きゅうりのキューちゃんと言えば、食べたことはなくても知っているという方は多い有名なお漬物ですよね。そのきゅうりのキューちゃんをなんと王道のフレンチ「白身魚のムニエル」に使うレシピを紹介しているのが、毎度おなじみ三國シェフのYouTubeです。なんとなく味の予想は付くものの、さっそく作ってみました!
三國シェフの「白身魚のムニエル(Poisson à la meunière)」の材料と作り方
【材料】※2人分
白身魚…2切れ(今回は鯛)
塩…適量
白こしょう…適量
小麦粉…適量
無塩バター…30g
玉ねぎのみじん切り…大さじ1
にんにく…1/2かけ
きゅうりのキューちゃん…スプーン2杯(汁ごと)
しょうゆ…少々
バターは10gずつ、3つに分けておきます。
にんにくはみじん切りにしておきます。
【作り方】※調理時間:15分
1. 白身魚に塩と白こしょうを振り、小麦粉をたっぷり全体にまぶします。
2. フライパンにバター10gを入れて中火で熱し、皮目を焼きます。
3. 皮目がカリッと焼けたら、裏返して焼きます。
4. 両面に焼き色がついたらバター10gを加え、弱火にして途中で裏返しながら中まで火を通します。火が通ったら器に盛りつけておきます。
5. フライパンに玉ねぎ、にんにく、バター10gを加え焦がさないように中火で炒めます。
6. しょうゆときゅうりのキューちゃんを汁ごと加えて炒めます。
7. 軽く火が通ったら、魚に添えて出来上がりです。
オリーブオイルを使わずに油はバターだけですので、焼いている間ずっとバターのいい香りが広がっていました。カリカリに焼けた皮と柔らかな身の鯛が口の中でほどけて、ほんの少しのにんにくの風味がいい感じにおいしさを足してくれていました。きゅうりのキューちゃんは刻んで入れるのかと思ったらそのままの大きさでした。でもこれが案外丁度よくて、少し酸味の効いたソース代わりになっているのには驚きでした。実はわたしはムニエルが大好きでよく作るのですが、漬物をピクルス代わりに使うことでこんなに味に幅ができるのだと知ることができました。このムニエル、おいしいです。
きゅうりのキューちゃんはその名の通りきゅうりのしょうゆ漬けで、販売開始から60年以上にもなる人気の漬物です。減塩ブームのせいなのか漬物も軒並み減塩の道をたどっていますが、キューちゃんも発売当初は10%だった塩分が今では3.8%になっています。それでも味はしっかりしているのですから、当時はかなり塩辛かったのかもしれません。今でも小売店舗では漬物樽から直接取り出して漬物を販売しているところもありますが、小分けの袋にして販売を始めたのもきゅうりのキューちゃんです。
主に魚などの食材に粉をつけてバターで焼く調理法をムニエルといいますが、粉をつけずに焼くポワレとよく間違えられます。フランスの粉屋の娘が料理中にうっかり粉の中に魚を落としてしまって、そのまま焼いたらおいしかったのでムニエル(粉屋の娘)という名で広まったというのが定説ですが、うっかりから生まれた調理法は案外たくさんありますので、わたしはこの説を信じています。粉をまぶすことで魚の旨味を逃がさないことと、バターのコクが加えられることで淡白な魚がおいしく食べられるというのはステキなことです。またこのレシピのようにソースのバリエーションを楽しむことができるのも、ムニエルのメリットだと思います。
おなじみきゅうりのキューちゃんでまさかのムニエルが味わえますので、ぜひ作ってみてください!