ジョージ・クルーニーが、恋愛映画にはもう出演しないと宣言した。3月23日(以下、現地時間)放送のTV番組『60ミニッツ』で、「僕はもう63歳だ。25歳の主演俳優と競うつもりはないよ。僕の仕事じゃない。もうロマンティック映画には出演しない」と語ったわけだが、彼はこれまで踏み込んでこなかった世界にまさに挑戦しようとしている。自身が監督・脚本を手がけた映画『グッドナイト&グッドラック』(2005)を舞台化し、ブロードウェイデビューを果たすのだ。
同作は、赤狩りが猛威を振るう1950年代のアメリカを舞台に、自由を守るために権力に立ち向かった実在のニュースキャスター、エド・マーロウと記者たちの闘いを描く。第62回ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞、脚本賞、国際批評家連盟賞を受賞、第78回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など主要6部門にノミネートされた。
ブロードウェイ版では、デヴィッド・ストラザーンに代わりジョージが主演、トニー賞受賞の演出家デイビット・クローマーがメガホンを取り、ジョージは脚本も手がける。アカデミー賞を2度受賞、2010年にはエミー賞のボブ・ホープ・ヒューマニタリアン賞を獲得しているジョージにとって、米演劇・ミュージカル界の最高峰であるトニー賞に初めて挑む機会となる。
もっと早くブロードウェイデビューを果たせばよかったと思うかと聞かれると、「できたかわからない。舞台に求められる準備をしてこなかった」と素直に認めるが、それでも俳優として、ブロードウェイには抗いがたい魅力があるようだ。「(舞台出演の喜びや充足感を)否定する人はただの嘘つきだ。ブロードウェイ出演を望まない俳優なんて存在しない。挑戦し甲斐がある。年齢を重ねるほど難しくなるとは思う。でも、だからどうだって言うんだ?」
『グッドナイト&グッドラック』は、ウィンターガーデン劇場にて、3月12日からプレビュー公演を行っており、4月3日に初日を迎える。
Text: Tae Terai
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