月刊誌『大人のおしゃれ手帖』の読者組織「ミモザ会」の公式ブロガーによる『ミモザ会ブログ』
今回は、食のトレーナー、原田マチ子さんによる、更年期の女性の健康を考えた「応援めし」をお届けします。
こんにちは。
食のトレーナー、原田マチ子です。
50代、更年期世代のカラダを整え、元気にする「応援めし」。
今回は、つらい、嫌い、なりたくない! 花粉症を少しでも和らげる食材とメニューのご提案です。
食べるものを受け止めるための腸内環境を整え、いらないものは排除する体づくりを目指します。
春のつらい症状が食べ物の力で少しでも緩和されますように!
食生活は花粉症も左右する?
今の時期の一番のお悩みといえば「花粉症」ではないでしょうか。私も5年ほど前から患っております。体の免疫反応が花粉に過剰に反応して鼻水やくしゃみなどの症状が出るのが花粉症です。が、アレルギーの要因となる花粉が体内に入ったからといって、すぐに発症するわけではなく、アレルゲン(抗原)が体内で十分な量になると、アレルギー反応が起こり花粉症を発症させます。アレルギー体質の人は発症しやすいといわれています。
花粉症が増加している要因として、花粉量の増加、食生活の変化、腸内細菌の変化が指摘されています。更年期にはエストロゲンの減少により、免疫機能が過剰に反応することがあり、花粉症を悪化させる要因となることもあります。
花粉量の増加は私たちではコントロールできませんが、毎日の食事で腸内環境や免疫機能を整えることは、花粉症を少しでも和らげることにつながります。それはとても素晴らしいことです。
栄養不足や睡眠不足、腸内環境の低下も花粉症の要因に
花粉症は花粉だけが悪さをしているのではなく、受け止める私たちの体にも問題があるといわれています。
私たちが、食べものを摂取して、それを体内で変化させ、不要なものを排出する一連の流れ、「代謝」。代謝が良いと古い細胞から新しい細胞へ生まれ変わるターンオーバーをスムーズに回転させることができ、新しい粘膜細胞を作り出すことができます。そのためには十分な栄養が必要ですが、栄養が不足すれば、代謝が衰え老化が進みます。新しく健康な細胞を作るには、材料となる「たんぱく質」、細胞膜を作る「脂質」、細胞が働くためのエネルギー源「炭水化物」、細胞を健康に保ち代謝を活発にする「ビタミン」、機能を維持する「ミネラル」をバランスよく取ることが不可欠です。
また、腸内環境も大きく影響しているといわれています。腸内はさまざまな免疫システムが集結していて有害な物質が入ってきても、それらを吸収せず排出するというバリア機能が備わっています。それらの免疫機能を上げるために、腸内環境を整える必要があるのです。さらに、腸と脳は繋がっているので、ストレスや睡眠不足も花粉症の要因になるとされています。
くしゃみ止めなどの薬は、一時的にはつらい症状を和らげてくれます。が、根本的に改善するには、食事で腸内環境を改善し、メンタルを整えることが、花粉症に強い体を作ることにつながると思います。
アレルゲンに負けない体は腸内環境にあり!
私たちの体は約37〜60兆個の細胞でできているといわれています。毎食、食べたものは食道を通り胃で消化され小腸で養分を吸収します。不要なものが便となり肛門から排出……この一連の流れによって、私たちの体はつくられます。そして、腸は免疫機能を上げる要の臓器です。腸内環境を整えることは、アレルゲンや病原菌に強い体をつくることに、大きく影響します。善玉菌の餌となる「食物繊維」の豊富な根菜類や雑穀米などを、普段の食事に意識して取り入れてみましょう。
そうはいっても毎日、バランスの良い食事は難しいという方も、まずはお米と具沢山の味噌汁中心の食事を続けることで体は変わってきます。花粉症を和らげストレスフリーで気持ちの良い春をすごしましょう。
免疫機能を調整するビタミンDが豊富 「バター醤油香る春キャベツと帆立のソテー」
ビタミンDは骨を強化するビタミンとして知られていますが、免疫機能を調整する役割もあるとされています。乾燥キクラゲにはビタミンDが多く含まれており、また帆立にも含まれているため、免疫機能を高める花粉症予防に強い味方です。春キャベツにはビタミンCが豊富に含まれていて、皮膚や血管の老化を防ぐ働きをします。
【材料(2人分)】
帆立…8個
春キャベツ…200g
乾燥きくらげ…3g
ドライトマト…15g
ニンニク…1片
バター…10g
醤油…大さじ1/2
ブラックペッパー…適宜
【POINT】
春キャベツのビタミンCは熱に弱いので、最後にサッと炒めるだけにします。
【作り方】
① 乾燥きくらげは15分ほど湯に浸しておく。
② ドライトマトも水に浸しておく。
③ 春キャベツは食べやすい大きさにカットする。
④ フライパンにバターをひき、ニンニクを加え香りを出す。
⑤香りが出たら、帆立、きくらげとドライトマトを加える。
⑥ 帆立が両面焼けたら、春キャベツを加え醤油を回しかけサッと炒める。
⑦ お皿に盛り付け、ブラックペッパーをかけ完成。
エネルギー(一人分)/235㎉ 塩分/2.59g たんぱく質/30.2g脂質/7.0g 糖質/20.1g
食物繊維×オリゴ糖で腸内環境をアップ 「春野菜たっぷりの大豆入りみそ汁」
新じゃがは食物繊維が豊富で腸内環境を整え、便秘の方にもおすすめの野菜。新玉ねぎにはオリゴ糖が含まれているため、腸内の善玉菌のエサとして腸内環境を改善し、アレルギー症状の軽減にも期待ができます。みそと大豆に含まれる大豆イソフラボンはエストロゲンに似た働きをしてくれるため、更年期世代への強い味方。
【材料(2人分)】
新じゃが…1個 (80g)
新玉ねぎ…1/4個(50g)
青さのり…ひとつまみ(1g)
大豆水煮…30g
みそ…大さじ1/2
水…400mL
だしパック…1パック
【作り方】
① 400mLの水にだしパックを入れ、沸騰したら取り出す。
② 新じゃがは食べやすい大きさにカットし、耐熱容器に入れラップをし、レンジで600W2分ほど加熱する。
③ 新玉ねぎはくし切り。
④ だし汁に火を通した新じゃがと玉ねぎと大豆水煮を加え少し茹でる。
⑤ 火を止め、みそを溶き入れる。
⑥ 再度温め、青さのりを加え完成。
エネルギー(一人分)/101㎉ 塩分/1.31g たんぱく質/7g 脂質/2.7g 糖質/14.7g
【POINT】
新じゃがはレンジで加熱しておくと芯が残らず、時短にも。
【参考文献】
花粉症は1週間で治る!(さくら舎)
栄養素図鑑と食べ方テク(朝日新聞出版)
花粉症環境保健マニュアル(環境省)
食品成分/食品成分データベース(文部科学省)
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この記事を書いた人
食のトレーナー
原田マチ子
私自身も50代、身体の変化を実感中。更年期世代のダイエットから、強くなりたいジュニアアスリートまで食の力で全力サポート。元気になる「応援めし」を発信しています。