日本の伝統色を知る
日本の伝統色「燕脂色」とは……
黒みを帯びた深い紅色で、古くから存在する伝統色が燕脂色。この色は、植物性の紅花を染料とする「正臙脂」と、ラックカイガラムシという小虫から抽出された赤い色素を含む動物性の「生臙脂」に由来します。特に中国の古代王朝・燕の国と関連があるとされ、「燕」の国の赤い脂から名付けられたと考えられています。この燕脂色は、深い紅色が高貴な印象を与え、歴史的に女性の美しさを象徴する色として重宝されてきました。
燕脂色 = えんじいろ
平安時代中期の文献『倭名類聚抄』にも、当時の女性の化粧品として用いられた頰紅や口紅で人気があったとの記述があります。「燕脂色」は、えんじいろと読みます。
DIC 日本の伝統色:R159 G53 B58 #9F353A/燕脂色(えんじいろ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊