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燻製の正しいやり方知ってる?キャンプで簡単にできる燻製のテクニックを紹介!

  • 2025.3.26

燻製ってどうやるの?

アウトドア好きなら、一度はしてみたいのが「スモーク」(燻製)ではないだろうか。
そこで、アウトドア上級者のカフェ店主・A-sukeさんがレクチャーしてくれた。

A-sukeさん

A-sukeさん
東京・水道橋のカフェ「BASECAMP」のオーナー。
豊富なアウトドア経験を持つ、キャンプ料理のエキスパート。

■ 熱薫の仕方

熱薫とは

薫煙材に「スモークチップ」を使用するのが主流。
バーナーなどの熱源を使用し、金属や陶器の皿の上に載せたスモークチップを熱して燻す。

スモーカー内の温度は約80~120℃の高温にして、10~30分ほどでできあがる薫製法のこと(時間は食材の分量などにより異なる)。
生魚や生肉など、火を通しつつスモークしたい食材に向いている。

熱薫に必要なアイテム
熱燻に必要な道具は主に3つ

スモーカー、シングルバーナー、スモークチップ(使用したのは桜)
スモークチップの樹種は食材に応じてお好みでOK。

スモークの仕方
鶏モモ肉のスモークチキン・サンド

今回スモークするのは鶏モモ肉。
彩りのある野菜とパンをプラスして「スモークチキン・サンド」を作ろう!

食材

今回燻製にする食材

鶏モモ肉(火を通しやすいようにフォークなどで両面にまんべんなく穴を開けておく)、塩、こしょう。

1.スモーカーに食材をセット

スモーカーに食材を入れる

食材に水分が多く付着していると酸味が強くなるので、鶏モモ肉の水分をペーパーなどでふきとり、両面に塩、こしょうをふったらスモーカーの網に載せる(上部のほうが熱の通りはいい)。

下部には、油脂受け用にアルミホイルの皿をセット。

2.スモークチップをセットしてバーナーに着火

スモークチップに着火する

ひとつまみ分のスモークチップを受け皿に入れてバーナーに着火。

煙が出てくる

弱火で熱していると煙が出てくるので、そこからフタをしてしばし待つ。

チップを追加する

煙が出なくなったらチップを追加してもOK。

3.20分くらいするとスモーク完了!

スモークされたチキン

塩、こしょうだけのとてもシンプルな味付けだけど、スモークすることでワンランク上の味わいに!
火の通りが心配な場合はフライパンなどで温めればOKだ。


■ 温薫とは

燻煙材に「スモークウッド」を使用するのが主流。
スモークウッドに火をつけて、スモーカー内は約50~80℃の若干高めの温度にし、1~2時間ほど燻製する方法のこと(時間は食材の分量などにより異なる)。

そのまま食べられるチーズやハムなど加工食品にほんのり香りづけするだけでもおいしい。

温薫に必要なアイテム
温燻に必要な道具

スモーカー、トング、ガストーチ、スモークウッド(使用したのはヒッコリー)。
スモークウッドの樹種は食材に応じてお好みでOK。

スモークの仕方
スモークナッツ・カナッペ

今回、スモークするのはチーズやナッツ。
そのまま食べてもいいが、バゲットやクリームチーズをプラスして「スモークナッツ・カナッペ」にすると、さらに美味しくなる。
では、作り方を見ていこう。

食材

今回燻製にする食材

プロセスチーズ(1パック)、カマンベールチーズ(1パック)、ミックスナッツ(1袋)

1.スモーカーに食材をセット

スモーカーに食材を入れる

カマンベールチーズは溶けやすいためアルミホイルを敷き、ミックスナッツはバラけないようにアルミホイルで皿を作ってその上に。

プロセスチーズは食べやすいサイズ(1/2)にカットし、それぞれ網の上に置く。

2.スモークウッドに着火する
スモークウッドに着火したようす

スモークウッド(5~6cmほどの長さ)をトングでつかみ、側面を重点的にガストーチの炎で炙る。

炙った後のようす

炎が上がったら息を吹きかけて消火した際、フチの部分が赤くなって煙が出てくればOK。

煙が出ていればOK

火がついているほうを下にして、スモーカー内の受け皿に入れる。
あとはフタを閉じて準備完了。

3.1時間くらいするとスモーク完了!

スモークされた食材

ウッドの火が消えている場合があるので、煙が出ているかどうかたまにチェックしましょう。

燻製チップ・ウッドの種類と特徴

自分で燻製をするなら、知っておきたいのがスモークチップやスモークウッドの種類。
では、どんな種類や特徴があるのかを紹介しよう。

スモークウッドやチップには種類があり、それぞれの特徴がある

■さくら

肉・魚におすすめ。
どんな食材にも合う、人気の高い薫煙材。

■りんご

鶏・白身魚におすすめ。
果樹特有の甘い香りが特徴。

■くるみ

肉・魚におすすめ。
発煙がよく、煙が食材になじみやすい。

■ヒッコリー

肉・魚におすすめ。
発煙がよいビギナー向けの薫煙材。

■なら

魚におすすめ。
タンニンを多く含み、食材の色付きが早い。

■ブレンド

あらゆる食材におすすめ。
「なら」「ブナ」を中心にブレンド。
クセがない。

■ウイスキーオーク

鶏・白身魚におすすめ。
30年以上使用した洋酒樽を使用。
ウイスキーの香り。

初心者にもおすすめなスモーカー3選

燻製を始めようとする際に必要なのが「スモーカー」と呼ばれる燻製器。
ここでは初心者にもおすすめのスモーカーを紹介しよう。

■SOTO たくみ香房

扉がスライド式のスモーカーなら食材が取り出しやすい

スライド式トビラが扱いやすい。組み立て・お手入れも簡単。

温薫・熱燻対応
4本の支柱の溝に板をスライドさせて組み立てるスモーカー。

温薫でも熱燻でも使えるスレンレスボディ

食材を載せる網が2枚のほか、吊り下げ用のS字フックも3つ付き、多彩な薫製法を楽しめる。
ステンレス製なので温薫のほか熱燻にも対応する。

スモーカーを分解したようす

分解すれば薄型になり、持ち運びはコンパクトだし、洗浄も楽々だ。

■SOTO スモークダクト

省スペースになるスモークダクト

省スペースで大量の熱燻調理ができる!

たくみ香房専用のオプションアイテム。
たくみ香房の下部に付く2本の脚フレームと、ハーフトビラ、ダクト部分で構成されている。

熱源はシングルバーナー・レギュレーターストーブ(別売り)の専用設計となり、省スペースでの熱薫を可能としている。

■SOTO モクモグ

ダンボール型スモーカー

繰り返し使用OK!カワイイ段ボール型

温薫対応
ログハウス形状の段ボール型スモーカー。

組み立て式のスモーカー

組み立てるところからイベントが始まるかのようで、親子で協力してスモークを作るための遊びゴコロ満点。
付属のシールで好きなようにカスタムするもよし。

あらゆる食材をスモークしたようす

コチラはスモークウッドを使用する温薫専用のタイプ。

煙突つきの本格派

煙の量を調節する煙突まで付いている。

燻製のコツとは?スモーク達人のおすすめの食材

SOTOから発売された、初心者でも気軽に楽しめるスモークチップ&ウッド。
その監修に携わった「スモークビアファクトリー」の菅原翔馬さんに、その特徴やおすすめ食材について話をうかがった。

菅原翔馬さん

菅原翔馬さん
東京・池袋エリアに6店舗の燻製料理とクラフトビールの店を構える「Smoke Beer Factory(スモークビアファクトリー)」の燻製士であり、燻製ビールを中心に醸造するビアスタンド「NAMACHAんスタンド 北池袋店」店長も務める。
https://smokebeerfactory.com

■ 燻製初心者でも使いやすい

アウトドアブランド「SOTO」と聞いて思い浮かべるのは「レギュレーターストーブ」をはじめとするストーブ類ではないだろうか。
しかしSOTOでは、30年ほど前から燻製製品を販売しており、知る人ぞ知る燻煙材メーカーでもある。

手軽に楽しめる「スモークチップス ミートブレンド&フィッシュブレンド」と「スモークウッドミニ ミートブレンド&フィッシュブレンド」

そんなSOTOが2024年に新しく販売を開始したのが、スモークチップスとスモークウッドミニの「ミートブレンド&フィッシュブレンド」だ。
これまでに多くの燻煙材を販売してきたが、今回の新製品は燻製料理のプロである「スモークビアファクトリー」が監修。
燻製初心者でも使いやすいように、肉用と魚用にブレンドされている。

菅原さんによれば、ひと口食べたときのスモーキーなインパクトと、食べ進めていくうちに広がる余韻を楽しめるブレンドだという。

ローストビーフと合鴨ローストとベーコンは燻製してからひと晩寝かせ、食べる直前に温めると風味が増すという

「ミートブレンドは、肉自体の強い旨味に負けない、スモーキーさがダイレクトに感じられるブレンド。
スモーキーさが強い燻煙材として代表的なサクラをベースに、スモーク感を和らげるオニグルミ、余韻が広がるウイスキーオークをアクセントに使っています。」

反対にフィッシュブレンドは、ダイレクトなスモーキーさではなく芳醇な香りが特徴。
甘い香りのリンゴをベースに、オニグルミとウイスキーオークをブレンドしているという。

「ミートブレンドよりもウイスキーオークの配合を多めにして、甘みと余韻が強く出るようにしています。淡泊な魚とは非常に相性がいいですよ」

■ 燻製のプロがおすすめする食材

そんな燻煙材を手軽に楽しめる食材を聞いてみると、

「ミートブレンドなら、サラダチキンのプレーンがおすすめ。淡泊な肉は燻製の香り自体を楽しめます。
フィッシュブレンドなら、かまぼこや竹輪といった練り物。あとは干物や焼き魚を燻製してもおいしいですよ」

ほかにおすすめ食材を聞くと、小さな子どもがいるファミリーならスナック菓子、お酒のお供にするなら焼き鳥を燻製してみるのもいいという。

「焼き鳥の中でも、とくにぼんじりはおすすめですね。初めて食べたときは『ここまで味わいが引き出せるんだ!』と驚きました」

「スモークビアファクトリー」では、オリーブオイルや塩、しょう油、かつお節、納豆など、約50種類の燻製製品を販売している

初めて燻製を作るときは、少しハードルが高いと感じるかもしれないが、慣れてきたら調味料感覚で楽しんでほしいと菅原さん。
トライ&エラーもまた、燻製の楽しみ方のひとつだ。

燻製を使ったこんな料理もおすすめ

アウトドア上級者のカフェ店主・A-sukeさんがサケを使ったレシピを教えてくれた。
今回は薫製サーモンとイクラの親子丼。

鮭はいつでも手に入る食材になったけれど、もともとは秋が旬。
日本の川にサケが帰ってくるのが秋だからだ。

産卵のために帰ってくるのでイクラの旬もこの時期。
実はこの「秋鮭」と呼ばれる日本で獲れたサケは、産卵のために栄養を卵や白子に回しているので脂の乗りが悪い。

だから食の好みや食べ方によっては、通年手に入る輸入物、養殖物も悪い選択ではない。
それにもともとサケやマスの類は寄生虫がいて、生では食べられなかった。
近年サケの刺身が出回っているのは、養殖物のおかげなのだ。

■ 薫製サーモンとイクラの親子丼

薫製サーモンとイクラの親子丼

知っている人も多いと思うけど、サケはレモンと相性がいい。
加えてサケは薫製とも相性がよく、スモークサーモンとレモンの相性ももちろんいい。

レモンが合うなら、柑橘類のユズでもイケるだろ!ってレシピ。
さらにイクラを散らしてぜいたくな親子丼に。

材料

米 3合
サケ(刺身用) 1柵
ユズ 1/2コ
大葉 2~3枚
白ゴマ 少々
ミョウガ 1コ
イクラ 適量
〇酒 大さじ1
〇めんつゆ 大さじ5
〇水 470㎖
〇ショウガ 少々

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