【写真】松坂桃李、窪塚愛流、蒔田彩珠が仲良くソファーに寄り添う「御上先生」オフショット
3月25日に最終回を迎えた日曜劇場「御上先生」に出演した俳優の蒔田彩珠が、芥川賞作家・村田沙耶香ベストセラー小説「消滅世界」の映画化(2025年秋、劇場公開予定)で主演を務めることが発表。また、場面写真や、蒔田彩珠と監督の川村誠氏のコメントも公開された。
恋愛・結婚・家族のすべての常識が逆転…現代人の価値観揺さぶる衝撃作
本作品の原作「消滅世界」は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作「コンビニ人間」直前の2015年12月に刊行された長編小説。超少子化の先-“性”が消えゆく世界で激動する『恋愛』『結婚』『家族』のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、“常識”という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品。
「日本の未来を予言する小説」と各メディアで大きな話題となった圧倒的衝撃作を、MTV出身、Radiohead、OASISなど国内外様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村氏が脚本とともに映像化に挑む。川村氏にとって長編映画の監督デビュー作となる本作では、独自の世界観を築いてきた映画的・音楽的感性を存分に活かして、繊細かつ耽美な異世界観を追求する。
“村田ワールド全開の最高傑作”と呼び声の高いベストセラー小説を、様々なジャンルの映像を手掛け着実にキャリアを積み上げてきた川村氏が類まれな映像センスとオリジナリティ溢れる演出で制作される映画となっている。
蒔田彩珠が圧倒的衝撃作の実写化に挑む
本作の主人公・雨音役に蒔田彩珠の出演が決定。蒔田は、ドラマ「ゴーイングマイホーム」(2012)をきっかけに、映画「三度目の殺人」(2017)、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品「万引き家族」(2018)など是枝裕和作品の常連。
河瀨直美監督の「朝が来る」(2020)では中学生で母となった難役も熱演し、『第44回日本アカデミー賞』新人俳優賞受賞、『2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式』助演女優賞、『第45回報知映画賞』助演女優賞を受賞など数々の賞を獲得した実績を持つ。
さらに、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)や、日曜劇場「御上先生」(2025)に出演すると「振り幅がすごい」「神演技」などとSNSで話題になった。数々の名監督から熱視線を浴び、その確かな実力で業界の注目を集める俳優が、刺激的なテーマを内包した圧倒的衝撃作の実写化に挑む。
川村監督「蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていた」
主演の蒔田と、監督を務める川村氏のコメントが公開。その中で川村氏は蒔田の起用理由を「兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていた」と明かした。また、蒔田は「今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」などとコメントし、期待を寄せた。
さらに、主演発表にあわせて本作の場面写真も初解禁された。公開された画像には、主演の蒔田が灰色の無機質な空間の中でシンプルな衣装に身を包んだ蒔田が膝を抱える姿が写され、蒔田の遠く何か見つめているようなアンニュイな横顔が印象的な画像となっている。
主人公・雨音役 蒔田彩珠コメント
この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました。
今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です。
監督 川村誠氏コメント
観る者が彼女から目を離せなくなる、シーンを支配してしまうような引力―兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていました。等身大の二十代女性の自然体の中に、全ての村田作品の主人公から受け取れる「自らに刃を向けるような内省」を体現できる俳優。探し求めていたのはこの方だと、初対面で直感しました。現場に入り、物語を深いところで理解しながら感じたままに演じるその姿からは、一種の”憑依力”のようなものを感じました。
確かに雨音はそこに存在しました。主人公のこの表情、この感情を描くために映画を撮ったのだ、と思える瞬間が幾度となく訪れました。非常に難しいこの役柄に挑んでくださった事に心から感謝しています。撮影現場で自分が目の前で感じた「演技で心揺さぶられる感覚」―その衝撃と感動を、スクリーンで味わって頂ける日が今から待ち遠しいです。
映画「消滅世界」あらすじ
人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。