2年半前にニューヨークで始まったグローバルファッションイベント「VOGUE WORLD」(ヴォーグ・ワールド)。マンハッタンのダウンタウンをジャックした一夜限りのショーでは、誌面でお馴染みのトップモデルたちによるパワフルなウォーキングをはじめ、ハワード大学のダンサーやリル・ナズ・Xのライブパフォーマンスが大きな反響を呼んだ。翌2023年、ロンドンの歴史あるシアター・ロイヤル・ドゥルリー・レーンへと舞台を移したこのイベントは、90年代を代表するスーパーモデルたちの競演や宇多田ヒカルが参加したことでも話題に。昨年6月はパリのヴァンドーム広場でファッションとスポーツを融合させ、モデルにダンサーにアスリートといった多彩なキャストを中心に、683にも及ぶファッションルックを壮大なスケールで届けた。
そして2025年10月26日(現地時間)、「VOGUE WORLD」の開催地は再びアメリカへ。第4回は陽光降り注ぐロサンゼルスのハリウッドで映画史上最も重要な人物たちを迎え、映画とファッションの関係を称える、魅惑的なパフォーマンスの数々を繰り広げる。
発足以来、開催都市のファッションコミュニティを盛り上げ、これまでに舞台芸術団体や若手アスリートを支援する人道支援団体に300万ドル以上の資金提供をしてきた「VOGUE WORLD」。2025年はチケット収益の全額がエンタテインメント・コミュニティ・ファンド(E.C.F)に寄付され、衣裳デザイナー組合とE.C.Fとともに、今年1月に発生したロスの山火事で特に影響を受けたコスチューム制作に携わる人の支援に努める。
ファッションの枠を飛び出し、ますますパワーアップする「VOGUE WORLD」。開催に向けて知っておきたい基本情報をまとめた。
ヴォーグ・ワールド(VOGUE WORLD)2025の開催日は?
2025年10月26日(現地時間)。
ヴォーグ・ワールド(VOGUE WORLD)2025の開催場所は?
ファッションと映画を称える今年は、ハリウッドにある100年以上の歴史を誇る映画スタジオ、パラマウント・ピクチャーズ・スタジオで開催される。アメリカの映画スタジオの中で唯一、現在もロサンゼルス市内に本社を置くスタジオで、『サンセット大通り』(1950)、『サイコ』(1960)、『ティファニーで朝食を』(1961)、『インディ・ジョーンズ』作品をはじめとする名作が撮影された。
過去3回のヴォーグ・ワールド(VOGUE WORLD)と2025年版はどう違う?
「『VOGUE WORLD』2025は、多くのモデルと俳優をキャストに迎え、映画の素晴らしい衣裳とファッション界の輝かしいコレクションを同時に披露する、一夜限りのショーとなります」と、今月開催された記者会見でコンデナストのチーフ・コンテンツ・オフィサー兼グローバル・エディトリアル・ディレクターのアナ・ウィンターは述べた。「各国の都市を舞台にファッションとアーツとカルチャーを融合させ、現地の団体やコミュニティのために支援金を募ることで、『VOGUE WORLD』は社会に行動を呼びかけるランウェイショーになりました。世界中の人々の注目を集め、興味関心を喚起し、クリエイティビティと希望に満ちたポジティブなメッセージを響かせる手段となったのです」
ヴォーグ・ワールド(VOGUE WORLD)2025の制作チームは?
今年の「VOGUE WORLD」では『シザーハンズ』(1990)、『マリー・アントワネット』(2006)、『ブラックパンサー』(2018)、『ムーラン・ルージュ』(2001)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)、『恋におちたシェイクスピア』(1998)、『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でそれぞれ知られるコリーン・アトウッド、ミレーナ・カノネロ、ルース・E・カーター、キャサリン・マーティン、アリアンヌ・フィリップス、サンディ・パウエル、ジャクリーン・ウェスト、シャーリー・クラタなど、ハリウッドで名を馳せる衣裳デザイナーが手がけたピースが披露される。
クリエイティブ・ディレクターはフアン・コスタ・パズが務め、ファッションとスタイリングはアレックス・ハリントンが、メイクアップは今年もパット・マクグラスが担当。ウィンター、US版『VOGUE』グローバル・エディトリアル・ディレクターのマーク・グイドゥッチと、US版『VOGUE』ウエストコースト・エディターのリサ・ラブがイベント全体を統括する。
ヴォーグ・ワールド(VOGUE WORLD)2025の協力団体は?
チケット収益の全額は、俳優やクリエイティブといった映画業界に従事する人々を支援するエンタテインメント・コミュニティ・ファンドに寄付される。衣裳制作に携わる人、特にロスの山火事で影響を受けた人たちの支援に重点を置く。パラマウント・ピクチャーズもまた、E.C.Fへの寄付を宣言。カリフォルニア大学ロサンゼルス校演劇/映画/テレビ学部のコスチュームデザイン・プログラムを履修中・履修予定の学生もイベントの制作に携わる。
Adaptation: Motoko Fujita, Anzu Kawano
From VOGUE.COM
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