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働く女性の9割が「女性活躍推進」実感なし!? その理由は?【前編】

  • 2016.4.19
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女性活躍、打ち出してるけど、アピールだけ!?

イラスト/進藤やす子

シティリビングWeb 働く女の会議室「女性活躍推進法」の巻

●女性活躍推進は、“絵に描いた餅”!?

労働者301人以上の企業に、女性が活躍するための行動計画策定などを義務づける「女性活躍推進法」が4月1日スタート。でも、当事者のはずの働く女性たちは実感してる? そんな疑問を読者に調査!

施行前に取り組みを行ってきた企業もあるためか、「会社で女性活躍推進法の取り組みが積極的に行われている」と35%の読者が回答(シティリビングWebで3/9~30実施、N465)。

一方、「女性活躍推進の変化を感じている」と答えたのは、わずか9%! 積極的に行われていても、変化を感じるまでには遠い現状です。

投票はシティリビングWebで実施。2016年3月9日~30日。有効回答482件。15時ブレイク「教えてあなたのYES・NO」より。

●「そもそも活躍って何?」「女性みんなが昇進したいわけじゃない」

「女性活躍推進が積極的に行われていない」と感じている理由は? 具体的にどう思っているの? 女性活躍以前に、男性中心の働き方から脱却できていない企業が多数あるのが実態です。

◆女性活躍どころか、そもそも男女平等ですらない。まずはそこから。大手企業だけ施行はどうかと思う。この法律では中小企業に行き渡らない

◆会社で耳にはするが、実際何を推進したいか不明瞭。そもそも活躍って何?

◆上司も具体的に何をすればいいのかわかってなく、丸投げ。結局「やってます」アピールがしたいだけ。これで変わると思えない

◆これから頑張ると指標を会社側は打ち出しているが、それは女性管理職を増やす指標。昇進したいわけではなく、女性が働きやすい職場づくりを進めてほしい

◆全くどこの国というくらい男性社会です

◆女性活躍の場が増えているのは感じるが、対象は未婚女性。既婚女性は対象外。女性の敵は意外に女性です

◆女性で管理職になった前例もないし、その必要もない雰囲気

◆女性の中にはキャリアを突き詰めたい人と、そうでない人がいる。それぞれの築きたいキャリアに沿って女性が活躍しやすい社会になってほしい

◆プロジェクトメンバーから「子供が小さい人は残業をしたがらないしすぐに休む」と思われ除外される。昇進も能力的に疑問でも男性が選ばれやすい

◆男性は女性の活躍を心から願っていない

◆働き方の多様性ということで、女性活躍推進グループが発足したが活動の様子はない。子どものいる女性は働きやすい環境だが、独身者にしわ寄せが来て不満。給与体系も変わらないし、仕事ばかりが増えていいことありません

●女性活躍推進って結局アピールだけ? 下駄をはかせて昇進させられても…

「女性活躍推進が積極的に行われている」は、一見聞こえがいいですが、実態はそうでもないみたい。

【女性活躍推進、行われています!派】

◆女性の取締役、部長が多い。産休、育休復帰率は知る限り100%

◆男性の多い職場だが働きやすいことこの上ない。男性社員も子供の行事などで気軽に休める

◆約20名の部署で女性が半数、うち役職付き女性2名。まぁ行われているほうだと思う

◆最近女性活躍推進会議なるものが会社で始動。建設業のイメージを変えようと必死

◆女性管理職登用や時短勤務制度の拡充で女性が働きやすい。出産後復職する女性がとても多い

【女性活躍推進、行われているけど…疑問派】

◆積極的に行われているが、私にはあまり関係がない

◆男性同様に働いている人は未婚、または既婚で子供がいない人。一部上場企業なので、とりあえず活用しているアピールのためという感じ

◆社外には女性管理職率●%を目指すと宣言していますが、下駄をはかせて昇進させようとしている雰囲気。こんなことでいいの?

◆法律だけ(数字)独り歩き。実績や中身が伴わない女性管理職が増えるのは心配

◆活躍推進を利用してより大きな責任や仕事量は回って来るが、男性ほど活躍の場はない

◆管理職に女性を増やす方針だが、なりたくない人もいることをわかってほしい

◆社長が積極的な「女性活用」をうたって女性を昇進させているが、辞退する人もいる。本人の希望するライフスタイルとの兼ね合いが難しい

◆外資なのでパフォーマンス的には行われている。しかし企業側と特定の女性職員との利害一致になっているだけ。浸透しているように感じない

●「なぜ国や組織が女性の活躍を推進するのか」。理解不足が負の連鎖に

今回、シティリビングの読者からの意見を、ワーク・ライフバランスの永田瑠奈さんは、

「企業や組織が、女性活躍推進=『女性の活躍を推進します』とだけ発信している場合、おそらく多くの女性は『女性の活躍って何?』『何を推進するの?』と疑問を持っているはず。

『なぜ女性の活躍を国が推進しているのか』『なぜ組織は推進しなければならないのか』が、正しく理解できていないと、『女性の活躍を推進します』というだけの抽象的な発信になり、さらには、『活躍したいわけじゃないし…』というような負の連鎖を生んでいる」と、分析しています。

では、この現状を打破するためには? 次回、具体的な解決策に迫ります。

株式会社ワーク・ライフバランス

永田瑠奈(ながた るな)さん

2012年に株式会社ワーク・ライフバランスへ参画。

自身も長時間労働でキャリアが見えなくなる経験をしていることから、女性たちのキャリア支援セミナーや女性を育成する管理職向けのマネジメント研修などを担当。

https://www.work-life-b.com/consultants/nagata

http://www.work-life-b.com/

取材協力/ワーク・ライフバランス

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