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【吉成名高】息の詰まるようなアクションを見せられるのが格闘技の面白さ【もっと知りたい♡スポーツ界の推し】

  • 2025.3.31

今話題のアスリートにクローズアップする企画 “もっと知りたいスポーツ界の推し”。

今回クローズアップするのはムエタイ界の至宝と呼ばれる吉成名高選手。先日さいたまスーパーアリーナで行われたONEでも3R KO勝ちし、留まることを知らない名高選手に迫ります。

ーキックボクシング、ムエタイを始められたきっかけは何でしたか?

兄が空手を始めるタイミングで一緒についていったのがきっかけです。そこから空手で思うような結果が出せなくって、空手の動きのプラスアルファになればと思い始めたのがキックボクシングでした。そこでやる中でキックボクシングの方が自分にあっているなというのを子どもながらに感じて、親に話したところ「そっちがいいなら、そっちの道に行くのがいいんじゃない?」と言われたのが9歳なので小学3年生のときでした。

ー9歳ながら自分に合うものを見つけられているってすごいですよね。キックボクシングからムエタイを始めるきっかけになった出来事もありましたか?

なんかなんとなくあっているというよりは、やっていて楽しいなって気持ちが大きかったです。もちろん空手も楽しかったですけど、キックボクシングはより楽しいと思えました。

ムエタイはそこからまた3年ほど経った時にキックボクシングで結果が出るようになってきたタイミングで、キックボクシングの本場でもあるタイに行って、現地のタイの選手と試合をする機会を小学6年生のときに頂いたんです。そこで生のムエタイに触れて魅力と強さを感じてそこで頑張りたいなという気持ちが強くなりましたね。

ームエタイはキックボクシングよりも日本ではまだ知名度が追いついていない部分もあると思います。名高選手が感じるムエタイの魅力はどんなところですか?

たしかにまだまだムエタイの魅力は広まりきっていないなと思います。純粋に格闘技として観ると技のバリエーションが多いんです。肘打ちとか首相撲の崩し? クリンチからの崩しがOKなので、人によっては“立ち技最強の格闘技”っていってもらえることもあると思うんですけど、自分でも本当にそう思っています。

プラスでムエタイもスポーツなので、対戦相手に対する感謝の気持ち、教えていただいた師匠の方、家族、支えてくれた皆さんに感謝の気持ちを込めて試合の前に“ワイクルー”というものを踊るんです。ワイが手を合わせて合唱の意味、クルーが師匠という意味なんです。師匠へ感謝の気持ちを向けて踊ることからムエタイは始まり、試合では互いに全力をぶつけて戦ったあとに相手を称え合うという流れが素晴らしい、美しいなと感じています。そういったところが他にはないムエタイの魅力です。

ームエタイやキックボクシングを観戦したことがない方へここを観るとより面白いよというポイントはありますか?

生で観ると打撃が当たったときの音が響くのでびっくりすると思うんです。その分迫力はあると思います。あとはキックをして当たっているようにも見えるけど、実はガードをして避けているということがあったり、相手のどの攻撃が当たって倒れたんだろうとかという部分をよく見てみると面白いと思います。最初は展開が早くて見づらさもあると思うんですけど、そういう点が見極められるようになってくるともっと楽しくなると思います。リプレイとかもありますし、解説とかを聞くとより分かりやすいかなと。

ー負け知らずの名高選手ではありますが、ここは誰にも負けないという技はありますか?

負けないところですか……。距離感ですかね? 距離感と危機察知能力。そういったところは負けないというか長けていると思います。

相手にダメージを与えるということももちろん大切なんですけど、ダメージを受けずに戦うということが僕は1番大事だなと思っています。そうすれば冷静な判断もできますし、動きに支障も出ないので。例えば足を蹴られると、痛くて動きづらくなり引いてしまうとか、汗が出てきてしまうということもあるので相手の打撃を食らわずに絶妙な距離感を把握する力は他の選手より長けているところだと思います。

結構人によってはリミッター外してアドレナリンドバドバ出てハイになっている状態で戦った方がパフォーマンスを発揮できるという選手もいれば、練習と同じ動きをしようというマインドの方もいると思います。僕はどちらかというと後者のマインドの方が結果が出るなって自分では思っています。頭脳戦ではないですけど、ある程度考えて戦うことが多いですね。

ーこういうタイプの選手だと戦うの苦手だなと思うことはありますか?

僕的には何も考えずにひたすら距離を詰めてくる選手の方が、考えることができるのでやりやすいです。相手も駆け引きをしてくるような選手だと「今相手が何を考えているかな?」「何を狙っているかな?」というのを常に頭の中で考えながら試合をするの方が難しいですけど、試合内容のクオリティも高くて対戦していて楽しいです(笑)。手とか足を打ちあうだけが格闘技ではないと思っているので。もちろんそういったスタイルの選手がいるからこそ成り立つものではあると思うんですけど……手数、攻撃の数は少ないけど互いに息の詰まるようなアクションを見せられるのも格闘技かな?と思っています。

ー今国内で気になるアスリートはいますか?

やっぱり国内の選手で格闘技ってなると今は井上尚弥選手が圧倒的な存在です。トップを走り続けているわけじゃないですか? トップを目指すよりもトップに君臨し続けるという方が絶対にキツイので、そのプレッシャーの中で常に結果を出し続けている、前人未到をなし続けているのはすごいなと思います。競技が違うので戦いたいなとは思わないですが、毎試合チェックしていますし、どういったマインドで練習しているのかという点は気になります。

ー名高選手も常に追いかけられる立場ではあると思いますが、どんな心境ですか?

うーん……。やっぱり誰かに追いつこうという気持ちよりも、追い越されないようにするという方が大変です。挑戦者である方が気持ち的には楽だと思います。正直失うものがないので。もちろん王者として自分も防衛戦をやったんですけど、やっぱり雰囲気は違います。

ー誰にも負けない点は距離感ということでしたが、注目してほしいプレーはありますか?

相手がひるんだタイミングとか自分の攻撃が相手に効いたタイミングからのフィニッシュ、KOするためのスピード感はめちゃくちゃ見てほしいですね。僕も詰めるときは詰めるので。

ーモチベーションを保つ方法でありますか?

純粋にムエタイが好きなんです。なので好きなことを追い求めているという気持ちもあるんですけど、その中で疲労が溜まったり、今日ちょっと身体がだるいなという日ももちろんあります。だからやるべきこと、マストでやらなきゃいけないことっていう生活な一部みたいな気持ちです。ルーティン化していて、次戦う相手がこういう動きをしてきたら僕はこういう動きをしようとか考えているのが僕は楽しいので。もう本当に好きだからできていることだなと思います。

ー各選手の入場シーンでそれぞれ曲が流れると思いますが、名高選手が入場曲を決めた理由はありますか?

僕はONE OK ROCKさんの『The Beginning』なんですけど、始まりという意味なのでこれから試合が始まるという意味合いもありますし、僕がこの曲を入場曲にしたときがルンピニーという大きいベルトのタイトルマッチのときにチャンピオンに勝ったんです。日本人は誰もとったことのないベルトだったので、この試合を始まりにしようという気持ちもあってそこからずっと同じ曲を使わせていただいています。

ーsweet web恒例! 愛用のグローブを見せてください!

自分はすごい好きな色が多いんです。赤、青、黒、白、水色とか。なのでそのときの気分で決めています。ヘッドギアは水色ですね。あとはやっぱり握りやすいというところと、セーフティーであるということが大事です。握りやすいけど、あんまり固定されていないとかもモノによってはあるので。基本的に日本で販売されているブランドは大体しっかりしていると思います。

正直グローブも当たりはずれがあるので、早い時は3カ月ほどでダメになっちゃうこともあります。今はウイニングというブランドのグローブを使っていて、基本的に頑丈で壊れづらいので1年半とかは使えますね! 自分の型になるまで毎日練習してれば1週間あればなります!

ー今年でプロとして9年目になる名高選手ですが、意気込みはいかがですか?

15歳からプロとしてさせていただいて、今年で自分も24歳になるので9年目。来年は記念すべき10年目になるので、10年目に繋がる1年にしたいです。周りが中学、高校、大学に行ってる間もずっと練習に打ち込んできて、私生活を顧みずに日常や学生生活を捨てて、1本にかけてきたので自分がこうやってきてよかったなと思えるようにしたいかな。そのためにはやっぱり結果を出さなきゃいけないと思っています!

ーどんなファッションがお好きですか?

今日みたいに練習があったりする日はジャージのセットアップを着ることが多いです。普段は本当にいろんな系統を着ますね~。細身のデニムだったり、ダボッとしたストリート系のスタイルも着ます。靴の色とアウターの色を合わせて着るのも好きです。

ー女のコはどんなファッションがお好きですか?

自分自身がどんなジャンルの服を着ることもあって、女のコに対してもどの洋服着ていても似合うなって思うんです。ワンピースだったり、ストリート系のファッションだったり、メンズライクな格好だったりを着こなしているのをみると可愛いなと思います。メンズライクだと一緒にリンクコーデとかもできるかもしれないし、そういうことが出来る人が恋人だったら面白いだろうなと思います。

photo : NAOKI MURAMATSU

edit & text : KAREN MIYAZAKI[sweet web]

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