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北村匠海”闇落ち公務員”役で「どれだけ暴れてもいいやっていう感覚」…河合優実らと公開記念舞台あいさつに登壇<悪い夏>

  • 2025.3.24
北村匠海、河合優実、窪田正孝、城定秀夫監督が映画「悪い夏」公開記念舞台あいさつに登壇 (C)2025映画「悪い夏」製作委員会

【写真】北村匠海演じる“目に光がない”公務員・佐々木

北村匠海が主演を務め、河合優実らが出演する映画「悪い夏」が3月20日より全国公開された。北村、河合は、同作に出演している窪田正孝、メガホンをとった城定秀夫監督と共に3月22日に行われた公開記念舞台あいさつに登壇した。

狂乱のサスペンス・エンターテインメント

本作は、「第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞」を受賞し、「クズとワルしか出てこない」と話題を呼んだ染井為人のデビュー作が原作。真面目に働いていた市役所勤務の公務員・佐々木が、ふとしたきっかけでとんでもない犯罪行為に巻き込まれていく姿を描いている。

主人公・佐々木守を演じるのは北村。真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく男の姿を渾身の力で体現する。また、色仕掛けで佐々木を犯罪へと巻き込んでゆく育児放棄寸前のシングルマザー・愛美を河合が演じる。

さらに裏社会の住人で犯罪計画の首謀者・金本役に窪田、正義感に燃える佐々木の同僚・宮田役に伊藤万理華、愛美に肉体関係を強要する佐々木の先輩・高野役に毎熊克哉、金本の愛人・莉華役に箭内夢菜、金本の手下でドラッグの売人・山田役に竹原ピストル、息子と2人困窮した生活から万引に手を染める古川佳澄役に木南晴夏を配役。

監督は数多くの傑作を作り上げてきた城定秀夫、脚本は「ある男」で「日本アカデミー賞最優秀脚本賞」を受賞した向井康介が務める。

映画「悪い夏」より (C)2025映画「悪い夏」製作委員会

北村匠海、竹原ピストル演じる山田に「どうしようもない人」

満員御礼で迎えたこの日、観客からの大きな拍手に包まれてイベントがスタートした。作品を最初に見た時の感想を問われると、北村は「(登場人物たちが)非常に滑稽だったので、『面白かったです!』と監督にも伝えました」と充実した表情を浮かべながらコメント。特に滑稽だった人物を聞かれ、「(竹原)ピストルさん(が演じた役)ですかね。もうどうしようもない人だなって」と即答した。

窪田演じる裏社会の住人・金本の手下の山田を演じた竹原ピストルの名が挙がると、窪田もすかざず「ズルいよね!」と共感。続いて河合は、「脚本を読んだ時も思いましたが、改めて見ても、ラストの展開で積み上げていったものが、全部はしごを外されてしまうような驚きがあった」といい、「やっぱり笑っちゃう。笑っていいんだなって思いました」と作品を楽しんだ様子を見せた。それを受け窪田も「笑っていいと思いますね」と同意し、「みんな“クズ”と“ワル”なんだけど、その中にもどこか美しさというか、美学というか、そういうのも感じました」と印象を振り返った。

城定監督は「これだけの実力を持つ俳優陣を前に僕は何をすればいいんだろうという気持ちで撮影していました」と撮影中の思いを明かした。すかさず北村と窪田が「ずっとニヤニヤしていましたよ!一番悪い顔をしてましたよね!」と暴露する中、「モニターを見ていて楽しかったです」とキャストへの全幅の信頼をうかがわせた。

左が竹原ピストル演じるドラッグの売人・山田 (C)2025映画「悪い夏」製作委員会

窪田正孝「本当に人の心を不愉快にさせられるか」

北村が見せる”闇堕ち”ぶりに、原作者の染井も絶賛したという本作。そんな北村は佐々木という役に対して、今まで演じてきたヤンキーなどの役柄の方が自分とかけ離れている感覚があったといい、「自分が持っている一番奥の方にある引き出しを久々に開けるみたいな感覚。思いのままに演じさせてもらって楽しかったです」と話した。

さらに話題は、撮影開始2日目に撮ったという、ワルの道へと転落した佐々木の感情が爆発する独白シーンに。北村は「どれだけ暴れてもいいやっていう感覚もあったので、自由に演じさせてもらいました。貧乏ゆすりを高速でしてくれって言われたときは、どうやるんだろうと…(笑)」と、城定からのユニークな演出に苦戦した一幕も明かした。

一方、佐々木を犯罪へ巻き込んでいく愛美を演じた河合は「どちらかというと巻き込まれる側でいたい」という思いがあったと話す。愛美のヤンキー風のたたずまいを表現する衣装にもこだわっており、「バッグとかも雑誌の付録でもらったようなものを用意してもらった」とキャラクターを作り上げていく過程がとても楽しかったと振り返った。また窪田は、現場でさまざまなアイデアを出したようで「どうやったら、本当に人の心を不愉快にさせられるか、ずっと考えていました」と役作りを真面目に語るも、北村が「不愉快でした…」とつぶやくと、会場からは笑いが起こった。

窪田正孝、北村匠海、河合優実、城定秀夫監督 (C)2025映画「悪い夏」製作委員会
河合優実 (C)2025映画「悪い夏」製作委員会

河合優実、ルービックキューブは「3分以内で6面そろえられます」

続いて、本作のキャッチコピー“公務員、闇堕ち”にちなんで、自分が「○○堕ちしている」というほどハマっているモノをフリップに書いて発表。北村は「米」と回答。「とにかくおにぎりにハマっているんです」と明かし、お米を炊く時は土鍋を使うというこだわりも明かした。続く河合は「ルービックキューブ」と回答し、「今時あんまりやってる人いないじゃないですか…」とはにかんだ。マネジャーに勧められたことがきっかけだと話し、「3分以内で6面そろえられます!」と明かした。現場にも持ち込んでいるそうだが、「あまり見られないようにやってます」と恥ずかしそうに告白。すると現在共にドラマを撮影中の北村が「現場にチクっておきます!」といたずらな笑顔を見せた。

そして窪田は「chat GPT」と回答。「最近知ったんですよ!もうメジャーなの?」とブームからは少し遅れて知ったそうで「何でも答えてくれるんですね」と最先端の技術に驚いていた。何を食べようか迷っている時に尋ねると「ものすごい長文で返ってくる!」と話し、英語の知らない単語やフレーズなども尋ねているという。「例えば『悪い夏』で検索を掛けたら何て返ってくるんだろう?」と興味津々な様子を見せていた。

最後に城定監督は「笑ってもいいし、泣いてもいいし、エンタメの要素をいろいろ詰め込みました。みんなに楽しんでもらえたらいいなと、そういう映画にしました」と作品をアピール。窪田は「映画が大好きで、その中でこうやって映画館に皆さん足を運んでいる光景を見られるだけで僕はすごく幸せ」と集まった観客への感謝を告げると、「(作品に)嫌悪感を抱いたとしても、何かそこに美しさというか、違和感みたいなものを教えてくれる。その違和感が実は美しいものということをこの映画で僕は感じさせてもらいました」と熱い気持ちを伝えた。

河合は「この作品を見て、見る前には抱かなかったような気持ちになってくれたら、私たちもすごくうれしい。ぜひ周りの方と感想を語り合っていただけたらなと思います」と話した。最後に北村は「本当に映画が大好きです。その中で『悪い夏』と出会って、久々にワクワクする映画作りだなと思いました。この映画を盛り上げるためにもみんなで感想を共有していけたら、映画のあり方がすごく広がるのかなって思います」と力強く語ると、会場からも大きな拍手が起こり、イベントは幕を閉じた。

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