部屋が散らかるそもそもの原因は、考え方にあった……?
週末に家中の片付けをすべて終わらせようと思っているなら、考え直してみた方がいい。もう長い間、散らかった状態を放置していたというなら特に、あまり大きな望みを持って取り掛かることは、最善のアプローチとはいえない。
ローゼンタールは、「片付けはプロセス。どれだけの時間とエネルギーが必要になるか、現実的に考えることが重要です」と話す。
「休憩を挟みながら1部屋ずつ、または細かく区切ったスペースごとに進める方が、はるかに効果的です」
また、定期的にちょっとした片付けをしておくようにすれば、家全体の片付けのペースもきちんとコントロールすることができる。
「最初のステップは、家にあるものをカテゴリー別に分類すること」だという。これは、それぞれの品物が家にどれくらいあるのか把握するために必要なこと。
例えば、分類をしてみたら、泡立て器が5種類、白いボタンダウンのシャツが10枚あったことがわかったとする。それらはすべて、必要なものだろうか?
「クローゼットを整理していて、ジーンズを30本みつけることもあります。クライアントに『1週間は7日しかありませんよ』と言うと、そんなにたくさんいらないことに気付いてくれる、ということもよくあります」
「分類をすることで、必要なのは何か、何がありすぎて、何を手放すべきなのかを見極めることができます」
まさかと思うかもしれないが、片付けるときには家中にあるモノをすべて、ひとつひとつ確認していく必要がある。1部屋ごとに、そこにあるすべてのモノを確認し、残しておくべきものかどうか判断していく。ローゼンタールはこのことについて、次のように話している。
「多くの人が、それが自分にとってのお気に入りなのか、使い道があるのか、本当に愛着を感じているのかどうか、すべてのモノについてきちんと考え、判断しようとしません。そうする代わりに、不要になったモノを捨てない言い訳を考えるのです」
片付けの目標は不要なモノをなくすことだが、自分たちがどの部屋をどのように使っているか、それぞれの機能を考えることも重要。家族がリビングで本を読んだり、映画を見たり、夜にゲームを楽しんだりすることが多いなら、リビングにはそれらに関連のあるモノを置くようにする。
「家の中が整理された状態は、必ずしも物理的なスペースがあるというだけのことではありません。そのスペースをどのように使っているのかに合わせて、モノが整理整頓されていることです」
家にあるすべてのモノには、置かれておくべき専用のスペースが必要なのだという。
「誰にでも、経験があることでしょう――いつか必要になるかもしれないから、そう考えて、何年も着ていない高価なドレスや、キッチンで使われることなく埃をかぶっているモノ、泊まったホテルからもらってきたアメニティなどを捨てずにとっておくのです」
「こうした“念のため”に取っておくモノは、あっという間に増えて、家中をモノであふれさせます」
この1年使っていないモノや、今のライフスタイルでは必要としないモノは、もう手放すべきとき。本当に気に入っているモノ、日常的に使用するモノだけに囲まれている方が、ずっと気分良く暮らせるだろう。ローゼンタールはさらに、「整理整頓も、ずっと楽になります」と述べている。