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武田梨奈、ワカコの魅力は「日々の出来事をちゃんと受け入れ、プラスに変えられる力を持っている」<ワカコ酒 Season8>

  • 2025.3.26
「ワカコ酒 Season8」で主演を務める武田梨奈にインタビュー 撮影=山田大輔

【写真】役への思いを語る武田梨奈

武田梨奈が主演を務める「ワカコ酒 Season8」(毎週水曜深夜0:00-0:30、BSテレ東ほか)が、3月26日(水)の放送で最終回を迎える。

同作は、新久千映の同名漫画を原作に「酒飲みの舌」を持って生まれた26歳のOL・村崎ワカコ(武田)が、さまざまな酒場をさすらい、“女ひとり酒”を堪能するシリーズの8作目。

このたび、WEBザテレビジョンでは主演を務める武田にインタビューを実施。作品と役の見どころや、撮影現場の雰囲気などを語ってもらった。

武田「撮影期間はワカコとして毎日を過ごしている感覚です」

――シリーズ8作目の放送が決まった時の心境を教えてください。

年々、SNSで「次のシーズンは、いつやるんですか?」というコメントをいただくことが増えてきていたので、早くみなさんに報告したいし、放送を見ていただきたいなという気持ちでいっぱいでした。

――シーズン1の放送から10年が経ちますが、10年ワカコを演じてきて最初の頃と何か演じ方が変わったりしましたか?

原作がある作品なので、最初は原作のワカコを意識しつつも、このドラマならではの生っぽさをしっかり出せたらいいなと思っていたので、試行錯誤しながら監督やスタッフのみなさんと作り上げていきました。でも、今はお互いを信頼しているので、監督が「こういう時、ワカコだったらどうする?」って委ねてくださいます。10年演じてきて、ワカコだったらこういうリアクションを取るだろうなと、自分の中でワカコとリンクができているので自信を持てるようになりました。

――武田さん自身がワカコに近くになってきているということですか?

そうですね!現場でもみなさんに「ワカコ!」って呼ばれますし、ロケをしていると「ワカちゃん!」と声かけてくださる方もいるので、撮影期間は本当に自分が武田梨奈としてというよりは、ワカコとして毎日を過ごしている感覚です。

武田「ワカコのポジティブな姿勢がすごく魅力」

――改めて、ワカコの魅力を教えてください。

ワカコは、日々の出来事を全てちゃんと受け入れながら、それをプラスに変えられる力を持っています。例えば、仕事で少しうまくいかなくて落ち込んで帰っても、今日はこんなにおいしいお酒が飲めたのだから明日からも頑張ろうと、反省をしながら受け入れ、切り替えられる。そのワカコのポジティブな姿勢にすごく魅力を感じていました。23歳で最初に演じていた時は、私もそういう人になりたいなと思っていましたが、今、ワカコの年齢を超えて、自分自身でもそう感じられるようになってきました。それはワカコの存在がすごく大きかったなって思っています。

――本当にだんだん似てきているんですね!

そう思うようになりました!最初は、「ワカコと武田さんって似ていますか?」と聞かれた時に、「いや、真逆です」と答えてきましたが、最近は「似ていると思います。似てきている気がします」と答えられるようになりました。

武田、私生活で感じるワカコの考え方を披露

――私生活でワカコの考え方だなと感じることはありますか?

今までは居酒屋さんに行って、好きなものを頼んで飲んで、「おいしかったな、明日も頑張ろう」と思っていましたが、それと同時に今は、食べながら「おいしい!これってどうやって作っているんだろう?」と、店主の方を見て、「こうやって手間暇をかけて作っているんだな。これをいただけるのは当たり前じゃないよな」と感じられるようになってきて、それはワカコの影響が大きいと思います。お店の雰囲気を見つつ、どんなお客さんがいるんだろうとか、店主はどんな顔をしてお酒を作っているんだろうとか、酒場で起きていることをすごく感じられるようになりました。ありがたみをより感じてお酒を飲めるようになりました。

武田、酒場での素敵な出会いを明かす

――武田さんは1人で飲み行かれたりしますか?

はい、よく行きます!今までお店選びはネットを調べて、おいしいご飯屋さんの評価や口コミを見たりしていました。でも、ワカコはお店選びをする時、直感でお店に入っているので、そういうところでの出会いって面白いなと思っていて。人もそうですが、お店もお酒もそうで。なので、最近は、私も地方や海外に行くと、 ふらっと歩いてたまたま見つけたお店に入り、その地元の方に地元の人が集っているお店を教えてくださいと言って、飛び入り参加型を意識しています。

――そういう場所で素敵な出会いがあったら教えてください。

2024年に1週間お休みをいただいて、海外へ一人旅に行きました。その1週間で4ヶ国を回りましたが、その時に泊まっていた宿近くのお店で、たまたま同い年の女性に出会いました。彼女が「一人で来ているの?」と声を掛けてくれ、「あの辺のお店は危ないから行っちゃダメだよ」と話しているうちに、同い年だと分かり、運命感じました!

武田「今回、初めて多国籍料理を食べました」

――今回のシーズン8の撮影で印象的だったお店を教えてください。

全部が印象的で、おいしかったんですが…。今回、ラオス料理屋さんとモンゴル料理屋さんで多国籍料理を食べています。私は海外にけっこう行っていますが、ラオス料理もモンゴ料理も初めてだったので、すごく新鮮で。自分が知らない世界ってまだまだたくさんあるなと思い、食べ物も飲み物も初体験で面白かったです。あと、今回は昭和の雰囲気の酒場にもいくつか行かせていただき、自分が生きてきた時代とは違う雰囲気の居酒屋だったのでそこも魅力的で。自分の両親世代の方たちがこうやって飲んできたんだろうなと想像しながら飲むのが楽しくて、そういった体験ができるのも酒場の魅力だなと思いました。

武田「オフィスのシーンもすごくこだわって撮っています」

――ワカコはオフィスでの会話に影響されてお店を選んだりするので、オフィスのシーンも見どころですよね。

そう言っていただけるのはすごく嬉しいです!オフィスのシーンもすごくこだわって撮っています。一人で飲みに行くワカコですが、その一人で飲むまでの過程には、誰かの一言や何かに影響され、導かれて、酒場に行っているところがあります。なので、オフィスのシーンって私の中でもすごく重要で、 (山田キヌヲを演じる) 先輩のみぃさんや(渡部瑞貴演じる)後輩のアベちゃんなどいろいろな人の「あそこに行ってさ~」というのを受けて、ワカコが訪れた時の最初のファーストリアクションも好きで、中盤に「実はあのお店に行ってきたんですよ」と報告するのもまた素敵で。ワカコが一人でそういうところにふらっと行けるのは、お友達や会社の仲間、家族がいて、気持ちを共有できる仲間がいるっていうのが大きいのかなと思います。

――お馴染みのメンバーでのオフィスの撮影はいかかですか?

心強いです!オフィスのシーンは、12話分を2日間で撮影していて、結構ぎゅっとしていますが、チームワークが素晴らしいんです。オフィスチームが集まると、台本以上の空気感がいっぱい生まれて、みなさんアドリブもポンポンポンポンって。それを誰一人戸惑うこともなく、その時の空気感で、それぞれのキャラクターでみんなが会話を成立させていて、ワカコはそれを聞いて受け身としてリアクションを取っているので、本当に面白いです!毎回、オフィスのシーンはみなさんのコミュニケーション能力とお芝居への向き合い方がすごくて刺激的です。なので、監督たちも、カットかける場所がもっと手前にあるところを、アドリブが面白いのでずっとカメラを回していることもありました。

武田「何も考えずにその場にいられるのはすごく貴重な場所」

――ワカコの行きつけのお店「逢楽」の撮影はいかかですか?

オフィスは仲間、「逢楽」は家族という感じで、オフィスとは違った安心感がありますが、オフィスシーンと同じようにチームワークがすごく固まっています。でも、何を話しているかと言われたら、本当にたわいもない会話をしていて…(笑)。「この間、あそこのご飯屋さん行ったらおいしくて、今度みんなで行こうよ」みたいな会話を常にしていて、本当にほっこりする時間をいつも過ごしています。

――たわいもない会話ができる場所はすごく大事ですよね。

変な意味ではなく、何も考えずにその場にいられるのはすごく貴重な場所だなと思います。現場にいるとどうしても緊張してしまったり、いろんなことを考えたりしてしまうことがありますが、「ワカコ酒」はアットホーム感が大きいので、すごく安心感はあります。ただ、安心感に甘えすぎても良くないと思っているので、10年やってきているからこそ、初心を忘れずにやろうっていう意識をみんなで持ってやっているので、そんな気持ちをこれからも長く持って、続けていけたらなと思っています。

武田、オンオフを切り替えについて語る

――武田さんがオンオフを切り替える時はどうしていますか?

10代、20代の頃は、オフの時間に仕事のことや、仕事がなかったらこの先の仕事や私ってどうなるんだろうと考えてしまい、オフになれる時間がほとんどなかったんです。でも、30代になって、やっと自分の中でオンオフが切り替えられるようになり、今、すごく生きやすいです。

――なにかきっかけがあったんですか?

この数年、自分自身で短期留学をするようになり、色々な世代で、さまざまな国籍の方々と授業を受ける経験が自分のマインドが変わるきっかけになりました。留学中、周りの人たちは自分がどういう人か、今はどんな気持ちか、オープンマインドでしっかり自分のことを話しているんですが、私は取り繕ってなかなか自分のことを話せずにいました。その時、先生やクラスメイトに「なんであなたの精神はそんなに武士道なの?」と言われ、そんなふうに見られているんだと思い、そこからは、少しずつ自分の思いを伝えられるようになり、すごく楽になりました。今は、留学以外にも海外の作品に携わらせていただき、お芝居や現場で、英語を勉強させていただき、コミュニケーションもとれて、今まで触れてこなかったものに触れている時間がオンオフの切り替えになっているなと実感しています。

――自分のことを伝え、初めての世界に触れることで、オンオフの切り替えができるようになったんですね。

そうですね!自分のことを知り、自分のことを話すことができたっていうのはすごく大きいです。私がこういう仕事していることをみんなは知らないのに、興味を持ってくれるのがうれしいですし、素でいられる場所です。

武田「この作品は肩肘張らずに見られるのがいいところ」

――タイトルにちなみ、武田さんご自身の生活の中で、こういう時にお酒を飲みたいということがあれば教えてください。

仕事で現場に入っている時は、どうしても気が張っているので、クランクアップした瞬間はもうとにかく次の日のことを考えずにお酒を楽しく飲みたいです。それが1番楽しい時間で、1番の至福です。

――最後に見どころを教えて下さい。

この作品は肩肘張らずに見られるのがいいところだなと思います。日々、みなさん、お仕事や学校など生活に追われて、何か考えなきゃいけないことがたくさんあると思います。でも、“おいしい”と感じる時は、たぶん、“おいしい”以外何も考えなくていい時間だと思うんです。なので、私はワカコを演じる時、何も考えず“おいしい”だけを感じながら過ごしていて、そういった日常の一つの時間をみなさんにもぜひ感じていただきたいなと思います。ぜひ、ワカコと一緒においしい時間を大切に、素敵な時間を共感していただけたら嬉しいなと思います。

撮影=山田大輔

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