アマンダ・サイフリッドは、2012年公開のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』で演じたコゼット役の演技に後悔があるそうだ。「『レ・ミゼラブル』はすごい映画でした。コスチュームも、出演者も、すべて大好きで、関わった誰もが出演を喜んでいました。だけど残念なことに、私は技術的に準備ができておらず、望んだような生で歌うだけの能力もありませんでした」と『GQ』のビデオインタビューで明かした。
トム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』は、演劇史に名を刻む名作ミュージカルをヒュー・ジャックマンをジャン・バルジャン役に迎え、映画化。第85回アカデミー賞で、アン・ハサウェイの助演女優賞を含む3部門に輝いた。『マンマ・ミーア!』(2008)でもミュージカルに挑戦したアマンダは、ファンテーヌの娘で、養父バルジャンから惜しみない愛情を注がれて育ち、やがてマリウス(エディ・レッドメイン)と恋に落ちるコゼットを演じたが、そのプロセスは「怒りを覚える」ほどの経験だったという。
「歌わなくてはいけないことはわかっていたけれど、難しい曲だった。演技面では自然にできたし、楽しめた。『不思議ね、人生が新しく始まったよう』と歌うのは美しかったし、アクセントも心配だったけれど、それほどでもなかった」。問題は、セリフや感情を歌で表現するという、まさにミュージカル的な要素だったそうだ。「エディやサマンサ・バークス(エポニーヌ役)のようには出来なかった。サマンサは技術的に誰よりも優れていた。アン・ハサウェイは、泣いているときでさえ完璧だった」
彼女たちのおかげで映画は大成功したと讃えるが、自身の力量は「欠けていた」と認める。「違ったら良かったのにと心から思う。後悔しています。人からは、考えすぎだと言われるけれど、そうじゃない。自分がどんな声を出したいか、わかっています。今みたいに声を出せたらよかったのに」
Text: Tae Terai
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