2018年5月にこの世を去った西城秀樹。1970~1980年代を彩った、日本を代表する伝説的アイドルの1人だ。2025年4月13日は西城の生誕70年を迎える節目の日。死という別れを経てもなおファンから愛され続ける西城の足跡を振り返る。
愛され続けるレジェンドアイドル・ヒデキ
1972年「恋する季節」で歌手デビューして以来、野口五郎と郷ひろみの2人とともに“新御三家”として一世を風靡した西城。“ワイルドな17歳”をキャッチコピーに掲げ、ワイルドで力強い歌声が多くのファンを魅了した。
西城は「ちぎれた愛」「愛の十字架」「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」でオリコン1位を獲得。さらに人気音楽番組「ザ・ベストテン」において、番組史上初の満点9999点を得たことでも知られている。
そんな西城を象徴するのが、“絶唱型”と評される歌声。“甘く優しい”が基本だった当時の男性アイドルとは一線を画し、飛び抜けた歌唱スキルで数々の名曲を生み出した。叩きつけるような迫力と繊細な表現力を見せつけた「傷だらけのローラ」「愛の十字架」、明るくポップで踊り出したくなる「ホップ・ステップ・ジャンプ」など楽曲のジャンルも幅広い。
コールアンドレスポンスを使いこなしてファンとの距離を縮め、ゴンドラを使ったド派手なライブパフォーマンスなどで新鮮な驚きを提供する。レジェンドとして語り継がれるに相応しいエピソードをひも解くと、“聴かせる”だけでも“楽しませる”だけでもない西城秀樹というスーパースターの凄さが改めて見えてくる。
西城秀樹、最初で最後の香港映画「天使行動」
西城は日本のみならず、海外でも人気を博していた。フランス語での楽曲販売やハワイでのファンクラブ発足、中国のツアーコンサートも実施。なかでも香港での人気は絶大で、音楽祭のスペシャルゲスト、TV出演、さらには映画出演まで果たしているのだ。
西城が出演した香港映画「天使行動」。西城にとって最初で最後の香港映画となった貴重な作品だ。本作は国際的プロフェッショナル特殊部隊“エンジェルス”の活躍を描いた痛快なバイオレンスアクション。エンジェルスは金額さえ合意できれば、どのような事件も解決する。
ムーン・リー、デイヴィッド・チャン、アレックス・フォンといった香港の名優とアクションスターたちが集結し、西城と大島由加里が客演。豪華なキャストたちによる本格カンフーアクションが繰り広げられた。
物語は国際犯罪シンジゲートの麻薬栽培地を壊滅したインターポールが、シンジゲートからの報復を食い止めるためにエンジェルスへ出動依頼をするところから始まる。エンジェルスは超法規活動により、いかなる事件も素早く解決するプロフェッショナル。そんなエンジェルスのなかでもトップの実力を持つ“エンジェル1号”の西城(西城秀樹)はボスであるジョン(デイヴィッド・チャン)に命令され、エレイン(エレイン・ルイ)、ムーン(ムーン・リー)とともに問題解決に立ち向かう。
警察さえも刃が立たない悪の組織との戦いは、銃撃も肉弾戦もありのハードアクション。CGなど当然ない時代、ビルや車が派手に爆発するシーン迫力はさすがのひと言だ。西城がカンフーアクションに体当たりで挑戦するというレアさもまた、同作の魅力の1つ。
「天使行動」は1987年に製作され、日本では1989年に公開された作品だ。実は西城はそれ以前から香港と深い縁があり、前述の音楽祭出演をはじめとして多くのファンがいた。日本武道館での公演にも多くの香港のファンが駆けつけてくれていることを知り、1980年代からは香港を中心としてアジア圏でのライブ活動も増やしたというエピソードもあるほど。
“最もセクシーな歌手”と称賛された西城のインパクトは強く、“アジアでの日本人歌手進出の先がけ”との声も。香港映画「天使行動」は、日本を飛び出して世界に愛された伝説的アイドルの象徴的作品なのだ。
なお同作のHDリマスター版が、4月5日(土)昼11時からCS「衛星放送」にて放送されることが決定した。また同局では「フォーエバー・ヒデキ 西城秀樹 生誕70年」と題して、西城が出演した番組を特集。4月3日(木)朝8時30分からは俳優としての代表作である「愛と誠」が、4月1日(火)昼10時25分からは「恋は放課後」をオンエア。
さらに「カックラキン大放送!!」「夜も一生けんめい。」といったバラエティーや、芸能ニュース映像の中から厳選した「西城秀樹 秘蔵映像!」、伝説の「西城秀樹・全国縦断サマーフェスティバル」を記録した「ブロウアップ ヒデキ」なども放送。俳優として、ミュージシャンとしての西城の魅力を見つめ直すラインナップになっている。
忘れられない作品を多く世に遺した西城秀樹という大スター。貴重な映像と歌声を、これからも後世に語り継いでいきたいものだ。