「セカンドパートナー」の実録シリーズ第3弾。不倫とは違う純粋な心の拠り所と注目が高まりますが…実態はいかに?59歳のユキノさんは、軽い気持ちで付き合った結果、本気になられすぎて恐怖を感じる事態に。
既婚者マッチングアプリで出会った彼に…沼られて
もう一人、話を聞かせてくれたのは、ユキノさん(59歳)だ。すでに孫もいる彼女だが、「軽い気持ちで付き合っていたセカンドパートナーが、だんだん本気になってきて怖い」と言う。
「私は家庭が大事だし、別に夫に特別な不満があるわけではないんです。ただ、夫はもうあまりにも『家族』で、肉体的なふれあいなんて皆無。もう20年くらい手さえ触れていない。娘に子どもが生まれて抱いたとき、人肌の温かさに飢えている自分に気付いちゃったんです。でも娘は近くに住んでいるわけではないから、孫にはめったに会えない。人肌に飢えているというのは、結局、心が渇いているわけです。だから心の渇きを埋めたくて、既婚者マッチングアプリに手を出しました」
ユキノさんも、すぐに気の合う人に出会えたわけではない。なんと30人ほどとメッセージのやりとりをし、紆余曲折を経てたどり着いたのがジュンイチさんだった。4歳年下の彼は、まじめで優しい人だ。
「私の話を前のめりになって聞いてくれて。夫と会社員の息子と3人暮らしで、普段はたいして面白いこともなくて、みたいなしょうもない話を面白がってさえくれる。彼はけっこう多趣味で、『渋い趣味で誰も付き合ってくれない』というのが能だった。
1度観たいと思っていたけど一人では行かれなくてと言ったら、一緒に行きましょうということになって。面白かったです。それ以来、能や歌舞伎、私の好きな動物園と、外でのデートを楽しんでいました」
次第に性的な快楽にのめり込んでしまい…
彼は何度となく、性的な関係を要求してきた。もちろん無理にとは言わない。でもあなたのすべてを知りたいんだとせつない表情で訴えてきた。ユキノさんも心が動いた。
「断っていたのは、そういう関係になりたくなかったからというより、もう裸を見られるのが嫌だったから。あちこち重力でたるんでますから(笑)。でもそう言ったら、彼が『僕だってそうだよ、できるかどうかわからない。でも素で抱き合いたいんだ。セックスしたいというより、気持ちを通い合わせたいんだ』と。あ、それは私も同じだと思った。知り合ってから1年近くたって、ようやく そういう関係になったんです。彼、私をお姫様みたいに扱ってくれて。あんな快感は初めてでした」
「離婚するから一緒になろう」と迫られて…
二人はすっかり性の快楽にのめり込んだ。夫に「娘からSOSが入った」と嘘をつき、彼と一泊旅行をしたこともある。
だが、そんな関係がしばらく続いたころ、娘から「お母さん、最近、何してるの? お父さんが心配して電話を寄越したけど」と連絡があった。
「後ろから子どものはしゃぐ声が聞こえてきて、なんだかハッと目が覚めました。とはいえ、一度手に入れた快感は手放せない。よく考えたら、私は恋愛がしたかったわけではなく、セックスを伴う男友達が欲しかっただけ。もっと気楽に楽しめばいいんじゃないかと思ったんです」
ところがジュンイチさんはそうはいかない。彼は肉体と心が完全に一致した人だったのだ。定年になったら離婚するから一緒になろうとまで言うようになった。
「今は少し距離を置くようにしています。彼もまじめな会社員だから、身の破滅までは考えていないはず。気楽な付き合いのはずが、ひょんなことから一気に燃え上がったけど、時間を置けば冷めるはず」
気持ちの高まりや体の燃え方など、なかなか一致するのは難しいのかもしれない。あくまでもセカンドパートナーとして割り切った付き合いができるのかを見極めた方が賢明だ。どちらかがどちらかに依存するような関係は、家庭も自分も破綻する可能性が高い。
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