【漫画】タトゥーだらけの怖そうな古着屋の店長に魅かれていく高校生男子の話が「ゆっくり縮まる距離がたまらん」と話題に
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、gateauコミックスより刊行されている漫画『常常綺羅の恋着なし』(一迅社刊)の第1話を紹介する。作者のあたるさんが、2月15日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、6000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、あたるさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
ファッションデザイナーに憧れた少年が服屋の店長に惹かれていく
ファッションデザイナーになるのが夢の17歳の少年・織内航は、ある日新しく古着屋ができたと耳にし、さっそく向かった。店舗に並ぶ品揃えに目を輝かせていると、タトゥーの入った店長が姿を現し、航は見慣れないタトゥーに思わず驚いてしまう。
店舗に並んでいる商品の事で質問があった航は、勇気を出して店長に声をかける。初めは萎縮していたが、話すうちにだんだんと打ち解けていく2人。その後も航はお店の品ぞろえの良さや、店長の洋服愛に魅了され、お店に通うようになった。
ある時祖母と買い物をしていた航は偶然店長に出会い、服作りについてアドバイスを受ける。服作りにも詳しい彼に「服屋さんだから…?」と尋ねると、彼が以前有名ブランドでデザイナーをしていたことが発覚。驚いた航は「僕を弟子にしてください!!!!」と志願し…。
この出会いの物語を読んだ人たちからは、「ゆっくり縮まる距離がたまらん」「このピュアさは気に入る」「登場人物全員好き」「大好物過ぎて胸がキュッとした」など、多くのコメントが寄せられている。
ピュアをテーマにした明るく優しい物語
――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
私自身が、都会でもなく田舎でもなく、ごくごく普通な環境で育ったので、同じように育った若者ってどういう人生を歩むのかな、というところから発想を広げていきました。多分、私の地元の多くの人たちはその土地で多くの時間を過ごすのだと思いますが、「常常綺羅の〜」の主人公の航くんは世界に挑んでいくんだろうなと思います。
――本作では、服を見ながら目を輝かせる男の子の表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
毎回、一単語のテーマを決めて描いています。「おじさん」だったり「かわいい」だったり…今回は「ピュア」を自分の中でテーマと決めて描きました。とにかくピュアピュア。こちらが恥ずかしくなる程度に夢がある。ただし、周りの環境からどこか将来への諦めのようなものも抱いている、そんな若者状況などを感じ取っていただけると嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
単行本でのエピソードになりますが、最終話のファッションショーシーンがお気に入りです。高校生の文化祭なので、本格的とは言えないはずですが、やはり文化祭の催し物って当時は全てがワクワクしました。数ヶ月の集大成ですから当たり前ですよね。店長も自分の学生時代を思い出せたんじゃないかなと思っています。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
キャラクターのバリエーションにいつも気をつけています。当たり前ですが、生きていると色々な人と関わります。主人公たちだけの閉じた世界でなく、色々な人と関わり合い、現実にそこにあるかのような世界観が出来上がるようにしています。今回は、主人公の幼馴染ちみかはさっぱり嫌味のない、でも、彼女も地域に蔓延る固定概念のようなものに馴染めない子として設定しました。
――今後の展望や目標をお教えください。
これからも、皆さんの隣に、もしくは隣町のどこかで起こっているかのような、どこにでもあるけれど本人達にとってはドラマティックなお話を描いていければと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
まだまだ漫画家としては若輩者ですが、それでも初期から見守ってくださる読者の皆さまには頭が上がりません。今まで応援くださっている皆さまにも、未来応援くださる皆さまにも良き暇つぶしの時間がお届けできるように頑張ります!