結婚式では、新郎が右側・新婦が左側という立ち位置が習慣となっています。この立ち位置の歴史や背景は、実は中世ヨーロッパの騎士文化にも深いつながりがあるのです。
この記事ではさまざまな形式の結婚式において、新郎新婦の立ち位置や、歴史的な背景などを紹介します。
結婚式の立ち位置が決まっている理由
特にキリスト教式の結婚式では、新郎が右側・新婦が左側に立つのが一般的です。西洋から始まったこの習慣は、日本にキリスト教式の結婚式が広まった際に、結婚式場によって定着しました。それでは、なぜこの立ち位置となっていったのか、歴史的な背景を踏まえつつ見ていきましょう。
中世ヨーロッパの騎士文化が由来
由来は、中世ヨーロッパの戦乱の時代に遡ります。男性は右手に剣、左手に盾を持ち、常に女性を守る立場にありました。現代になってもその名残として右手でグローブを持ち、左手で女性をエスコートする習慣が定着していったのです。剣の代わりにグローブを持つ意味としては、どんなときも相手を守るという意志と、魔除けの意味も込められています。
退場時の立ち位置は逆にできる?
キリスト教式の場合は、祭壇に向かって右側に新郎のゲスト、左側に新婦のゲストが座ることが一般的です。その場合、入場時はお互いが招待したゲスト側を歩けますが、退場時は逆になってしまいますよね。
退場時にそれぞれのゲスト側を歩きたいという希望があれば、ぜひ会場のプランナーに相談してみましょう。退場するふたりが楽しく笑顔でいることが一番大事なことです。
キリスト教式以外の場合は?
それでは、キリスト教式以外の結婚式の場合は、立ち位置が変わるのでしょうか。キリスト教式以外の立ち位置について見ていきましょう。
神前式の場合は新郎が上座に座る
神前式の場合は、神社社殿内の拝殿に入って、祈願が終わるまでは神様に向き合った状態で結婚の儀式を進めます。
諸説ありますが、神様から見て左側を新郎の席とするのが一般的となっています。日本の伝統を考えると左側が上座であり、家長を担うことが多かった男性が上座に座ることが一般的だったためです。キリスト教式とは理由が違っていますが、神様から見た立ち位置としては同じですね。
人前式の場合はどうなる?
人前式は宗教色のないセレモニーのため、決まったルールがなく、あくまで参列者へ誓いを立てる挙式スタイルとなっています。そのため、新郎新婦の立ち位置や参列者の座る位置なども、キリスト教式とは逆になるケースもあるでしょう。
ふたりの考えやスタイルを重視しよう
最近では人前式も一般的になっていて、幸せなふたりの立ち位置が逆になるケースも少なくありません。守るべきマナーや参列者への尊重を重視していれば、失礼にはならないでしょう。たとえば普段ふたりで歩くときのスタイルやお互いの考えによっては、逆にしてみてもいいかもしれません。会場のプランナーと話し合って、立ち位置にまつわるエピソードを参列者に披露してもいいですね。