「髪を結ぶとハゲる」というウワサがあります。そんなことはないと思ってたけれど、美容師・後藤淳子さんの回答は、意外なものでした。思ってたんと違う……。
「髪を結ぶとハゲる」はウソ? ホント?
後藤さん:同じ髪の毛の結び方を続けていると、ハゲる可能性があります。
個人差はありますが、毎日6〜8時間以上続けてキツく引っ張るように結ぶと、薄毛のリスクが高まるでしょう。
髪を結ぶと、頭皮と髪が引っ張られてしまいます。毎日結ぶことで、長時間頭皮と髪に負荷がかかり、薄毛の原因となることがあります。
髪の毛が引っ張られて起きる脱毛を「牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)」と言います。
薄毛が気になる人は、「2~3時間おきに髪の結び目を緩める・結び方を変える」「毎日強く引っ張る結び方は控える」ことをおすすめします。
髪を結んだとき「頭皮が見える」のは普通ですか?
後藤さん:髪を結んだ時にある程度頭皮が見えるのは、普通のことです。
しかし、以前より頭皮が透けて見える場合、薄毛のサインかもしれません。頭皮や髪のダメージをいたわって、健康的な毛髪環境を目指しましょう。
【衝撃】薄毛の境界線が変更に。おでこに指4本収まれば“薄毛”に認定!?
美容師伝授! 頭皮に負担をかけない結び方
後藤さん:頭皮や髪のことを考えて、できるだけ負担のかからない結び方にしましょう。
「下の方で結ぶ」「ゆるく結ぶ」といったヘアスタイルがおすすめです。
結び方1 下の方で結ぶ
下の方で髪を結ぶと、髪の重さが頭皮にかかりづらく負担が少ないです。
・髪全体をゆるく巻いてから結ぶ
・きっちり結ぶのではなく、後れ毛を出してゆるく結ぶ
このように結ぶと、こなれ感が出ておしゃれな印象に近づけるでしょう。
結び方2 ゆるく結ぶ
ぎゅっと強く髪の毛を引っ張って結ぶと、頭皮や髪に負担がかかります。そのため、髪を結ぶときはゆるく結ぶと良いでしょう。
結び目に力が入りにくいシュシュやバレッタなどを使うと、さらに負担が軽くなるでしょう。
なお、負担がかかりにくいヘアスタイルとはいえ、長時間結びっぱなしはおすすめしません。3~4時間おきに1度ほどいて、しばらく結ばない時間を作りましょう。
負担をかけやすい結び方はポニーテール!?
後藤さん:頭皮や髪の負担になりやすい結び方は、ポニーテールです。頭の高い位置で髪をしっかり結ぶと、髪の毛とおでこの生え際に負担がかかります。
どうしてもポニーテールをしたいときは?
ポニーテールをした次の日は、下の方でゆるく結ぶなど変化をつけると良いでしょう。そうすることで、同じ箇所に負担をかけないですみます。
「エクステ」も負担になるのでおすすめしません!
簡単に長い髪の毛になれるエクステですが、頭皮や髪の負担になります。薄毛や抜け毛が心配な方には、あまりおすすめできません。
どうしてもエクステをつけたい場合は、毎日頭皮を丁寧に洗って、汚れをためないよう心がけてください。頭皮の汚れは、薄毛・抜け毛の原因になります。
薄毛が気になる「生え際」や「分け目」はメイクでカバー
後藤さん:生え際や分け目が気になる方は、メイクでカバーするのもおすすめです。
メイクをするメリットとして、「手軽にカバーできる」「生え際に使用することでシェーディング作用を得られる」といったことが挙げられます。
日常生活で意識したい、薄毛ケア&予防方法
後藤さん:薄毛をケア&予防する方法として、日常生活の中で3つ、実践できることがあります。
方法1 シャンプーを見直す
頭皮や髪の毛をいたわりながら洗える、次のようなシャンプーの使用を検討してみてください。
・アミノ酸系シャンプー
・保湿成分入りのシャンプー
・スカルプシャンプー
値段が安いシャンプーは、汚れを落とすことだけに特化していて、頭皮や髪に刺激を与えてしまうことが多いです。薄毛や抜け毛を予防するために、まずはシャンプーの見直しから行ってみましょう。
▼それぞれのシャンプーの特徴
アミノ酸系…マイルドな洗浄力で、負担をかけにくい。
保湿成分入り…ツヤや潤いを与え、パサつきやダメージを抑える。コラーゲン・ヒアルロン酸などの保湿成分がおすすめ。
スカルプシャンプー…洗浄により皮脂詰まりを取り除き、潤いを保つ。
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方法2 育毛剤や発毛剤を使う
育毛剤や発毛剤は、頭皮に栄養を与え、頭皮や髪を健やかに保つ作用があると考えられます。薄毛が気になる方は、毎日の使用がおすすめです。
▼育毛剤や発毛剤におすすめの成分
センブリエキス…血行を促進して、発毛をサポートする
パントテニルエチルエーテル…頭皮の状態を整え、発毛をサポートする
アデノシン…細胞を作るエネルギーになる成分、頭皮の状態を整え、発毛をサポートする
■育毛剤や発毛剤の使い方
1、入浴して頭皮や髪を清潔な状態にする
2、ドライヤーで髪を乾かす
3、育毛剤や発毛剤を適量、頭皮に振りかける
4、頭皮をマッサージしながら馴染ませていく
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方法3 生活習慣を見直す
薄毛を予防するために、次のことも心がけてください。
・髪を結んだまま寝ない
・髪は夜のうちに洗ってから寝る
・1日6~7時間は寝る
髪を結んだまま寝ると、長時間頭皮と髪に負担をかけてしまいます。
また、睡眠は「細胞が生まれ変わる」のに重要な時間です。頭皮や髪の毛を気にしている場合は、毎日十分な睡眠時間が確保できるようにしましょう。
病院でAGA治療もひとつの選択肢
後藤さん:いろいろやってみたけど「薄毛が気になる」「抜け毛が多い」「髪にハリがなく、スタイリングがうまくできない」など、髪の毛に悩む人は、病院でのAGA治療を検討してみるのもいいでしょう。
AGAの治療方法には、「飲み薬」「塗り薬」「発毛注射」などがあります。AGA治療は、保険適用外の自由診療です。そのため、治療内容や費用は医療機関によって異なります。
▼AGA治療の目安表
<料金相場>
・飲み薬:1ヶ月3,000〜7,000円程度
・塗り薬:1ヶ月7,000円程度
・発毛注射:1回50,000円程度
<通院回数>
どの治療方法も月1回程度
<治療期間>
1年程度(経過観察のため)
<副作用>
・ミノキシジル*を使用した治療の場合、肝機能障害・かゆみ・かぶれ・動悸・性欲減退・勃起不全などが起こるリスクがあります。
・AGAメソセラピーという発毛注射を行った場合、頭皮の腫れ・赤み・内出血などが起こる可能性があります。
*ミノキシジル…血管拡張薬としてつくられた成分。
▼参考
Kao 髪の構造
日本皮膚科学会ガイドライン 男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
LUSH(ラッシュ)の「現実頭皮」レポ!頭皮の臭いが皆無に・髪がサラサラにの口コミは正しかった
監修・執筆者プロフィール
美容師 後藤淳子
<Edit:編集部>
※本記事は、mocobe(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。