朝ごはんが素敵だと、その日1日の気分が上がるという経験は誰もがするところ。ボリューミーな玉子サンドで知られる「喫茶マドラグ」でモーニングが始まってから、もうすぐ2年が経とうとしています。京都を訪れる人たちにも、昔からの常連さんにも愛されるという朝メニュー。町の喫茶店で、暮らすように朝のひとときを過ごしてみませんか。
京都のまちなか、二条城にも近い喫茶店
「喫茶マドラグ」へは、京都駅から地下鉄で5分の烏丸御池駅で下車、徒歩で約9分です。駅のある御池通は、京都で最も広い通りのひとつ。そこから1筋北の押小路通にマドラグがあります。
昔から続く町の愛され喫茶店を引き継いで
マドラグが開店したのは、今から14年前の2011年のこと。実は、お店のある場所は、かつて50年以上もつづく「喫茶セブン」という地元の名店でした。
マスターが他界された後、縁あって店を引き継いだのが今の店主・山﨑三四郎裕崇さん。単に、建物を利用して自身の店を開くというだけでなく、常連さんが足を運び、ほっとひと息つくとまり木のような場としての喫茶店を残したいという気持ちに後押しされたそうです。
店が軌道に乗ってきたころ、「閉店した木屋町の洋食店コロナの玉子サンドを引き次いで欲しい」という話が持ち込まれました。コロナのマスターに教わりメニューに加えた山﨑さんですが、「もっとフワフワだった」とか「もっと大きかった」とか、さまざまな声が。
改良に改良を重ね、ようやくコロナ時代の味を知るお客さんが「懐かしい」と感激してくれるまでに。今ではマドラグといえば「玉子サンド」といわれるほどの看板メニューになりました。
ボリュームたっぷり玉子サンドのモーニング
マドラグのモーニングはA~Cの3種。Aは玉子サンド、Bは卵とチーズのトマト煮込みがメイン。Cはトーストにゆで卵などが付くふだんの朝ごはん向きのセットです。予約のできる時間帯もありますよ。
一番人気は玉子サンドが味わえるAセット。ホテルのモーニングビュッフェを盛り合わせたような一皿が運ばれてきます。玉子サンドに、生ハム、サラダ、ポタージュ、スパイスやハーブで風味付けされたフルーツヨーグルトも。
ドリンクは20種弱から好みのものをどうぞ。コーヒーの場合は、おかわり1杯付きです。クリームソーダやバラソーダなどは、名前を聞くだけでときめきますね。
マドラグの玉子サンドの特徴は、一言でいうとその大きさ。パンよりも、サンドされた玉子焼きの方が厚いというボリューミーなもの。2切れで卵が2個使われているそうです。
よく見ると、玉子焼の片面にはデミグラスソース、もう片面にはマスタードソースで味付けされています。この厚さを一口で食べるのは難しいので、フォークで玉子焼きの真ん中を切って1切れをさらに2つに分けて食べるときれいに食べられますよ。
京都では珍しい鉄板ナポリタンと、ピンクのミックスジュース
もうひとつのボリューミーなメニューは、昔懐かしナポリタン。玉子サンドと同じく、ミルクをたっぷり混ぜ込んだ半熟の卵が鉄板に敷かれ、その上にスパゲッティが山盛りになった東海式のスタイル。ゆでる際に昆布水とバターで風味付けされた細目の麺に、クリーミーな卵を絡めながら味わうのがおすすめです。
ユニークなメニューには、ことかかないマドラグ。ミックスジュースというと、関西ではバナナの薄い黄色というのが普通ですが、マドラグではなんとパステルピンク。色の秘密はグレナデンシロップで、桃、パイナップルなどのフルーツがミックスされており、スムージーのように濃厚な味わいでした。
最後に「玉子サンドも、ナポリタンも、なぜこんなに量が多いのでしょう?」と素朴な質問をすると、「店は地下鉄の烏丸御池駅と二条城前駅の真ん中、どちらからも10分弱の距離。駅から離れているところにわざわざ来てもらうので、たっぷり味わって欲しいのです」という答えが返ってきました。
ゆっくり時間をかけて食事をし、食後は少しお腹がこなれるまでコーヒーやドリンクでまったり。そうして時を過ごすうちに、交流が生まれ、喫茶文化が育まれていくのかもしれませんね。