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患者「あの、よかったら今度食事に…」看護師の親切な対応が“脈あり”と勘違いされ…リアルな結末やいかに

  • 2025.6.9
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

医療現場では、患者さんの不安に寄り添い、丁寧に対応することが看護師の大切な役割です。しかし時として、その親身な対応が思わぬ方向に発展してしまうことがあるようです。

今回は、現役看護師のAさんが語る「親身に対応した患者さんからの思いがけない誘い」という体験談を紹介します。

親身な対応が思わぬ展開に…患者さんからの突然の誘い

これは、看護師として勤務している私が経験した、50代男性の患者さんとのエピソードです。

Bさんは会社員の方で、文句を言うタイプの方ではなく比較的穏やかな患者さん。初診時は臀部粉瘤(でんぶふんりゅう:お尻にできる良性の腫瘍)で来院されました。

連休前に、臀部粉瘤が悪化し来院、切開排膿をしました。初診時は処置が終わり次第帰宅できますが、しばらく毎日の通院が必要です。

外科で処置をしたのですが、基本的に診察介助のナースは日替わりです。初診時に続き、私がBさんの対応をしました。

結構心配性な方だったので、さまざまな質問があり私はその質問に対応しました。「痛みはいつまで続くのか」「あとどれくらい通院が必要か」「まだ痛いんだけど…」など。

こういった患者さんは、答えが知りたいというのもあるのですが、大半は話を聞くことで落ち着くことが多いです。やはりBさんもそのタイプだったようで、話を聞くと、満足して帰宅しました。

連休明けのある日、また通院してきたBさん。

「この前は色々とありがとうございました。あの、よかったら今度食事に行きませんか?自分の電話番号です」と言って、メモを渡してきたのです。

「いやいや、それは困ります」

「Aさんの都合がいいときに連絡ください」

名札をつけているからか、私の名前までしっかり覚えられていました。

私もその場できっぱり断って電話番号を返すべきだったのですが、ほかの業務もあり、そこで時間を費やすわけにはいきませんでした。

もちろん、私から連絡することはありませんでした。

電話番号を渡されたとき、周囲にはスタッフもいたため、Bさんの次回の来院時には別のスタッフが対応してくれるように。臀部粉瘤の治療は終わったのですが、しかし何かほかの症状があるときは、受診に来るようになりました。

カルテの名前を見てすぐにBさんだと気づいたため、その都度、ほかのスタッフにお願いし、会わないようにしていました。

スタッフの話では、

「多分、Aさんを探してたよ!!」

周りをキョロキョロする感じだったそうです。

現在はその病院を退職し、別の病院で勤務していますので、Bさんと会うことはありません。

患者さんとの適切な距離感の大切さ

患者さんの不安な気持ちに寄り添い、丁寧に質問に答えるのは、看護師の業務として当然のこと。該当の患者さんにだけ親切にしているわけではないのに、プライベートでの関係を求められるというのは困りますね。

Aさんのように、その場での対応に困った際は、無理をせずに同僚やチームで協力して解決することも大切な選択肢です。

医療現場では、時として予想もしない展開が起こることもありますが、患者さんのためにも、医療スタッフのためにも、適切な関係性を保つことの重要性を改めて感じさせられるエピソードでした。


《取材協力》
現役看護師・Aさん
准看護師歴21年、2025年に正看護師となり、整形外科手術に力を入れている病院にて勤務。准看護師の免許を取得してから、主に外来と手術室に所属している。患者ファーストで物事を考えることを念頭に、仕事が趣味であり、楽しく働いている。