すき焼きをするなら、やっぱり"それなり"の値段の牛肉じゃないとなぁ、なんて思いますが…。NHK『あさイチ』では、老舗すき焼き店「今半」の調理長が、「安い牛肉を極上のお肉に変身させる」という、夢のような裏技を紹介していました。その方法とは、牛肉と舞茸を交互に重ね、塩糖水で90分漬け込むというもの。"あの"今半さん直伝の裏技なら、間違いないでしょ♪ということで、試してみることに。
「今半」調理長直伝「安い牛肉を極上肉にする方法」とは?
2024年12月18日放送の『あさイチ』では、老舗すき焼き店「今半」の福田ニ志雄調理長が「安い牛肉を極上肉にする方法」を紹介していました。
やり方は、牛肉と舞茸を交互に重ね、塩と砂糖、酒を混ぜた“塩糖水“で90分漬け込むだけ。
舞茸の酵素の力で、たんぱく質を分解してくれるそうです。塩糖水の効果については紹介していなかったので、調べてみると…。
塩が肉に浸透すると肉の繊維がほぐれ、水分を蓄えることが出来るようになるそうです。砂糖は、砂糖の分子と肉のたんぱく質の分子が結合し、加熱による縮みや凝固を抑制してくれます。さらに、砂糖は保水性が高いので、肉の中で水分をしっかり保つことが出来るとのこと。これらの塩と砂糖のW効果で、硬いお肉をやわらかく出来るみたいです。
では、実際にやってみましょう。
「安い牛肉を極上肉にする方法」を試してみた!
【材料】2人分
牛肉…適量
舞茸…適量
◆塩糖水
砂糖…大さじ2
塩…小さじ2
酒…大さじ1/2
水…200ml
この方法は硬い肉に効果的で、普通に硬さを感じない程度のお肉をよりやわらかくしようと行うと、ホロホロに崩れてしまうこともあるようです。今回は、近所のスーパーで購入した格安の牛肉を用意しました。ちなみに切り落とし肉で、部位はバラ肉と肩ロースです。
【やり方】
1. 牛肉と舞茸を交互に重ねます。
牛肉のパックをそのまま使うと、洗い物が増えなくて◎。舞茸の量は言っていなかったので、1袋全部使いました。
2. 塩糖水(砂糖、塩、酒、水)を1に注いで、90分おけば完了。
“ひと手間“ではあるものの、そこまで負担を感じる作業ではありません。
90分経った牛肉はこんな感じ。
漬け込む前に比べ、肉が水分を含んでふっくらしたように見えます。
菜箸でお肉を掴んでみると、その感触のやわらかさにびっくり。漬け込む前の牛肉はギュッと硬かった印象ですが、これは、繊維がほぐれているようで、ふにゃっとしています。
では、2枚ほどフライパンで焼いて食べてみましょう。
やわらかっ♪しっとりやわらかい食感です。
極上牛肉とまではいきませんが、普通においしく食べられるレベル。すごいかも。同じ肉を食べたことがあるのですが、そのときの硬さとは、段違いです。
塩糖水に漬け込んだお肉をただ焼いただけですが、塩味と甘味がお肉にしっかりついているので、ここにしょうゆをかけるだけで、すき焼き味になりそう。
牛肉の臭みはゼロではなく、多少はあります。ですが、気になるレベルではありません。
食べながら、漬け込む前の肉を少し残しておいて食べ比べればよかった…と気づきましたが、時すでに遅し(笑)。すみません。
番組では、安い牛肉を使ったすき焼きの作り方も紹介していたので、このやわらかくした牛肉で作ってみることに。
安い牛肉を使ってすき焼きを作ってみた!
安い牛肉を使う場合は、割り下は甘めにするのがポイントとのこと。いつもの2割ほど砂糖を多めにするといいそうです。番組で紹介していた割り下の分量は、砂糖100g、みりん1と1/2カップ、しょうゆ1カップでした。この分量では多いので、今回は1/4の量で作ることに。
焼くときは、牛脂を引いて、まず、長ねぎを香ばしく焼きます。脂に長ねぎの香ばしさを移しておくことで、肉の臭みが抑えられるそうです。
続いて、牛肉を焼き、片面が焼けたら裏返して割り下を入れ、お好みの具を入れて出来上がり。
今回、割り下は大さじ3ほど使用しました。また、お肉をやわらかくするときに使った舞茸を具として入れることに。
では、いただきます!
割り下、甘っ。
かなり甘い割り下です。塩糖水に漬け込んだ牛肉には塩味と甘味がしっかりついているので、個人的には、割り下は甘めにしなくても、普通で十分かなと思います。
ただ、先ほどのただ焼いただけの牛肉には少し臭みを感じましたが、これには臭みを感じません。長ねぎの香ばしさを牛肉がほんのりまとっていて、美味。
さらに、長ねぎと牛肉を一緒に食べると、長ねぎの甘味と香ばしさがプラスされ、たまらないおいしさ。やっぱり長ねぎは、すき焼きに欠かせませんね。
ごぼうのささがきを入れたり、割り下が煮詰まってきたらほうじ茶を加えても、肉の臭みを抑える効果があるそうです。
…ということで、今回、NHK『あさイチ』で紹介していた「今半」調理長直伝の「安い牛肉を極上肉にする方法」を試しました。硬い牛肉がやわらかくなり、臭みも軽減されるので、硬い牛肉を買ってしまったときの救済策として使えるかなと思います。
また、塩糖水に漬け込むと、塩味と甘味が肉の下味として、けっこうしっかりめにつきます。そのため、料理に使うときの味付けは、少し加減した方がいいかなと思います。ご参考までに。