いてしまったら、誰とも結婚できないのでは……」という不安を抱えていた。そんなT子さんに私がまず伝えたのは、「結婚する前に気づいてよかったですね」ということ。

「この人と結婚してもいいのだろうか」という思いを抱いたまま結婚する人は意外と少なくない。その多くが、結婚しても早いうちに離婚してしまう。

T子さんのように、婚約に至るのに破談にしてしまう女性には以下のような特徴がある。

・いわゆるモテるタイプで、出会いにも恵まれている。
・年齢や世間体にとらわれており、結婚を焦っている。
・現状に不満があり、結婚をすればそこから抜け出せると思っている。
・「自分が結婚したい相手」よりも「自分と結婚してくれそうな相手」を選ぶ。
・「妥協しなければ結婚できない」と思い込んでいる。
・相手に不安や不満があっても、「結婚すればなんとかなる」と思い込んでいる。

「妥協しなければ結婚できない」という呪い

私が次にT子さんに伝えたのは、「婚活で妥協はしてはいけない」ということ。

特にアラフォー、アラフィフの女性の中には「妥協しなければ結婚できない」という呪いにかかっている人が多い。むしろその逆で、妥協していたら、理想の相手とは絶対に出会えない。

結婚は、基本的には一生続く生活だ。「この人でいいや」と思っている相手と生活を共にすることはできない。そもそも「この人でいいや」と思うこと自体、相手にも自分にも失礼なことだ。私はT子さんに、「これまで妥協して選んだ相手にも、自分自身にも心の中で謝罪してください」とお伝えした。

次に、どんな人と結婚したいのかをイメージして「理想の人リスト」を作ることをアドバイスした。

理想の人リストの例。理想の人の「姿・状態」を左に書き、そんな人に感じる感情を右側に書いていく。
理想の人リストの例。理想の人の「姿・状態」を左に書き、そんな人に感じる感情を右側に書いていく。

しかし、当初のT子さんは「理想の人リスト」を作ることができなかった。男性ウケがいいT子さんは、これまで常に「選ぶ側」にいた。

自分に好意を寄せてくれる人の中から、「自分と結婚してくれそうな人」「両親が気に入りそうな人」「友達に自慢できる人」を選んできた。その代わり、自分の理想や好みには目をつぶってきたため「理想の人リスト」が浮かばない。

結婚は、お互いが自分のことも相手のことも「幸せにしたい」と思えなければ成立しない。

だからこそ、自分にとって「どんな相手と結婚して、どんな生活を送ることが自分にとって幸せなのか」を把握する必要がある。

「理想の人リスト」には、容姿も収入も性格も趣味も、自分のこだわりを何でも書いていい。そう言うと、T子さんは改めて自分の「理想の人」と「理想の結婚生活」に向き合って、リストを完成させた。ここからが、T子さんの本当の婚活のスタートだ。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女ひとが選ばれる』(フォレスト出版)。1970年生まれ。

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