日本一有名な双子姉妹といっても過言ではない俳優の三倉茉奈さん・佳奈さん。朝ドラヒロインを史上初めて2度務めるなど、その人気を揺るぎないものとしながらも、20代半ばに差しかかった2人に大きなターニングポイントが訪れます。1人の自立した大人の女性というイメージを世間にも知らしめることとなった佳奈さんの人生の転機、そこから俳優・タレントとして新たな世界が開けた茉奈さん…。今だから話せる、20代で迎えた2人の分岐点に迫ります。
《Profile》
1986年2月23日生まれ。大阪府出身。茉奈さん(写真左)、佳奈さん(写真右)の姉妹で4歳の時に児童劇団に入団し、5歳でCMデビュー。1996年に10歳で、朝の連続テレビ小説『ふたりっ子』でヒロインの幼少時代を演じ、ドラマで俳優デビューを飾る。同作の出演をきっかけに爆発的な支持を受け、以降数々のドラマや舞台に出演。「マナカナ」の愛称でバラエティ番組でも人気を博す。2008年には朝ドラ『だんだん』で史上初2度目の主演を果たす。現在ではそれぞれ結婚し、茉奈さんは4歳の女の子、佳奈さんは10歳の女の子と8歳の男の子のママに。2人でYouTube「マナカナんち」を2020年より配信中。
26歳。これまでずっと同じだった歩みが初めて分かれたのは“結婚”のときでした
――お2人にとって、人生のターニングポイントはいつでしたか?
茉奈さん(以降茉奈):26歳の時の、佳奈の結婚ですね。
佳奈さん(以降佳奈):え!? そうなん?衝撃なんやけど!
茉奈:うん(笑)。というのも、私達って本当に同じ歩幅で、同じ道を歩んでいたんです。お母さんのお腹にいる時から、小学校から大学まで一緒。仕事はもちろん、車の教習所まで一緒でした。
佳奈:大学なんて、私達お互いがどの大学を志望しているか知らなかったんですよ。でもたまたまお互い社会学部に興味があって、関西や関東を含めたくさん取り寄せた大学のパンフレットの中で、「行きたい!」と思う大学がたまたま一緒だったという。車の教習所ではそれぞれ別で筆記試験を受けたんですけど、一緒に落ちたよね。
茉奈:そうそう!試験に落ちたのがわかってしょんぼりしてたら、隣にしょんぼりしてる佳奈がいて、「え、まさか!?」って(笑)。落ちたのに、なぜか大笑いで帰りました。
佳奈:大学は無事、2人とも第一志望の大学に受かってめでたしでしたけどね。そしてその後ゼミまで同じになるという(笑)。それで、なんで私の結婚がターニングポイントに?
茉奈:アイデンティティができたと思うのよね。結婚している佳奈と、独身の私っていう。
――結婚のタイミングまでは同じではなかったのですね(笑)。
茉奈:そうなんですよ。私達ってずっと双子の子役のイメージが強かったし、恋愛スキャンダルとかもなかったから、26歳とはいえ、世間の方々は成人した女性像と私達を結びつけて考えづらかったんじゃないかと思うんです。だけど佳奈が結婚したことで、それを覆してくれました。佳奈は旦那さんと大学時代から付き合っていましたが、「マナカナも普通に恋愛してるんだ」とか、「2人は別々の女性なんだ」ということを、結果アピールできたんじゃないかな、と。
実際にその後1人でバラエティ番組に呼んでいただくことも増え、「茉奈ちゃんはいつ結婚するの?」と愛のあるイジりをしていただきました。コンプライアンスを心配されるかもしれませんが、そのようにしていただけることが本当に嬉しかったですね。佳奈と同じではない、私だけの私で、やっと立つことができたと思えました。
ちょうどその頃に『赤い糸の女』という昼ドラで初めて単独主演を務めさせていただいたのですが、キスシーンあり濡れ場ありの結構過激な役どころで。それが私の中にいつの間にか巣食っていたモヤモヤを取っ払ってくれたのかもしれません。もう子供じゃない、女性らしい役というのかな。その後いただく役もはっきりと変化していきました。
子育てと仕事の両立で自分の限界を知ることで、かえって生きやすくなりました
佳奈:私の結婚が、お互いが大人の女性になるための分岐点だったことは確かに間違いないですね。だけどターニングポイントっていう意味だと、私の場合は結婚よりも第二子を出産して仕事復帰した頃だと思います。出産後2カ月で復帰させていただいたのですが、もう自分の体力のなさにびっくりしてしまって!今思えば、気持ちが急いでいたのかもしれません。私は芸能の仕事が大好きで、ずっと仕事ばかりでした。夫と付き合っていた頃も、仕事を優先してしまい1カ月会わないなんてこともありました。実は内心、「結婚は30になるくらいまではいいかな」と思っていたのですが、茉奈から「あんな良い人絶対逃したらアカン!」と説教をされ、彼が仕事で東京に転勤になったことも後押しになり、予定より早かったものの結婚することに。
そして出産を経ての復帰後は、2人の子供の育児と仕事の狭間でいっぱいいっぱいになってしまい体が持たなくなって。どちらも100%全力で完璧にこなすなんてとても無理。結局周りに迷惑をかけてしまうなと気づいたんです。だから休める時はちゃんと休む、誰かに頼れるならちゃんと頼る、スケジュールはもっと余裕を持って組むようにする、そういったことにシフトしていくことで、私自身が丸くなったというか、気持ちにゆとりを持てるようになりました。自分の限界を知ることで、かえって生きやすくなるんですよね。
共働き夫婦ですが、ルールは特に決めていません。家事は気づいたほうが率先して、が唯一のルールです。それでも、夫婦で賄いきれない部分は、茉奈に来てもらってたくさん助けてもらっていましたね!今でも感謝しています。
《衣装クレジット》
〈茉奈さん〉
タンクトップ¥13,500(バナナ・リパブリック)ジャケット¥19,800(MACHATT)スカート¥11,550(yae/アンティローザ)イヤリング¥7,560(アビステ)イヤーカフ¥77,000(ヴァンドーム青山/ヴァンドーム青山本店)ネックレス¥14,300(Jouete)バングル¥42,900(too:/シエナ ロゼ 表参道ヒルズ本店)リング[右手・人差し指]¥2,800(ショーキー)[右手・中指]¥25,300(Jouete)[右手・薬指]¥28,600(ヴァーミリオン)
〈佳奈さん〉
シャツ¥21,450(MACHATT/MACHATT ONLINE STORE)ベスト¥18,500 パンツ¥27,500(ともにHe’nai)イヤーカフ¥1,210(アネモネ/サンポークリエイト)イヤリング¥25,300(ケンゴ クマ プラス マユ/ヴァンドームヤマダ)ネックレス¥27,500(Jouete)ブレスレット[上]¥39,600[下]¥39,600(ともにtoo:/シエナ ロゼ 表参道ヒルズ本店)リング[左手・人差し指]¥1,980(アネモネ/サンポークリエイト)[左手・中指]¥17,600[右手・人差し指]¥18,700(ともにプラス ヴァンドーム)[右手・薬指]¥2,800(ショーキー)
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アビステ 03-3401-7124
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ヴァンドームヤマダ 03-3470-4061
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サンポークリエイト 082-248-6226
シエナ ロゼ 表参道ヒルズ本店 03-6447-1215
ショーキー https://showkey2021.thebase.in
ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005
トレモア・プランニング 03-6438-9386
バナナ・リパブリック br_info@bananarepublic.jp
プラス ヴァンドーム https://vendome.jp/plus_vendome
He’nai https://henai.stores.jp
Jouete 0120-10-6616
MACHATT ONLINE STORE machatt@martys.co.jp
撮影/田中瞳 ヘア・メイク/Hitomi(Chrysanthemum) スタイリスト/日奈子 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希