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今田美桜、朝ドラ『あんぱん』ヒロイン・のぶの明るさや夫婦関係に憧れ

  • 2025.3.30
今田美桜 クランクイン! 写真:高野広美

いよいよ放送がスタートするNHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)でヒロインを演じる今田美桜。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルにした、愛と勇気の物語を歩む今田に、作品に込める思いや、北村匠海をはじめとする共演者の印象を聞いた。

【写真】キュートな笑顔がいっぱい! 今田美桜、『あんぱん』インタビュー撮りおろしショット

◆演じる“のぶ”の明るさや引っ張る力に憧れ

生きる意味も失っていた苦悩の日々にも、それでも夢を忘れなかったやなせさんと暢さん。そんな2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどり着くまでを、中園ミホによるオリジナル脚本で描く本作。今田は、主人公・朝田のぶを、その夫・柳井嵩を北村匠海が演じる。

撮影開始から半年が経った今の心境を尋ねると、「もう半年も経ったんだというくらいあっという間で。今はのぶが生活の一部になっていると言いますか、とてもナチュラルにのぶになれている気がしています」と語る。「現場でも『あと半年しかないね』と話すくらい、毎日充実した撮影期間を過ごせています」と笑顔を見せ、「それだけ全身全霊で臨めているのは、キャストの皆様、スタッフの皆様のおかげ」と最高の雰囲気の現場で作品に向き合えていることを明かす。

放送開始を目前にした今は「やっとだ!という気持ち」と笑い、「とにかく早くお届けしたい。試写を観させていただきましたが、3月31日から毎日皆さんの心があったかくなるんじゃないかなとワクワクしています」と出来上がりに自信を見せる。

演じるのぶの「明るさもそうだし、ブレない芯の強さや、周りの人を巻き込んで引っ張っていく力」に憧れるという。のぶは「ハチキンおのぶ」「韋駄天おのぶ」とも呼ばれる男勝りな性格だが、「感情豊かで元気いっぱいなところもありますが、人の悲しみにもしっかり向き合う女の子。そこに魅力を感じます」とも。

暢さんに関する資料はあまり残されていないが、「やなせさんが書かれた本を見ると、すごく懐が深くて、柔らかさと強さを持っている方なんだろうなと思いました。やなせスタジオに伺ったときに、やなせさんと暢さんがお互いに撮り合った写真を見せていただきました。暢さんがやなせさんに向ける笑顔やお二人の雰囲気を参考にさせていただいています」と役作りに余念がないようだ。

◆のぶの溌剌としたエネルギーは高知ならではの賜物


撮影は、猛暑の昨年9月、物語の舞台でもある高知県でスタートした。「のぶの溌剌としたエネルギーは、高知という場所が持つパワーと似ている感じがしました。高知の大自然の中で走るシーンからクランクインできたこともありがたかったです。地元の皆さんも応援に来てくださって、高知の皆様の応援や期待をたっぷり受けることができましたので、その気持ちを東京に持ち帰って撮影に挑めています」と振り返る。

土佐弁にも奮闘中だ。「最初は関西っぽいのかな?と思ったのですが、実際に教えてもらうと全然違い…(苦笑)。私は福岡出身なので地元の言葉と近しい部分もあったので、とにかく聞いて聞いて慣れていきました」とのこと。「土佐ことば指導の先生にいただいた音声テープを聞きながら練習していると、自分が発している音が正しい音と一致しているのか分からなくなってくるんです。違うふうに覚えてしまいそうで怖くて、撮影の合間は先生の横でひたすら読んで聞いてもらっています」と告白。「それでも何度やっても合わない時があって。北村さんに(この言葉に)似た単語ない?と聞くと、すぐに探してくれるので助かっています」とコンビネーションはばっちり。ちなみに、お気に入りの土佐弁は驚いたり感嘆した時に出るという「たまるか」。今田によると「表現の幅が広がって、いろんな感情を乗せられるので便利」とのことで、アドリブでも多用しているそうだ。

のぶが育った朝田家のキャストには、加瀬亮、江口のりこ、吉田鋼太郎、浅田美代子、河合優実、原菜乃華とそうそうたる実力派が顔をそろえる。「朝田家はとてものほほんとしています(笑)。もちろん緊張感もありながらなんですけど。皆さんの放つエネルギーみたいなものが柔らかくて穏やか。現場にいるスタッフ、キャストみんなが『あんぱん』という作品が好きだということが伝わってきますし、みんなそれぞれにリスペクトが感じられる。そうした雰囲気を作り上げてくださっているチームの皆さんに助けられて常にホッとした自分でいられる」と感謝。

「そうそうたる皆様なので、座長としてできることは少ない」と謙遜しつつも、「やなせさんの作品もそうなように、『あんぱん』も明るく前向きな温かい作品だからこそ、現場もそうでありたいと思っています。自分もいつも穏やかで心広くありたい」と座長としての心がけを明かした。

◆6度目の共演の北村匠海と強い信頼関係


夫の嵩を演じる北村匠海とは今回が6度目の共演だ。「のぶと嵩は幼なじみから夫婦になるという今まで以上に距離の近い役どころ。そうした関係を演じるのが北村さんと、というのは安心感があります。北村さんは本当に優しくて、物事を俯瞰で見ていて、誰かが困っていたらすぐに気づいて助けてくださる方。嵩に通ずる部分もある」とその人柄を絶賛。「なので私も肩に力を入れることなく演じられています。これまで以上に遠慮がなくなったというか、何を投げても受け止めてくれる」と強い信頼関係が出来上がっている。

のぶと嵩の関係について尋ねると、「男女だけど、これほどいろんなものを超えて分かり合える関係はすごく羨ましい」と明かす。「のぶが嵩に『うちが守っちゃる』という言葉を掛けたり、最初はのぶのエネルギーで嵩を引っ張っているようにも感じますけど、そんなことはなくて。のぶは嵩がいるから、ああなれる部分もあるし、のぶが困った時には嵩がさりげなく手を差し伸べてくれたりと、あの2人にしか分かりあえない何かがある。性格は真反対だけど、ああいうふうに支え合える関係は羨ましいですね」。

放送100年という記念の年に朝ドラヒロインの大役に挑む。「先日橋本環奈さんからバトンを受け取りましたが、伝統が引き継がれている朝ドラに、『あんぱん』という作品で携わることができる光栄を感じました。だからと言って、肩に力を入れてというよりは、自分らしく、この『あんぱん』という作品に対して誠心誠意臨むというのが私の責任かなと思います」。

「忙しい朝の時間にこれだけの方が見てくださる番組ってすごい。そんな番組に主人公で出させてもらえるのはとてもうれしいですし、責任感を持って毎日頑張りたい」と意気込みを明かす今田。持ち前の華やかな明るさで、半年間毎朝元気をもらえる、温かい「愛と勇気の物語」を届けてくれそうだ。(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)

連続テレビ小説『あんぱん』は、NHK総合ほかにて3月31日より毎週月曜~土曜8時放送。

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