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「もがいているように見られていた」内海太一を変えた“新テニミュ”への思いや舞台「鬼滅の刃」への出演について語る

  • 2025.3.26
舞台「鬼滅の刃」に不死川玄弥役で出演する内海太一に話を聞いた 撮影=小山志麻

【写真】チェスの駒を手に笑顔を見せる内海太一

名古屋を拠点として活動する男性アイドルグループ「BOYS AND MEN」(ボイメン)の弟グループ「カラフルダイヤモンド」に所属している内海太一。アイドルとして活躍する一方で、4月11日(金)に開幕する『舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里』に不死川玄弥(しなずがわ・げんや)役で出演するなど、俳優としても頭角を現している。そんなアイドルと俳優の両立で多忙な日々を送る内海に、芸能界へ入ったいきさつや俳優業への思いについてなど広く語ってもらった。

「ここでやめたら負け」精神で過ごしたボイメン研究生時代

――芸能界に入ったきっかけを教えてください。

中学生のとき、バスケ部の監督の指示でメガネからコンタクトに変えたことがきっかけでした。コンタクトをした姿を見た母が、「あんた、芸能界いけるんちゃう?いけそうやで!」と言い出して、そのまま勝手に事務所へ履歴書を送っていました(笑)。よくある「家族が勝手に応募した」パターンですが、「いやいや、おかん毎日顔見てるのに、今更気付いたん?」って感じでしたね(笑)。

――高校生からは「ボイメン研究生」として活動されていましたが、どんないきさつがあったんでしょうか?

スポーツ用品店にたまたま貼ってあった、研究生募集のポスターを見かけたことがきっかけです。軽い気持ちで応募してみたら、そこでもご縁があって。毎週末に選抜メンバーが名古屋に集まってライブをするんですが、次週も呼ばれるかは分からないので、選抜されたメンバーは次週も呼ばれるように全力を出す、という感じで、活動にはすごく緊張感がありました。闘争心にも火が付きましたね。

――研究生時代を改めて振り返ってみて、いかがですか?

つらいと感じることも多かったなと思います。ただそれでも頑張れたのは、自分で「やる」と決めたからだと思いますね。やると決めたら絶対やる、一回決めたことは曲げたくないという性格で、「ここでやめたら負けやな」という精神で続けていました。その最後までやり通す精神は、活動していく中で学んでいったことの一つだと思います。

内海太一 撮影=小山志麻

2.5次元ミュージカルの魅力を知って本格的に俳優の道へ

――ドラマや舞台にも出演し、現在は俳優としても活動されています。

俳優としての活動は、オファーを頂いて、名古屋の舞台でアンサンブルをやらせていただいたのが最初です。本格的に目指すきっかけとなったのは、僕自身がファンとして2.5次元ミュージカルにハマったことですね。知人に勧められて『あんステ』を見て「格好良い!」と衝撃を受けて(笑)。それから他の作品も見ていくうちに、「いつか自分もこんな舞台に立てたらいいな」という思いを持つようになりました。

それまでは、目の前にあるものをとにかくがむしゃらにやるというタイプだったんですが、俳優は自分の中で明確にできた「やりたいこと」です。

――俳優として活動するようになって、どんなことを感じていますか?

率直に、芝居が好きだなと感じます!2.5次元舞台は特に、大好きなキャラの世界を感じたり、キャラの人生を歩んだりできるのが魅力的です。人生は一回きりですけど、芝居をしてる瞬間はいろんな人の人生を生きることができて、違う人生を見ることができるのがとても面白いです!

ただ、失敗や成功が自分自身にそのまま返ってくるアイドル活動と違って、僕の行動が演じている役柄やお話にも影響する分、責任はより重く感じます。動き方一つ一つがキャラのイメージを作るので、そのキャラのことをしっかり理解できるよう日常から掘り下げるんです。僕はその作業がめちゃくちゃ好きで、頭を洗う時はどんなふうに洗うかなとか、ゴミを捨てる時はゴミ箱に投げるかな、それともていねいに捨てるのかなとか、もはや妄想の域です(笑)。

でも、そうやってキャラのことを考えていくうちに、もっとそのキャラのことが好きになって、どんどん自分自身にしみこんでいくような感じがします。

内海太一 撮影=小山志麻

ターイングポイントとなった“新テニミュ”

――俳優活動をする中で、ターニングポイントだと思うようなことがあれば教えてください。

ミュージカル『新テニスの王子様』への出演ですね。僕が所属しているカラフルダイヤモンドのメンバーにはいろんなオーディションの案内が来るんですが、多分僕が一番受けていて、そして一番落ちています(苦笑)。なかなか受からなくて苦戦していたときに、ようやく受かったのが“新テニミュ”でした。そこで初めて2.5次元ミュージカルに出て、諸先輩方に揉まれて、「舞台って面白い!」と思いました。“新テニミュ”をきっかけに、芝居がもっと好きになって、もっと2.5次元作品に出たい!と強く思うようになりました。

――“新テニミュ”が2.5次元ミュージカルへの思いをさらに強くしてくれたんですね。では、影響を受けた俳優さんなどはいますか?

身近な人物だと、同じカラフルダイヤモンドの小辻庵ですね。彼の方が先にミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンに出演していたんですが、僕がオーディションに落ちまくる中、彼はすっと受かって(笑)。正直めっちゃ悔しくて、自分に足りないものは何かを研究して、2年くらいもがき続けました。それでようやく僕も出演が決まって。見に来てくれた小辻に「格好良かったよ」と言ってもらえたときは、本当にうれしかったです!

――当時、どんなところが足りないと感じていたんですか?

技術面だと歌ですね。自分の癖を直したり、曲調に合わせて歌ったりする技術が足りていませんでした。あとはビジュアルももちろん大切で、僕はまだ努力が足りないと思っていたので、意識して肌のケアやマッサージとかもしてました。

それから、アニメキャラクターの研究もしていました。僕はアニメが好きなので、アニメを見ながら身長が近いキャラや顔の系統が同じキャラを探したり、自分ならこう演じる、と考えたりしていました。昔は「面白いなー」という気持ちだけで見てたんですが、今は自分が演じられそうなキャラを探しながら見るので、アニメの見方がすごく変わりました!『テニスの王子様』は全員の身長をリストアップして、自分が演じられそうな範囲を調べたので、ほぼ全員の身長を言えると思います(笑)。

――“新テニミュ”ではカラフルダイヤモンドメンバーの古川流唯さんとも共演されましたが、普段からお芝居の話はされますか?

共演してからするようになりました!稽古から帰ってきて、お互いに「今日の俺どうだった?」って一緒に振り返っていました。それに、芝居以外の面でも影響を受けました。僕は人と仲良くなるのに時間がかかるんですが、流唯くんはまさにコミュニケーションお化けで、どんどんカンパニーの人と仲良くなっていってて(笑)。「やばい!置いていかれる!」という気持ちで僕も頑張れたので、仲間と共演することができて本当によかったです!

――当時と今で自分の成長を感じたり、変わったと思ったりするところはありますか?

“新テニミュ”は、正直最初は自信がなかったんです。僕は何年もオーディションを落ち続けているけど、周りは経験豊富なメンバーばかりで…。でも、共演キャストの皆さんから「よかったよ」と言ってもらえたことで自信もついてきて、それ以降の舞台でも自信を持ってお芝居ができるようになりました!

それがあってか、周りの人から「雰囲気が変わった」と言われるようになりました。それまでは、なかなかやりたいことができず、じたばたもがいているように見えていたみたいなんです。でも、自信がついたことと「芝居をもっとやりたい」という気持ちが強まって、目標とする先が固まったことで変わることができたんだと思います。

――4月には舞台「鬼滅の刃」の上演も始まります。

“新テニミュ”の時は感情を人にぶつけるような演技があまりなかったのですが、玄弥くんはめちゃめちゃ感情的なので、大きく違うなと感じるところです。でも、玄弥くんはすごく真っすぐな性格で、目的のために常に進もうともがき続けるキャラクターなので、僕自身がオーディションに挑戦し続けていた時と重なって、共感できるところも多いですね。

内海太一 撮影=小山志麻

休日はアニメを一気見することも

――今は稽古などで忙しいかと思いますが、お休みの日はどんなことをしていますか?

予定が合えば舞台やライブを見に行ってますね。SixTONESさんやなにわ男子さん、最近はtimeleszさんのライブも行きました!

家では劇場で見られなかった2.5次元作品の配信や、アニメを見ることが多いです!一気見したいタイプなので、集中して1日で2クール分くらい見てしまうこともありますね。特に好きな作品は「ガンダム」で、なかでも「ガンダムSEED」が一番好きです!初代も好きで、ランバ・ラルみたいな渋い大人に憧れています(笑)。

――では、俳優として目指していきたい姿についても教えてください。

一言で言えば、ひっぱりだこな存在になりたいですね。有名な作品の舞台化が発表された時に「内海太一がいい」と名前を挙げてもらえたり、役が決まったときに「内海なら大丈夫だ」と思ってもらえたりする役者になりたいです。

――理想をかなえるために意識していることはありますか?

まだまだ実力が足りないなと感じているので、いろんな人の演技を見て、そして共演する中でも吸収して、自分のものにしようとしています。引き出しがまだ多くないので、引き出しを増やしながら、僕なりの「ブランド」みたいなものを作っていきたいなと思います!

内海太一 撮影=小山志麻

◆取材・文=新藤まつり/ヘア&メーク=田中宏昌/スタイリング=北村梓(Office Shimarl)

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