ジェネリック医薬品もすっかり定着しましたが、未だに気になる「ジェネリック医薬品って、大丈夫なの?」「効かない気がする」というウワサや疑問も。薬剤師の石上 和子さんがお答えします。
ジェネリック医薬品は効かないことがある?
石上さん:ジェネリック医薬品とは、先に発売された医薬品(先発医薬品)と同じの有効成分を同じ量含み、同じ経路から投与する医薬品です。「後発医薬品」とも呼ばれています。
臨床効果や作用は先発医薬品と同様で、研究開発のコストが抑えられた分、リーズナブルになっています。また、製剤の工夫が施され、先発医薬品よりも飲みやすい、使いやすいジェネリック医薬品もあります。
先発医薬品とジェネリック医薬品は主成分が全く同じですから、同じ飲み方ならば「効果が出ない」ということはありません。
ただし、プラセボ効果(※)のような心理的要因によって効かないと感じることがあります。
(※)プラセボ効果とは…
本物の薬と信じ込ませ似せた薬(乳糖など)を服用することで、効果が感じられるというものです。ただのラムネ菓子を「腹痛がなおる薬だよ」と渡された場合、それを飲んで「腹痛に効いた」と感じるケースもあります。
このような思い込みで「ジェネリック医薬品はリーズナブルだから効果がないかもしれない」と考えて服用した場合に、本来想定されている効果が感じにくいという可能性があります。
次:ジェネリック医薬品で考えられるデメリットとは
ジェネリック医薬品で考えられるデメリットとは
石上さん:先発医薬品から変更した場合、添加物の違いによって、稀にアレルギー反応が出る人もいます。
ただし、この副作用は先発医薬品でも同様に起こりうることであるため、ジェネリック医薬品のせいとは言えません。
また、先発医薬品を飲み続けてきた人にとっては、「薬の見た目や味が変わった」という点に不安を感じる場合もあります。
ジェネリックだと副作用が心配?
石上さん:先発医薬品とジェネリック医薬品は、どちらも同じように安全性が確かめられ、国が医薬品として認めたものです。
ジェネリック医薬品に切り替えたら副作用に悩まされるのでは?と副作用について心配な声も多数あります。
しかし、いずれも主成分は同じなので、副作用が出る場合はジェネリック医薬品であることが原因ではありません。
なお、ジェネリック医薬品の添加物は各製薬会社で微妙に異なっていますが、添加物は薬の効果には関係ありません。
万が一、副作用と思われる症状が現れた場合や、薬の効果以外に気になる症状があれば、処方を受けた医師や薬剤師に相談してみましょう。
監修者プロフィール
薬剤師・石上 和子さん
静岡薬科大学出身、現在、管理薬剤師として関東の薬局で活躍中。
<Edit:編集部>