1. トップ
  2. 松嶋菜々子“桜子”が最強メンタルとチャーミングさで圧倒<やまとなでしこ>

松嶋菜々子“桜子”が最強メンタルとチャーミングさで圧倒<やまとなでしこ>

  • 2025.3.25
「やまとなでしこ」 (C)フジテレビ/共同テレビ

【写真】桜子(松嶋菜々子)の部屋着のパーカー姿がかわいい!「やまとなでしこ」

松嶋菜々子主演の大ヒットドラマ「やまとなでしこ」(フジテレビ系、2000年10月放送)がFODで配信中だ。放送から25年が経っても相変わらず人気があり、配信復活の知らせには「大好きなドラマ!」「長い間、私の心のバイブルでしたね」「合コン大好き桜子、懐かしい」などSNSも盛り上がっている。今改めて観ると、25年前のドラマであるため、時代の変化を感じつつも、内容自体は色褪せずに面白い。客室乗務員の主人公が“素敵な王子様を見つけて、幸せをつかみたい”と奮闘する王道ラブコメ「やまとなでしこ」がどんな作品なのか、改めて紹介していこう。(以下、ネタバレが含まれます)

主人公・桜子のモットー「世の中で一番大切なものは…お金!」

1990年代のフジテレビ“月9”ドラマは、「東京ラブストーリー」(1991年)、「あすなろ白書」(1993年)、「ひとつ屋根の下」(1993年)などの群像劇や、「ロングバケーション」(1996年)、「ラブジェネレーション」(1997年)といった直球のラブストーリーがスマッシュヒットした。そこから2000年代に入って、最高視聴率34.2%を記録したのが中園ミホ脚本の「やまとなでしこ」。MISIAの歌う主題歌「Everything」もミリオンセラーの大ヒットとなった。そこから“月9”は「HERO」(2001年ほか)、「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(2008年ほか)などの“お仕事ドラマ”やラブストーリー以外の様々なジャンルが増えていく時代に入っていく。

「やまとなでしこ」は本当に大事なものは“何か”を教えてくれるロマンティック・ラブコメディ。主人公・神野桜子(松嶋)は、類い希なる美貌を持ち、教養もあり、客室乗務員の仕事もこなし、一見非の打ち所のない女性。しかし彼女には、ひとつだけ大きなトラウマがあった。幼い頃、極度の貧乏生活を経験し、貧困と闘ってきた彼女は「世の中で一番大切なもの…それは…お金である」「恋愛相手も結婚相手もお金持ちでなければならない」という哲学を身につけてしまった。機内での仕事中も、合コンの席上でも、口説いてくる男への興味は「お金や財産をどのくらい持っているか」のみ。その徹底した振り分けは合コン仲間の同僚たちも舌を巻くほどだ。

桜子のお相手となってくるのが、商店街で魚屋を営む35歳の独身男性・中原欧介(堤真一)。留学中の失恋で恋愛恐怖症に陥っていた欧介は、気乗りしない合コンに参加して、桜子と運命の出会いをする。欧介を大金持ちと勘違いした桜子は積極的にアピールをして2人は交際を始めるが、欧介の正体がばれてからは当然の如く相手にせず…。しかし、身分不相応と判りながらも桜子に強く惹かれた欧介が、心の赴くままに桜子を見守り、2人の同僚や仲間たちを巻き込んで、様々な事件が起きていく。

桜子と欧介が金ではなく心と心でつながっていく

なんといっても、桜子のキャラクターが強い。第1話の冒頭で「私の武器はひとつだけ。この美貌だ」と言い切る彼女の勢いは誰にも止められない圧倒的主役感。それでいて本当に誰よりも輝く美しさとチャーミングさがあるため、「貧乏なんて大嫌い」と終始「金」、「金」言っているがめつさも途中から気にならなくなってくる。そればかりか、桜子の自分勝手な恋を応援したくなってくるほど魅力に満ちたキャラクターだ。

25年経過してから改めて視聴してみると、地味で頼りなく見えていた欧介も桜子に負けず劣らず稀有な性格だ。欧介は魚の目利きは強いが、銭金に弱く、押しにも弱い男。数学の研究という唯一誇りを持っていた学業も、父を亡くし、母ひとりに魚屋を任せることに引け目を感じて諦め、家業を手伝うことにしたという経歴が、彼の人の良さを表している。猫や子どもに優しく、恋愛に不器用なところもキュンポイントが高く、ジワジワと効いてくる。

いわゆる“嘘から始まった”2人の恋は、どちらかが悪人であればすぐに破綻してしまうのだが、桜子も欧介も根の部分はとてもピュアで、相手が傷つくことはしたくないと思っているタイプのため、お互い気になって仕方ないという時間が流れていく。

桜子の部屋着のパーカー姿がかわいい

2人の存在がぐっと意識し合って近づいたのは、桜子の住むアパートでボヤ騒ぎが起きた第5話「恋と洋服」。通りかかった道で自分の部屋にある洋服が燃えてしまうと騒ぐ桜子を見かけた欧介が、煙の上がる部屋へと果敢に入っていき、桜子の50万円の白いスーツを持って戻ってきた。欧介からすればそれまでタワーマンションに住んでいるお嬢様とばかり思っていた桜子が、実は近所のアパート暮らしで、見栄の塊だったことを知るシーン。しかしいつもキメキメおしゃれな桜子が普段、家ではカップラーメンを食べて節約し、部屋着は普通のパーカー姿で「洋服は私のすべてなの!人生そのものなの!」と必死に叫ぶ姿は、人間らしさが垣間見られて、このギャップを見せつけられたらイチコロだろうなと安易に予想がついた。

ほかにも、過労で倒れた桜子の手を朝まで握る欧介や、桜子が病院の御曹司・東十条(東幹久)と欧介を天秤にかけるシーンや、桜子と数年間会っていない田舎の父親が都内に出てくる切ないシーンなど、ヒット作だけあってどこを切り取っても名場面ばかり。「お金持ちと結婚したい」という自分の夢に向かって突き進む桜子からは、きっと胸キュンと元気をもらえるだろう。久しぶりに一気見できるチャンスである。

元記事で読む
の記事をもっとみる