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Q. うつ病の友達を励ますのはダメなのでしょうか?【精神科医が回答】

  • 2025.3.27
【精神科医が解説】うつ病の人には、良かれと思ってもかけるべきではない言葉があります。適切な接し方ができるよう、正しく理解すべきポイントを解説します。

Q. うつ病の友達を「落ち込まないで」と励ますのは逆効果ですか?

Q. 「うつ病の友人を見ていると、つい『落ち込まないで!』と励ましたくなります。励ましの言葉は逆効果になると聞いたのですが、どのような言葉をかければ、元気づけられるのでしょうか? 具体的な言葉が知りたいです」

A. 「落ち込まないで」はNG。大切なのは相手の話をじっくり聴くことです

まず結論からお伝えすると、うつ病の方に「落ち込まないで」や「頑張って」といった励ましの言葉は、かけるべきではありません。うつ病は、脳内に変化が起こっている状態です。患者さん本人は「頑張りたくても頑張れない状態」になり、つらく感じているものです。励ましの言葉はプレッシャーになり、患者さんが自分自身を責めてしまう原因にもなります。

また、「誰でも気分が落ち込むことはあるよ」といった、うつ病を軽視するような言葉も避けるべきでしょう。病状を理解してもらえないと受け取られ、相手を傷つけてしまう可能性があります。「せっかくあなたのためを思って言っているのに」といった感情的な言葉も、相手を追い詰めることにつながるため、注意が必要です。

大切なのは、どのような言葉をかけるかではなく、適切に接することです。相手の話をじっくりと聴き、共感する姿勢を持つことが重要です。 相手が話している間は口を挟まず、話しやすい環境をつくるよう心掛けましょう。 また、言葉よりも背中をさするなどのスキンシップが、安心感を与える場合もあります。 焦らず、相手のペースに合わせて見守ることが大切です。

うつ病の方への接し方は、相手の状態や状況によって異なる場合があります。 相手の気持ちに寄り添い、無理のない範囲でサポートすることが求められます。 また、自殺のリスクも念頭に置き、異変を感じた場合は専門医への相談を促すなど、適切な対応を心掛けましょう。

中嶋 泰憲プロフィール

千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。

文:中嶋 泰憲(医師)

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