バナナの絵を描くように言われたら、何色を使う?やっぱり黄色、それとも緑色?ご存じの通り、バナナは熟すと色が変わる。それに伴って栄養価も変わることは、あまり広く知られていない。
そう、実を言うとバナナは、色によって得られる健康効果が変わるフルーツ。そして、英国民保健サービス(NHS)に所属する外科医のカラン・ラジャン医師によると、その中で最も健康に良いと言えるバナナはまだ熟していない状態の「グリーンバナナ」(※)だという。(※編集部注:日本では一般的に「青いバナナ」と言われている)
グリーンバナナが最も健康に良い理由
まだ青いバナナを買って熟すのを待つ人は少なくない。でも、バナナは熟していない状態で食べるのが健康面で最善の選択だとラジャン医師は説明する。
これはグリーンバナナが「難消化性デンプンの宝庫」だから。難消化性デンプンは、消化されずに大腸まで到達し、腸内細菌のエサとなるプレバイオティクスとして働く食物繊維の一種だ。
またグリーンバナナは血糖値の管理にも効果的だ。「糖分が低いので(黄色いバナナは17g、青いバナナはわずか10g)、血糖値に注意している人には有用です」とラジャン医師。
(※編集部注:日本では、まだ青いバナナを手に入れることはあまり一般的ではない。スーパーなどでやや固め・青みが残るバナナを選び、完熟させず早めに食べることで、近い効果が期待できる)
バナナが熟すと何が変わる?
バナナが熟して黄色くなるにつれ、食物繊維の量が減少し、カリウムの量が増えていく。ラジャン医師によると「その過程でバナナは柔らかみを増し、ほんのり甘くなります」。
カリウムは、体内の水分バランスを調節し、心臓と筋肉の健康をサポートする大事なミネラル。
NHSによると、19~64歳の成人には1日3500mgのカリウムが必要。でも、この量なら普段の食事で十分カバーできるはず。ちなみに、バナナ1本には約360mgのカリウムが含まれている。
ラジャン医師いわくバナナには、完熟するにつれて抗酸化物質が増えてくる。カテキンなどの抗酸化物質は、心疾患や一部のがんのリスク軽減に役立つ可能性がある。また、バナナの皮には果肉以上のカテキンが含まれているので、皮を捨てるのはもったいないかも。
(※編集部注:イギリスやアメリカでは、バナナを皮ごとスムージーやケーキに入れて食べる方法が一部で浸透している。いっぽう日本では、輸入品も多いため、皮を食べる場合は無農薬やオーガニックのバナナをよく洗ってから使用し、加熱調理やスムージーに混ぜるなど口当たりをよくする工夫をするのがおすすめ。)
結論
どんな熟れ具合でも、バナナが健康に良いのは確か。でも、腸内環境の改善や、血糖値管理、エネルギーの持続性に関しては、グリーンバナナがベストチョイスといえそうだ。
※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
Text: Alice Barraclough
Translation: Ai Igamoto