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桜の季節に観たい“泣ける”映画・ドラマ3選

  • 2025.3.24

Netflixシリーズ『いつかの君に』独占配信中


春を彩る桜。愛らしく、艶やかで、はかない、そんな桜の表情に、人はさまざまな思いを重ねているのではないでしょうか。今回は桜のシーンが印象的な映像作品の中から、感涙必至の映画・ドラマ3作を紹介します。

青春に寄り添う桜、アン・ヒョソプ主演のタイムトラベル・ロマンス 『いつかの君に』

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アン・ヒョソプとチョン・ヨビンが共演した韓国ドラマ『いつかの君に』は、台湾で大ヒットしたドラマ『時をかける愛』のリメイクで、2023年と1998年をかけめぐる異色のラブストーリー。青春、純愛、ミステリー、タイムスリップを織り交ぜた多彩なストーリーと俳優たちの圧巻の演技に、見始めたら止まらなくなる名作ドラマです。

2023年、36歳のジュニ (チョン・ヨビン) は、1年前に長年の恋人ヨンジュン (アン・ヒョソプ)を事故で亡くして以来、悲しみから立ち直れずにいました。ある日、ジュニのもとに小包が匿名で届きます。そこには、1枚の写真と古いヘッドホンステレオが入っていました。写真には、「27レコード店」の前に立つ自分にそっくりな少女とヨンジュンに似た少年と見知らぬ少年の3人が写っていました。そして、ヘッドホンステレオで同封のカセットテープを再生すると、1998年にタイムスリップしてしまいます。

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1998年、とある高校では、少年シホン(アン・ヒョソプ)が、親友のインギュ(カン・フン)が内気な少女ミンジュ(チョン・ヨビン)に好意を寄せているのを知り、二人を近づけようとしています。ミンジュがアルバイトをしている「27レコード店」に頻繁に顔を出したり、桜並木をスクーターで走ったり、満開の桜の下でミンジュの誕生日を祝ったり。

この後、物語が二転三転して悲劇的要素を帯びてくるだけに、この桜のシーンに象徴される愛らしい青春の日々が儚く美しく感じられます。

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まもなく、ミンジュは交通事故に遭い、意識を取り戻したものの、突然に社交的で明るい性格に変わります。周囲も本人も戸惑うなか、シホンは不思議な感情を抱きます。一方、ジュニはタイムトラベルでミンジュの体に入ってしまいますが、ヨンジュンに似た少年シホンと出会えたことを喜んでいました。しかし、この後でミンジュの命が狙われることを知ったジュニは、悲劇を回避しようと画策しますが……。

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シホンに片想いをしている内気な高校生のミンジュ、ミンジュとして生きるジュニ、36歳のジュニ、3つのキャラクターを一人でこなしたチョン・ヨビンの演技力に脱帽! アン・ヒョソプもシホンとヨンジュンの人生を演じ分けていて、そのイケメンぶりと愛する人を思う切ない表情にハートを鷲掴みにされてしまいます。また、おとなしいインギュを演じたカン・フンの繊細な表情にも泣かされます。さらに、ある人物の人生をたどるエピソードでは、人気俳優のロウンがカメオ出演しています。『いつかの君に』というタイトルも見事な、珠玉のラブストーリーです。

Netflixシリーズ『いつかの君に』

視力も聴力も失った息子とその母の実話を小雪主演で映画化 『桜色の風が咲く』

『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures

盲ろう者として世界で初めて大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと母・令子さんの実話をもとに描いたヒューマンドラマ。

教師の夫、3人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は、幼少期に視力を失いながらも、家族の愛情を受けて天真爛漫に育ちます。やがて東京の盲学校に入学し、親元を離れて高校生活を謳歌しますが、徐々に耳も聴こえなくなってしまいます。

『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures

令子役は小雪で、息子の病気に驚き打ちひしがれながらも、できることはすべてやろうという愛情深い母親を熱演。青年期の智役は田中偉登で、聴力まで失いつつある絶望と苦難を乗り越えようとする持ち前の明るさを巧みに演じています。

『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures

美談に終始せず、大病院の医師が横柄な態度であったり、令子が藁にもすがる思いで民間療法を試したりと、リアルに描かれているのも実話ベースだからこそ。盲ろうだからといって大学進学や人生をあきらめたくないという智の前途を祝うかのような桜のシーンに、きっと涙があふれることでしょう。

『桜色の風が咲く』

桜に重ねる生きる意味と尊さ。樹木希林、最後の主演作 『あん』

桜並木にあるどら焼き店「どら春」の雇われ店長・千太郎(永瀬正敏)のもとに、働かせてほしいと懇願する老女・徳江(樹木希林)が現れます。徳江が心を込めて作る粒あんのおいしさが評判を呼び、店は大繁盛。しかし、ある噂により客足は遠のいてしまい……。

その噂とは、徳江がかつてハンセン病を患っていたということ。かつて日本では「らい予防法」により、この病気にかかった患者を生涯施設に入所させて社会から隔離していました。1996年に法は廃止されましたが、ハンセン病に対する偏見や差別は根強く残っています。本作は、人としての尊厳を奪われながらも人生を生きようとするひとりの女性を描いた作品で、ドリアン助川による同名小説をもとに、河瀨直美監督が映画化。樹木希林と永瀬正敏の自然な演技が心に残ります。

ロケ地は東村山市内で、「どら春」のセットが組まれたのは西武新宿線「久米川駅」の南口付近の桜並木、終盤の素朴な桜の風景は「多磨全生園」(国立ハンセン病療養所)です。桜で始まり桜に終わる本作に、生きる意味や命の尊さを考えさせられます。

『あん』

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構成・文

ライター 中山恵子

中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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