ヘンリー王子が、亡き母ダイアナ妃の遺志を継ぎ、2006年に立ち上げた慈善団体サンタバリーのパトロンを辞任することを発表した。王子がレソト王室のセーイソ王子とともに設立したサンタバリーは、アフリカ南部の国レソトにおける貧困やエイズ問題に取り組み、孤児の支援を行い、王子も積極的に関わってきた。しかし、2023年7月に就任した理事長ソフィー・チャンダウカと理事の間で対立が起きていたようだ。
『ピープル』によると、彼女の就任後、サンタバリーの財政状態が悪化。2024年末に資金調達契約が破断となったことを受け、今年2月に理事会が理事長の辞任を要請したが、彼女はこれを拒否したうえ、解任手続きを阻止するために法的手段に訴えたそうだ。理事たちは、この裁判によるさらなる財政的困難を避けるために辞任を発表。ヘンリー王子とセーイソ王子も理事らを支持し、パトロン辞任を選択したという。ヘンリー王子は、サンタバリー主催のチャリティポロカップにたびたび出場してきたが、昨年は大会支援者とチャンダウカとの間に衝突が起き、開催を断念していた。
これに対し、チャンダウカは代理人を通じて声明を出し、こう反論する。「まず第一に、昨日出回ったコンテンツをはじめ、出回っている情報の多くは事実に反し、名誉を棄損する内容です。団体として準備ができ次第、現時点までの経緯を詳しくお伝えするつもりです。さらに、理事会による重要事項の決定はメンバーの合意の上に行われるものであり、特定の個人の決断とみなすのは不適切です。以前にもお伝えしましたが、法的措置を取ったのは、権力の乱用や違法行為、不始末、いじめ、ハラスメント、女性嫌悪、黒人女性に対する嫌悪などの問題の隠蔽を訴えることが目的です」
なお、ヘンリー王子とセーイソ王子は声明で、理事長と理事会に「関係修復が不可能」なほどの対立があったことを認め、理事会への支持と連帯を示すために辞任すると発表。今後も受益者に対する責任を果たすために、原因追及に務めるとし、こう締めくくっている。「我々はもうパトロンではありませんが、設立者であることに変わりはありません。適切な対応を受ければ、この慈善団体は事を成し遂げることができる。我々はそのことを決して忘れません」
Text: Tae Terai
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