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「寝ても寝ても眠い」のはストレス限界のサインかも!医師が教える対処法

  • 2025.3.26

寝ても寝ても眠い。その原因はストレスかもしれません。心の不調で起こる日中の眠気について、心療内科BESLI CLINICの田中奏多先生監修のもと見ていきます。

「寝ても寝ても眠い」のは体からの“ストレス限界”サインかも

田中先生:極度のストレスが原因で、「寝ても寝ても眠い」レベルの異常な眠気を感じることもあります。

ストレスは自律神経を乱して、交感神経を強く働かせてしまいます。脳や体が興奮状態になると睡眠の質が悪くなるため、日中の眠気を引き起こしやすいです。

過度のストレスを受けると、脳の「大脳新皮質」などの働きが低下します。運動や知覚機能、自律神経、内分泌など全ての中枢は脳です。

そのため、ストレスで脳の働きが悪くなると体の制御が難しくなります。

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また、「うつ病」が睡眠の質が悪くさせ、日中の眠気を引き起こすこともあります。

これは、自然な眠りを誘う作用がある「メラトニン」や、脳を覚醒させる作用がある「セロトニン」の分泌障害によるものだと考えられています。

ストレスが「うつ病」につながるしくみ

田中先生:脳や体へのストレス過多の状態が続くと、脳が正常に働かなくなり、気持ちが落ち込みやすくなります。その結果、体内のホルモン動態が影響を受けて「うつ病」の発症につながります。

こんな症状出ていませんか? ストレスが限界の症状例

田中先生:ストレスが過多になると、「心の症状」や「身体的な症状」がでることがあります。

「心の症状」の例

気分が落ち込む
不安感が強くなる
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
緊張状態が続く
物事を「楽しい」と思えなくなる

「体の症状」の例

肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
のぼせ・冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠

次:医師が考える“異常な眠気”の対処法

医師が考える“異常な眠気”の対処法

田中先生:「異常な眠気」を感じていても、どうしても起きていなければいけない場合、仮眠をとる・カフェインを摂取する・窓を開けて日を浴びるなどを試してみましょう。

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真面目な人ほど注意して! こんな悪循環に陥っていませんか?

田中先生:生真面目な人ほど、昼間の眠気を感じることを「怠けている」と考え、起き上がれない自分に対してストレスをさらに感じるという悪循環に陥る傾向があります。

「仕事・学校にも行けないで寝ているのは悪い」「夜にしっかり眠ったのに、昼間に動けないのは悪い」などと、ご自身に暗示をかけていませんか?

心身が疲れ切っているときには、お仕事や学校を休んでゆっくり体を休めましょう。起きられない状況が何日も続いて困っている場合は、同じ時間に起きることから始めるとよいでしょう。

なかなか改善しない場合は医療機関で相談してみてください。

次:根本的に“ストレス症状”を解決するには……

根本的に“ストレス症状”を解決するには……

田中先生:ストレスそのものを軽減するためには、以下の手順でセルフケアを行うとよいでしょう。

1.まず、休む

まずは、身体と心をゆっくり休めましょう。この期間はストレスに感じる物事から離れましょう。

体力が戻ってきたら、ストレスの原因を解消するために少しずつ行動をとってみるとよいでしょう。

2.次に、規則正しい生活をおくる

早寝をし、同じ時間に起きるようにしましょう。

日中にしっかり動くと夜眠れるので、日中に適度な運動をする習慣を付けましょう。眠る前の激しい運動は、逆に神経を高ぶらせてしまうので控えてください。

また、食事は定期的にバランスのよいものをとるようにして、胃腸を動かすとよいでしょう。

眠気が1週間以上続くときは、一度病院へ

田中先生:風邪や感染症などの症状はないのに、日中の眠気が1週間以上続いている・倦怠感や疲労感が取れないといった場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

上記の症状には、脳の働きや自律神経の異常が考えられます。心の病気、過眠症などの病気も疑われるため、早めに受診することをおすすめします。

「ストレスが原因の眠気」があるときは、心療内科での相談をおすすめします。

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参考 厚生労働省 うつ病

監修者プロフィール

田中 奏多先生

福島県立医科大学卒業。「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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